日本語教師ブラジル奮闘記

ブラジル生活裏話

ブラジル自動車市場における中国車の台頭

2011年04月24日 16時01分35秒 | ブラジル事情

JAC Motors Brasil - Campanha de Lan醇Mamento J3

中国の自動車メーカーが社運を賭け、新興国ブラジルで勝負に出てきた。

 

その自動車メーカーの名前はJac Motors(江淮汽車)と言う。中国では中堅の自動車メーカーだそうだ。

  

僕は街中の道路沿いに立てられた大看板による広告でその存在を知った。ただ、ちょっと調べてみると、大看板だけでなく、自動車雑誌にも大々的に広告を出しているほか、TVではブラジル最大の放送局グローボで長年日曜日の顔として知られる人気司会者ファウスタオンをCMに起用している。

 

ブラジル国内において一気に認知度を高めようという戦略なのだと思うが、そのメディア攻勢は凄まじく、投資している金額も半端ではないはずだ。

 

 昨年のサンパウロのモーターショーでは、中国の自動車メーカーが9社も出展し、特にこれといった新車の発表をしない日本の自動車メーカーを尻目に、その勢いの違いを見せつけたが、彼らの本気度はメディア戦略だけではない。

 

 Jac Motors社は、現在ブラジル国内に工場こそないが、サンパウロ郊外のバルエリという街に配送センターを建設し、ブラジル国内に販売店を50も構えるなど、万全の物流・販売体制を敷いている。これは将来の現地生産を見据えていると言える。

 

 販売している車種は4つあるが、その中で売り込み攻勢をかけているのがJ3という車種である。

 

 1300CC。108馬力。エアバック・パワステ・エアコン・パワーウィンドウ・USB挿入口付きのカーステレオが標準装備されている。

 

 気になるお値段は37900レアル(約190万円)。このポテンシャルでこの値段は日本では高額だが、税金が高いブラジルでは他社の同ランクの車種の値段より、恐らく1割くらい安い。 

 

さらに、彼らはブラジルでは初めてとなる6年保証を売りにしている。韓国メーカーなどは5年保証を売りにしているが、業界初の6年保証で一気に市場獲得を狙おうと躍起である。これだけでも、同社の本気度が半端ではないことがブラジル人消費者に伝わることは間違いない。

 

 日本メーカーはタイミングがちょうど悪いことに、東日本大震災でトヨタを始め、大打撃を受けている。日本メーカーは何も対応策を取らないと、もう既に先行している韓国メーカーだけでなく、中国メーカーにも市場を奪われる可能性が高い。

   

この先、どんなに優れた韓国車・中国車が販売されようと、日本で韓国・中国のメーカーの自動車が売れることは想像できない。しかし、ブラジル人消費者は、韓国・中国という国に対して偏見がない。従って、高品質で安い物であれば、メーカーに関係なく売れる。

 

ガラパゴス化現象で完全に世界から取り残された携帯電話の二の舞にならないよう、日本の自動車メーカーには価格競争力に優れ、現地の需要にあった車種の販売を期待したい。

 

 

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