エヌのブログ - 永田町激動記 & 東日本大震災記録

2011.8.30新首相誕生に伴い、≪エヌのブログ - 東日本大震災記録≫を、( ↑上記↑ )に改題

「バスに乗り遅れるな」は嘘  TPPに参加すれば、すべてパー  日本の将来を危うくする

2011-10-15 22:25:43 | 暴かれる真実
日本経済 一歩先の真相 <高橋乗宣>  
知恵と情報が詰まった農業を殺すTPP

日刊ゲンダイ 2011年10月15日(14日発行)


   日本独自の伝統を生かせ

工業のために農業を捨てる--。野田政権が前向きになっているTPPへの参加とは、要するに、そういうことだ。果たして日本にとって、この選択は正しいのだろうか。

多くのマスコミは早期の参加表明を支持している。「早ければ早いほどルール作りから参加できるから有利になる」と主張。「バスに乗り遅れるな」と政権の尻を叩いている。

参加を正当化する材料に使われるのが韓国だ。猛烈な勢いで工業化を進める隣国を“仮想敵国”仕立てて、「韓国はEUとEPAを結んでいる」「米国とのFTAは批准手続きに入った」と危機をあおる。世界市場で競合するライバルが着々と手を打っているのに何をモタモタしているのか、という論調だ。

これはおかしな話である。日本の強みは先端分野の技術力のはずだ。関税がゼロでなければ買ってもらえないような低レベルの製品で勝負しているわけではないだろう。そもそも値段で売れ行きが決まるようなモノしか作れないのなら、TPPに参加してもムリだ。工業製品の輸出拡大で生き残るという国家戦略は根底から崩壊する。

一方の農業は、切り捨てられて当然なのだろうか。

実は、漁業や林業を含めた第1次産業には、日本が長年培ってきたノウハウが詰まっている。中国の富裕層が、地元産の何倍もする日本の米を好んで食べるのも、これまでに蓄積した知識と経験が生きているからだ。寒冷地でも栽培できるよう技術開発を繰り返し、豊かなうま味を感じる粘りや甘味も研究してきた。知恵と情報の宝庫である。

漁業も同じだ。海外で寿司屋をやっている日本人は、食材を日本から取り寄せると聞く。周囲が海に囲まれたような場所でも、漁師も市場も取った魚の扱いが雑で、寿司ネタとして使えないそうだ。コストが掛かっても、丁寧に水揚げされる日本産は外せない。林業でも、間伐材の利用法には日本独自のアイデアが生かされている。TPPに参加すれば、すべてパー。何も残らない。こんな政策は明らかに間違いだ。日本の将来を危うくする。

これまでにも当欄で、日本の生き残りには埋蔵文化の掘り起しが必要と説いてきた。農業や漁業にも日本独自の伝統がいっぱいだ。捨てる必要は、どこにもない。(金曜掲載)

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