実は1日遅れです。すいません。締切守れる大人になれるよう日々努力しています。
「もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら」(神田圭一、菊池良/宝島社)がとっても面白かったので、私も書いてみます。クスキユウの文体を真似て。
意味なき寄り道、自問自答、聖書の引用、など自分で自分の特徴を考えて、ハリウッド的にターニングポイントやミッドポイントを考えながら描きました。
「カップ焼きそばを巡る冒険」クスキユウ
私は必死で暗記していた。焼きそば作りの手順を。
なぜならそれが書かれた外装フィルムをこれから引き剥がさないと食べられないからだ。ようやく踏ん切りがついて引きちぎってみると、なんとちゃんと上蓋の上にも作り方がきちんと書いてある・・・。
AとかBとかあるけど、要は半分あければいいんだよな。あれ、つーかこれ、直角三角形だ。そういえば三平方の定理の問題集やろうと思ってそのまんまだな。
ピタゴラスは置き去りにして、カヤクを開けて中に入れる。これはプラごみでいいな。洗わずとも良いな。環境に優しい私はきちんとする。乾燥ワカメもいれる。最後にはネギもプラスする。ソースは書いてなかったけど蓋の上で温めよう。
ピーっとは鳴らないうちのやかんが口から湯気を立てて、早くしてくれと急かす。そんなに急かすなよと思いながらもジョバーっと入れる。あれ?ジョバーっで終わっちゃった。線に足りないよ、これヤバい。
予定と違うが先に箸を取りに行って、かき混ぜる。特に追加したワカメを浸しておかねば。あー、しかし後から湯を追加するわけにもいかないし。本来なら線よりも多めにお湯を入れてふやかすのに。
考えるより先に蓋を閉めるべきだと考えて、箸とソースを上に置く。
「慌てるな。考えろ、考えろ!」
思わず声に出ていた。
時計を見ると、3分が過ぎていた。確かこれは5分だったはず。
あ、そうか、これは湯を捨てるのだから、お湯は少なくても良い。大事な事は十分に水を吸わせる事なのだから、この際6分待てばよいのでは。
「何事にも時がある。この地上のすべての活動には時がある。」(聖書)
念のためソースを取り除けて待つ時間を確認する。やはり5分だ。
アイデアが出る時は泉のように湧き出る。温泉卵を作れば良いのだ。いつもマグカップに水を入れてチンする。この時も湯切りをするけれど、今回はそのまま入れれば・・・。
あ、ソースが薄くなるだけだな・・・。
時間になったので私は、少々がっかりしながらも湯切りをする。ちっとも麺が溢れず、かやくのネギも落ちなかったことを喜ぶ。蓋を開けてみると、なんと蓋にもほとんどかやくがついていない。これは湯の量が少なかったことが幸いしたに違いない。
私はソースを混ぜて、思いついて青のりと鰹節パックの使い残しを入れてほぼお好み焼き味になったソレを一気にかきこむ。美味い。
ネギを入れ忘れたのに気づいたのは三分の二を食べ終わったあとだった。
どうせなのでレモン汁も入れて塩ネギレモン(塩は入れないけど)的にしてみよう・・・。
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