天気予報では関東地方は午後から雷雨の予報で、伊豆半島方面はたしかに低い雲が垂れ込めて、半島まで見えません。しかし、大島は朝から晴天で、夏の強い陽射しが降り注ぎます。秋の浜に向かうと、昨日のうねりはすっかり収まって、静かな秋の浜が戻ってきました。
1本目は石田さんのガイドで正面際へ向かいました。-43mの亀裂にムラサキズキンベニハゼがいるそうなのですが、やはり今回は出ていませんでした。ナガシメベニハゼは石田さんに教えてもらって、しっかり観察できました。しかし、穴の天井で入り口が狭く、今回は撮影断念。15cmくらいの立派なキビレマツカサがいて、結構手前まで出てきてくれたので撮影してみましたが、見事に後姿になってしまいました。トサヤッコはばっちり撮れました。-25mくらいの窪みでも、ナガシメベニハゼを見つけました。しかしライトを当てると亀裂に隠れてしまい、結局は叶わず。シロボシスズメダイの幼魚はブルーの体色がだいぶ褪せてきて、成魚に近くなってきました。
落っこちそうな岩の下あたりでキイロイボウミウシ、イガグリウミウシを見つけました。
段落ちでは、これまで何度撮影してもなかなか上手く光が当たってくれないルリハタを相手に苦戦していると、すぐ横では他のダイバーたちがミスガイを囲んでいました。壁の前のゴロタには、あちこちで真っ赤に婚姻色を出したイトヒキベラや、お腹の大きなメスをしつこく追い回すネンブツダイの♂が見られました。壁の上の方では、ヒブサミノウミウシが居ました。 エキジット直前に海底の岩をめくっている石田さんに呼ばれて行ってみると、3cmほどのタナバタウオの子供がいました。
#604 伊豆大島 秋の浜 正面際、Entry 9:36 Exit 10:36 Dive time 60 min. Max depth 43.3m Avg depth 16.3m 天候 晴れ、気温 19℃、水温 17℃、透明度 8m、流れ 弱
昼食後の2本目は、コウリンハナダイを求めて右のゴロタ斜面へ向かいました。 透明度は相変わらずですが、陽射しが入ってくるのでずいぶん気持ちよく泳げます。 目的地へ着いて前回観察した岩の周囲を見ても、それはなかなか見つかりません。ふと海底の岩陰をみると、キンチャクダイの幼魚がいました。もう一部に青い縦縞が現れ始めています。無限圧潜水限界も迫ってくる中、やっとのことで石田さんがコウリンハナダイを見つけてくれて、大きな根の間に上手く追い込んで撮影大会となりました。イマイチ鰭を広げていないけれど、今回はこれがベストショットです。
斜面に沿って浅場に戻る途中では、大きな岩陰にテングダイが1匹いました。ソウシでもいないかな~、と隙間を片っ端から覗いてゆくと、50cmくらいの大きなイタチウオの姿も。定番のコケギンポsp.を見て、次に石田さんが見せてくれたのはヤマドリの♂でした。大島ではあまり見かけません。段落ちから右へ回り込んだ-5mの壁では、2cmほどのハナミドリガイを見つけました。
#605 伊豆大島 秋の浜 右のゴロタ斜面、Entry 12:26 Exit 13:30 Dive time 64 min. Max depth 36.0m Avg. depth 13.3m 天候 晴れ時々曇り、気温21℃、水温18℃、透明度 8m、流れ弱
秋の浜から北の海上を見ると、房総半島から湘南、伊豆方面は低く分厚い雨雲に覆われて、湿っぽい南風が強くなってきました。今月の運行ダイヤは久里浜経由東京行きの高速船が16:10出発なので、かなり余裕を持って器材の後片付けやログ付けが出来るので助かります。 携帯で気象情報を見ると、関東各地で雷雲が発生して、所々で激しい雷雨になっているようですが、大島~久里浜間はまだ大丈夫で、ほぼ定刻に久里浜港に帰り着きました。