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A:Artist

さて、今後「演出家の眼」ということで、何がしか演劇論めいたことか、もしくは今考えていることを中心に書いていこうと思います。

今まで創作の中心は実験にありましたが、ここらで言葉にしていきたい、という気持ちが強くなりました。まだ論まではいかないため、アルファベット順に日々の気づきをしたためていこうと思います。

 さて、初回はもちろんAということで、「Artist」です。
今、高校の授業で初の試みとして、授業を“稽古場”化しています。
授業の場と稽古場とどう違うのか、ということを考えた時に、
出てくるのは、参加者が生徒なのかアーティストなのかということだと思います。

まず、アーティストの定義ですが、語源となっているArtから定義します。
もちろん芸術です。芸能ではなく、芸“術”だと考えます。
この“術”を持っている人ということで、芸術家より、「職人」という意味の「Artist」の方に注目します。

職人は自分の作品の質に関して先ず厳しいです。
それは多くの場合商品となり、対価をもらうということだけではなく、それを社会に対して産み出すことへの責任感だと考えます。
職人は作品にとても愛情を持っていますし、わが子のように思っています。

翻って演劇に携わる俳優も演出家も、職人として作品づくりへの真剣さや、責任感を持っています。
僕の知っている「この人たち芸術家だなあ」、と思う人たちは、その作品への妥協の無さと作品への愛、
そしてそれを舞台上に上げてお客さんに届けることへの責任感が、
それ以外の人たちとは明らかに違うと感じます。

高校での授業では、やはり対価を貰っている以上、ある程度のサービスは必要だと考えています。
そして、授業をそんなに受けたくない人たち、友達とおしゃべりしたりメールをしたりすることの方がしたい人たちもいます。
そういう生徒さんにも演劇を楽しんでもらえるように、
そして体育の授業のような厳しい感じでは自由な作品は生まれないとも思い、僕の授業は結構ゆるゆるとやってきました。

でも今回は、僕の稽古場に参加したくない人、ルールを守れない、守りたくない人には別室で作品を創ってもらうことにしました。
ルールは3つ。①私語禁止 ②きちんと遊ぶこと(Playの項で説明します) ③意見はまっすぐ稽古場に向けて言うこと
携帯禁止といい忘れていたので、次回言います。

③ですが、意見をきちんと僕に向かって言うように、ということです。
横の友達に向かって不満や言いたいことを言う子どもが増えている気がします。
「○○なんちゃうん」とか「○○やんな」とか言ってです。本人はひょっとしたら気づいていないのかもしれませんが、
あれは曲がったコミュニケーションな気がするので、稽古場では変えたいな、と思うのです。
まっすぐ意見を言い合うのが稽古場ですから、言いたいことは隣の人ではなく、オープンに全員に対して言って欲しいのです。

稽古場に参加するということ、作品を創り手の一員として責任感を持って産み出すこと、
こうしたことを身をもって体感していってもらえたらと願います。
これはもちろん僕の側にも大変なプレッシャーで、きちんとした社会人として「Artist」として彼らの前でいることが出来るか、大きな挑戦です。
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