YuHiのブログ

水酸化アルミニウムアジュバント濃度の non-linear な影響

Toxicology Volume 375, 15 January 2017, Pages 48-57


【アブストラクトの和訳】

アルミニウムオキシヒドロキシド(Alhydrogel®)(水酸化アルミニウム)は、ヒトおよび動物用ワクチンのためのアジュバントとして認可を受けた主要なアジュバントであり、自然に凝集する一次ナノ粒子で構成されている。
しかし、一部の人では免疫細胞の中で予想以上に長く保持され、慢性疲労症候群認知機能障害筋肉痛自律神経失調症自己免疫/炎症など、現在、複数のアルミニウム含有ワクチンに関連すると考えられている症状が報告されており、安全性についての懸念となっている。
マウスの実験では、筋肉に接種したAlhydrogelが単球系細胞に捕獲され、リンパ器官、そして最終的には脳へと徐々に移動して行くことが示されている。

本研究では、成体雌CD1マウスの前脛骨筋にAlhydrogel(200、400、800μg Al/kg体重)を筋注し、180日後のマウス脳機能とアルミニウム濃度を評価した。
認知機能と運動機能は、8種類の検定により、ミクログリアの活性化はIba-1免疫組織化学により、アウミニウム濃度は黒鉛炉原子吸光分析によって評価した。

その結果、低用量のAlhydrogelにのみ異常な神経毒性パターンが観察され、活動レベルの低下、不安様行動など神経行動学的変化が、200μg Al/kgにおいて認められた。
しかし、このような変化は400および800μg Al/kgでは観察されなかった。
同様に、200μg Al/kg投与群ではミクログリア細胞数が腹側前脳で増加する傾向が現れた。
最低用量の動物では、大脳のアルミニウムレベルが選択的に増加したが、筋肉の肉芽形成は6ヶ月でほぼ完全に消失した。

以上の結果より、マウス筋肉に低用量で投与したAlhydrogelは、長期的にはアルミニウムの大脳への蓄積と神経毒性を選択的に誘発する可能性があることが結論された。
最低用量の注射懸濁液は最高用量のものと異なり、単球系細胞により捕獲、輸送されることが知られているバクテリアサイズの小さな凝集体のみを含む。
したがって、この予想外の結果を説明するためには今後、アジュバントのサイズとの関係を明らかにする必要がある。
いずれにせよ、Alhydrogelの神経毒性が古典的な毒性学の「用量依存性」という原則に従うという見解は単純にすぎることが示された。



低濃度で、フリーのバクテリアサイズ・ナノ粒子の多い状態の方が、悪さをしているということか。
濃度だけでなく、粒径も考察しないといけない。



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