遙か3感想。源氏の軍師で地の朱雀・武蔵坊弁慶さんです。
全編を通じてネタバレ、勘違い・記憶違い・思い込み、独断と偏見が入り乱れていますのでお気をつけください。
武蔵坊弁慶(むさしぼうべんけい)
八葉の一人・地の朱雀。源氏の軍師を務めており九郎の腹心。
歴史に全く詳しくない私でも、武蔵坊弁慶は聞いたことくらいあります。あれですよね、どちらかと言うと力自慢の大男のイメージが強いですよね。でも遙か3の世界の弁慶は、とても物腰穏やかな優男です。いやいやいいんですよ、あくまで異世界ですし、『実在の人物・団体とは関係ありません』ってやつですから。これだから乙女ゲーってやつは(良い意味で)。
元々本職は薬師で、現在は源氏の軍師として九郎とは友人関係です。物語序盤で源氏軍に加わった主人公を何かと助けてくれます。また、龍神や龍脈等の知識にも明るく、予備知識のない主人公ご一行に解説をしてくれるとても有難い存在です。熊野出身でヒノエの叔父(ヒノエの父親の弟)でもあります。
そんなわけで、薬師で軍師で学者肌で熊野出身のプレイボーイで昔はやんちゃな破戒僧で…と将臣くんにも引けを取らない設定満載な彼なので、結局彼は一体何なのだと掴みきれてないというのが正直なところです。
非常に柔和な態度で望美を気遣ってくれる優しい面もある一方、現実主義で冷徹な面もあるという二面性を持つタイプの人です。声優さんにあまり詳しくない上に知識やイメージが何年も前で停止している私は、パッケージの声優さん一覧をざっくり見て、てっきりこの人を石田彰さんが演じるのかと思っていました(石田さんはリズ先生でした…)。上手く言えませんが、なんだか石田彰さんが演じていそうなキャラ、と勝手に思ってました。
源氏側について戦ってはいますが、九郎と完全に志が同じわけではないのです。九郎は、「兄上(頼朝)が治める泰平の世を築く」事が目的なのに対し、とても雑にまとめると弁慶は「戦乱が長く続くと弱い立場の人を中心に苦しむ人たちがどんどん増えるので、源氏でも平家でもどっちでもいいからとっとと勝たせて戦いを早く終わらせないと」という行動理念で動いている様です。その為には火に巻かれて救出困難な味方の部隊は切り捨てるし、勝敗が決した戦であっても敵の残党の船を全て焼き払うわけです。徹底してますね。
ただ、そういうこと考えているとき露骨に普段と違う顔する(専用の立ち絵がある)ので、なんていうのか、やっぱり人を謀ったりするの、根本的に向いてないんじゃない?と余計な心配をしてしまうのでした。
彼も熊野の男らしく、女性に優しく、二言目には思わせぶりな言葉を飛ばしています。ヒノエとの違いとしては、彼の方が大人だからか個性なのか、より心がこもってない感じがする所ですかね。ヒノエが割と初対面からある程度恋愛感情的にも望美を気に入っていた(もちろん後半にならないと本気にはならないとして)っぽく見えるのに対し、弁慶はただ単に人としてマナーで親切にしてただけ、そこに板に付きまくった熊野クオリティの軟派トークを使っていただけっていう感じがします。それが大輪田泊辺りからですかね、ちょっとずつ本心と建前が入り混じってくる感じがします。敵船を焼き払うのを望美に見せたくなかった理由が、「望美が嫌がる⇒神子と気まずくなってその後の仕事し辛くなる」という実務的な物より、「望美が傷つくのが嫌」っていう側面がやや上回ってきたんじゃないかなーという印象を(勝手に)持ちました。この手の本心見せないタイプの人から、本心っぽい物がチラホラ見えるようになってくると正直ゾクゾクしますよね。
結局本心を見せたり見せなかったりしたまま、うっかり騙されて身柄を拘束されたり、更にそこから弁慶の考えを察して協力しなければならない…という、望美が知恵熱で苦しまないか心配になるシナリオでしたが、総じて弁慶の行動を見ていると、やっぱり基本的に優しくて責任感強いんじゃないんでしょうかね?ちょっと極端なだけで。
彼はフード姿がとても印象的ですが、エンディングのスチルでは普通の薬師の格好をしているので、ちょっと戸惑いました(笑)。
次回は天の白虎・有川 譲の予定です。