【合気道 横濱金澤クラブ】電子掲示板

横浜市立金沢中学校の武道場をお借りして合気道教室を開いています。もっぱら初心者を対象として基本技を中心に教えています。

サムライとはなにか

2015-02-23 19:50:39 | エッセイ
「いかに美しく生きるか」
 
 人はどう行動すれば美しいか、ということを考えるのが江戸の武士道倫理であろう。人はどう思考し行動すれば公益のためになるかということを考えるのが江戸期の儒教である。この二つが、幕末人をつくりだしている。
 幕末期に完成した武士という人間像は、日本人がうみだした、多少奇形であるにしてもその結晶のみごとさにおいて人間の芸術品とまでいえるように思える。しかもこの種の人間は、個人的物欲を肯定する戦国期や、あるいは西洋にはうまれなかった。サムライという日本語が幕末期からいまなお世界語でありつづけているというのは、かれらが両刀を帯びてチャンバラをするからではなく、類型のない美的人間ということが世界がめずらしがったのであろう。また明治後のカッコワルイ日本人が、ときに自分のカッコウワルサに自己嫌悪をもつとき、かつての同じ日本人がサムライというものをうみだしたことを思いなおして、かろうじて自信を回復しようとするのもそれであろう。私はこの「峠」において、侍とはなにかということを考えてみたかった。それを考えることが目的で書いた
 その典型を越後長岡藩の非門閥家老「河井継之助」にもとめたことは、書き終えてからもまちがっていなかったとひそかに自負している。(略)

 「峠」(司馬遼太郎)あとがき より引用
写真:「河井継之助」

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