日本語教師ブラジル奮闘記

ブラジル生活裏話

ポルトアレグレの剣道の道場に稽古を見に行って

2016年06月14日 21時53分00秒 | ブラジル事情
Como é treinamento de Kendo em Porto Alegre!? - AKIPA -


 日本語の生徒の1人が日本剣道連盟に招かれて、来月日本へ行く。
 
 彼は3段の有段者で、もう剣道を10年以上習っている。
 
 彼は日本で実施される外国人向けの剣道講習会に参加し、同時に4段の昇段試験を受験する予定である。
 
 もう10年以上も習っているのに、彼は剣道に対する情熱や愛情に溢れている。また、道場の先生の1人として剣道をブラジル国内で普及していきたいという強い気持ちも持っている。
 
 たいしたものである。
 
 彼のその熱い気持ちに影響されて、先週の土曜日彼の道場に稽古を見に行くことにした。
 
 実は僕も小学3年生から中学3年生までの7年間剣道を習い、初段を取得しており、中3の時は剣道部のキャプテンとしてチームを率いていた。
 
 僕が日本語を教えている私立大学で剣道のコースを提供していたので、剣道部自体がここブラジル最南端の州の州都ポルトアレグレにも存在することは知っていた。
 
 でも、剣道部を訪問することに何か後ろめたさみたいなものがあり、今まで稽古を見に行ったことはなかった。「海外の剣道は本物の剣道じゃない」という一種の偏見みたいなものもあったかもしれない。
 
 だが、実際に稽古を見に行って、自分の考えが誤解であったことに気付かされた。
 
 稽古の仕方も内容も、剣士のレベルも、日本の道場の稽古のそれと比べても遜色なかったのである。
 
 と言うか、剣士達の剣道に対する真摯な姿勢・愛情に関しては、日本の道場の剣士よりもはるかに強く感じられた。
 
 それは多分、剣道と言うスポーツをすることが海外では贅沢な事であり、剣士達がその状況に心から感謝しているからじゃないかなと思う。
 
 日本では当たり前のように出来るスポーツだが、ブラジルでは防具・竹刀の購入から道場の確保・運営まで、とにかくお金も手間もかかる。
 
 だからこそ、剣道が心から好きで、剣道することを楽しんでいる。
 
 剣道が好きで好きでたまらない、ある意味、日本人が剣道に対して忘れてしまった気持ちを彼らは持っているのである。
 
 しかも、剣道をしている仲間同士の連帯意識は極めて強い。
 
 僕は道場を訪問したことに関して、ポルトガル語で記事にしたら、瞬く間に同記事がシェアされ、ブラジル各地の道場からもいいねボタンが押された。
 
 日本じゃ考えられない気がする。
 
 僕も剣道を習っていたものの端くれとしてブラジルの剣道界に少しでも貢献できたら嬉しいかなと思う。

 

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