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B:be

今日はBということでBEです。
いわゆるbe動詞であり、存在や状態を表すなどという言い方をされたりします。

よくbe動詞は文型の話の中で=記号に置き換えられます。
SVCという第二文型の場合です。 S(主語)V(be動詞)C(形容詞・名詞)
She is beautiful. 「彼女は美しい。」(彼女=美しい) I am Tom. 「私はトムだ。」(私=トム)

ただ、この教え方は第三文型SVOと見分ける為のもので、本質的には「彼女は美しい状態にあるように見える」「私はトムという人間としてここにいる」という事実を表しており、俳優が美人の役を演じたり、トムという役を演じたりするときには、このことを踏まえたいのです。
俳優というと、Actorですから、どうしてもAct(動く・演技する)という動詞が浮かびますが、本質はこっちのbeだと思うのです。
英語の授業めいてきました。

僕はよく、「俳優の一番の仕事は、そこに居ることだ」という言い方をします。
舞台上にあるその空間、いや時空間にいて、その物語の流れの中で、その場所で起こることにその役として自然に反応していく。
これが理想だな、と。

もっと具体的に説明します。
例えばシェイクスピアのオセローに出てくるキャシオーという役柄をするとします。
まず、キプロスに居ないといけません。そして軍隊の中の副官というポジションとしていないといけません。
そして人種の違うムーア人が上官にいて、その上官に気に入られている。
さらにはキプロスを巡る歴史的な部分も頭にはあって・・・、というような知識があった上で、舞台上で起こる出来事に対しては、自己完結や予定調和でなくその場で即対応していきたいのです。
ロダリーゴーがどんな挑発の仕方をしてくるのか、そいつに対して自分がそのときどう思うのか、というよりは、酒を飲みすぎている状態(I am drunken.*getを使う場合の方が多いんですがわざとです)に自分を置く方がよい、ということです。

 ですが、その状態になることが目標なのではなくて、その状態で起こる出来事に対応できることが重要なのです。舞台上の時空間できちんと生きること、きちんと生活することが重要です。
 と、いうことは、毎日の生活をきちんと俳優として感性豊かに暮らせるか、演出家としてちっちゃなことに感動したり、丁寧に自分の感覚を探れるか、と言うようなことが重要かと。

 俳優としてのアプローチではなく、演出家としてどういう対応策をとるのか、というと、基本的には、物理的に俳優への負荷を変えていく、ということをやります。

 具体的にいうと、俳優にプレッシャーのかかる緊張感が欲しいというとき(He is nervous.)、つま先しか載せられないぐらいの紙を俳優の下に置き、そこから出ないで芝居してくれ、ということをします。
 この指示のことを負荷と言っています。他の俳優を使う場合もありますし、大きな音を鳴らすことの場合もあります。
 大事なのは物理的に変える事だと思っています。

 そうすることで、舞台上に役者が「居(be)られる」ようになり、その芝居は成功するとおもうのです。
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