こんなのできた!

単調な生活に新発見を!  
日々の小さな出来事の写真日記

2009/03/04 『行人』 ――― 漱石の苦悩

2009-03-04 20:50:18 | Weblog

曇り空の朝。
日課・・・  ラジオ体操、不燃・粗大・有害物のゴミ出し。
ラジオ・新聞・ネットのニュースは

昨日行われた、第67期将棋A級順位戦、最終局結果(左の棋士が勝ち)
  丸山忠久九段(5勝4敗) ― ▼深浦康市王位(3勝6敗)
  佐藤康光棋王(6勝3敗) ―   藤井猛九段  (4勝5敗) 
  谷川浩司九段(4勝5敗) ― ▼鈴木大介八段(3勝6敗) 
◎郷田真隆九段(7勝2敗) ―   木村一基八段(5勝4敗)
  森内俊之九段(5勝4敗) ―   三浦弘行八段(3勝6敗)

この結果、郷田真隆九段が羽生善治名人への挑戦権を得た。一方
B級
1組への降級は深浦康市王位と鈴木大介八段。
谷川浩司九段が残留
しほっとした。

一昨日、10年ほど使い続けたラジオ「RF-NT800R」が壊れた。壊したと
云った方が正確な表現かな。壊した時は電源が入らなかったが、昨日電源
は入るようになったが、選局用ダイヤルが利かない。完全に乾燥すれば復
旧するかなと淡い期待を持っているが、きょうもダイヤルが利かず。

復旧は諦めて、購入することにした。
購入の条件は、NHK第一放送が受信できればいい。枕元におくので受
信周波数が動かないデジタルチューナーであること。
候補として「RF-NT850R」「RF-ND280R」「RF-ND180R」。


「Jシン」へラジオの現物を見に行く。ソニー製が多く、Panasonic製は1機種
だけだった。
購入予定の機種は在庫がなく取り寄せとなる。


それならばネットの方が安いので、「RF-ND280R」を注文する。
「取寄せ商品ですので明日(5日)発送予定です」の返信がきた。



夕刻、


晴れ間が見えてきた。




いつも仲良し「ガ~公とシロ」
 

久しぶりに階段の上り下りをする。

漱石の『行人』を読み終える。

■ 夏目漱石 『行人』 ――― 漱石の苦悩 

『行人』は大正元年12月6日から朝日新聞に掲載され始める。
漱石は『行人』を書いているうちに三度目の「胃潰瘍」で倒れ、掲載は一時
中断された。「帰ってから」に一応の区切りをつけるため病臥中無理をして
2回分を書き上げた。(大正2年4月2日~3日書簡【30巻p.179】)
病気が回復し『行人續行に就て』(T2.9.15【21巻p.196】)を掲載し、翌日9月
16日より『行人』を続行する。

  (冒頭)
  
梅田の停車場を下りるや否や自分は母から云ひ付けられた通り、すぐ
 俥を雇つて岡田の家に馳けさせた。岡田は母方の遠縁に当る男であつ
 た。自分は彼が果して母の何に当るかを知らずに唯疎い親類とばかり覚
 えてゐた。
  大阪へ下りるとすぐ彼を訪うたのには理由があつた。自分は此処へ来
 る一週間前或友達と約束をして、今から十日以内に阪地で落ち合はう、
 さうして一所に高野登りをやろう、若し時日が許すなら、伊勢から名古屋
 へ廻ろう、と取り極めた時、何方指定すべき場所を有たないので、自分は
 つい岡田の氏名と住所を自分の友達に告げたのである。
          漱石全集 第十一巻 『行人』  p.5 岩波書店

  
兄さんは鋭敏な人です。美的にも倫理的にも、智的にも鋭敏過ぎて、つ
 まり自分を苦しめに生れて来たやうな結果に陥つてゐます。兄さんには
 甲でも乙でも構わないといふ鈍な所がありません。必ず甲か乙かの何方
 でなくては承知出来ないのです。しかも其甲なら甲の形なり程度なり色合
 な
りが、ぴたりと兄さんの思ふ坪に嵌らなければ肯がはないのです。兄さ
 んは自分が鋭敏な丈に、自分の斯うと思つた針金の様に際どい線の上
 を渡つて生活の歩を進めて行きます。其代り相手も同じ際どい針金の上
 を、踏み外さずに進んで来てくれなければ我慢しないのです。
          漱石全集 第十一巻 『行人』  p.306 岩波書店

兄さん(一郎)は自分に要求するところがきびしく、また他人に要求するとこ
ろもきびしい人間だった。それが一郎を苦しめ、またその妻のお直を苦しめる。

最後の方で、
  「嫁
に行く前のお貞さんと、嫁に行つたあとのお貞さんとは丸で違つて
 ゐる。今のお貞さんはもう夫の為にスポイルされて仕舞つている」
さらに
  
「何んな人の所へ行かうと、嫁に行けば、女は夫のために邪になるの
 だ。さういう僕が即に僕の妻を何の位悪くしたか分らない。自分が悪くし
 た妻から、幸福を求めるのは押が強過ぎるぢやないか。幸福は嫁に行つ
 て天真を損はれた女からは要求出来るものぢやないよ」
          漱石全集 第十一巻 『行人』  p.332 岩波書店

相手が悪いのは、自分にも相当責任があるという一郎にとって悲しい認識をする。
救いの光が差してきたようだ。

主な登場人物
p.5  【一郎】 長野一郎
p.67 【直】   一郎の妻
p.74 【芳江】 一郎の子
p.7  【父】  一郎の父
p.5  【母】  長野綱、一郎の母
p.8  【二郎】 一郎の弟
p.8  【お重】 一郎の妹
p.16 【お貞さん】 長野家のお手伝いさん

p.5  【岡田】    綱の遠縁
p.7  【お兼さん】 岡田の妻

p.5  【三澤】 二郎の友人
p.86 【Hさん】 一郎の同僚
p.17 【佐野】
p.37 【あの女】

■ きょうのタマちゃん



   のち 

この記事についてブログを書く
« 2009/03/03 将棋界の一番長... | トップ | 2009/03/05 【じゃがいも】... »

Weblog」カテゴリの最新記事