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オタクの雑記です。日常のこととかお絵かきとか好きな作品の話とか。

遙かなる時空の中で3感想(6)武蔵坊弁慶

2014-12-04 22:07:17 | オタ話

遙か3感想。源氏の軍師で地の朱雀・武蔵坊弁慶さんです。
全編を通じてネタバレ、勘違い・記憶違い・思い込み、独断と偏見が入り乱れていますのでお気をつけください


武蔵坊弁慶(むさしぼうべんけい)
八葉の一人・地の朱雀。源氏の軍師を務めており九郎の腹心。


歴史に全く詳しくない私でも、武蔵坊弁慶は聞いたことくらいあります。あれですよね、どちらかと言うと力自慢の大男のイメージが強いですよね。でも遙か3の世界の弁慶は、とても物腰穏やかな優男です。いやいやいいんですよ、あくまで異世界ですし、『実在の人物・団体とは関係ありません』ってやつですから。これだから乙女ゲーってやつは(良い意味で)。
元々本職は薬師で、現在は源氏の軍師として九郎とは友人関係です。物語序盤で源氏軍に加わった主人公を何かと助けてくれます。また、龍神や龍脈等の知識にも明るく、予備知識のない主人公ご一行に解説をしてくれるとても有難い存在です。熊野出身でヒノエの叔父(ヒノエの父親の弟)でもあります。
そんなわけで、薬師で軍師で学者肌で熊野出身のプレイボーイで昔はやんちゃな破戒僧で…と将臣くんにも引けを取らない設定満載な彼なので、結局彼は一体何なのだと掴みきれてないというのが正直なところです。

非常に柔和な態度で望美を気遣ってくれる優しい面もある一方、現実主義で冷徹な面もあるという二面性を持つタイプの人です。声優さんにあまり詳しくない上に知識やイメージが何年も前で停止している私は、パッケージの声優さん一覧をざっくり見て、てっきりこの人を石田彰さんが演じるのかと思っていました(石田さんはリズ先生でした…)。上手く言えませんが、なんだか石田彰さんが演じていそうなキャラ、と勝手に思ってました。
源氏側について戦ってはいますが、九郎と完全に志が同じわけではないのです。九郎は、「兄上(頼朝)が治める泰平の世を築く」事が目的なのに対し、とても雑にまとめると弁慶は「戦乱が長く続くと弱い立場の人を中心に苦しむ人たちがどんどん増えるので、源氏でも平家でもどっちでもいいからとっとと勝たせて戦いを早く終わらせないと」という行動理念で動いている様です。その為には火に巻かれて救出困難な味方の部隊は切り捨てるし、勝敗が決した戦であっても敵の残党の船を全て焼き払うわけです。徹底してますね
ただ、そういうこと考えているとき露骨に普段と違う顔する(専用の立ち絵がある)ので、なんていうのか、やっぱり人を謀ったりするの、根本的に向いてないんじゃない?と余計な心配をしてしまうのでした。
彼も熊野の男らしく、女性に優しく、二言目には思わせぶりな言葉を飛ばしています。ヒノエとの違いとしては、彼の方が大人だからか個性なのか、より心がこもってない感じがする所ですかね。ヒノエが割と初対面からある程度恋愛感情的にも望美を気に入っていた(もちろん後半にならないと本気にはならないとして)っぽく見えるのに対し、弁慶はただ単に人としてマナーで親切にしてただけ、そこに板に付きまくった熊野クオリティの軟派トークを使っていただけっていう感じがします。それが大輪田泊辺りからですかね、ちょっとずつ本心と建前が入り混じってくる感じがします。敵船を焼き払うのを望美に見せたくなかった理由が、「望美が嫌がる⇒神子と気まずくなってその後の仕事し辛くなる」という実務的な物より、「望美が傷つくのが嫌」っていう側面がやや上回ってきたんじゃないかなーという印象を(勝手に)持ちました。この手の本心見せないタイプの人から、本心っぽい物がチラホラ見えるようになってくると正直ゾクゾクしますよね
結局本心を見せたり見せなかったりしたまま、うっかり騙されて身柄を拘束されたり、更にそこから弁慶の考えを察して協力しなければならない…という、望美が知恵熱で苦しまないか心配になるシナリオでしたが、総じて弁慶の行動を見ていると、やっぱり基本的に優しくて責任感強いんじゃないんでしょうかね?ちょっと極端なだけで

彼はフード姿がとても印象的ですが、エンディングのスチルでは普通の薬師の格好をしているので、ちょっと戸惑いました(笑)。

次回は天の白虎・有川 譲の予定です。


遙かなる時空の中で3感想(5)ヒノエ

2014-12-03 22:26:10 | オタ話

遙か3感想。ザ・熊野の男こと天の朱雀・ヒノエくんの感想です。
全編を通じてネタバレ、勘違い・記憶違い・思い込み、独断と偏見が入り乱れていますのでお気をつけください


ヒノエ
八葉の一人・天の朱雀。若くして熊野水軍の頭領であり熊野別当(神職)も務める。本名は藤原湛増(ふじわらの たんぞう)。


作中、主人公の望美は基本的に源氏側で戦うことになるわけなのですが、ヒノエは源氏にも平家にも属していない中立の地・熊野の人です。
熊野水軍の頭領で、熊野別当でもある彼なのですが、最初の内は主人公ご一行には正体を隠しています。彼の叔父にあたる弁慶も、正体を知りつつあえて自分から話すようなこともしませんでした。ヒノエは八葉なので一応一緒に行動はしてくれるのですが、ヒノエ個人としてではなく、熊野の頭領として力を貸してくれるようになるまではなかなか骨が折れます。
もう発売当時から何十人何百人という人が言及していたと思うのでとても恐縮なのですが、私も言わない訳にはいかないので言っておきたいことがあります。本名ではなくヒノエって名乗っているのは、単に正体を隠す事だけが理由なんですか?それとも本名気に入ってないの??

性格は軟派で女好きな所がとても目立ちます。でも、これは彼一人がどうこうということではなく、熊野の男全体に女好きの性質があるようです。熊の出身者が息をするくらいナチュラルに女性に甘い言葉を叩きつける様が作中にも何度か見受けられます。なんだ、ここはイタリアなのか
ヒノエも、望美のことを「神子姫様」と呼んでみたり(普通に「望美」とか「お前」って呼ぶこともあり)、他の八葉はなかなか言わないような軽口を叩いてみたり、アクセサリーをくれたりととにかくお姫様扱いしてくれます。ガツガツしてなくて、どことなく上品で艶っぽい雰囲気があるのも魅力ですね。
他方、この彼なかなかクールでクレバーな所がありまして、三草山からの福原襲撃やら平家側の船強奪やら、現状を踏まえた上での大胆な提案をガンガン打ち出してきます。頭良い…。望美に対しても、ちやほやしてくれたと思っていたら、戦場においての真面目な質問をふっかけて来る事も多々あります。それに対しておバカな子っぽい回答も勿論容易されているんですが、彼が求めているのは存外にマジな方の回答なわけです。可愛くて精神的に強くてそして賢い神子様がお好きなようです。意外とハードル高いぞ、頑張れ神子
あと、彼は八葉の中では年少組の区分になると思うのですが、それに反してとてもメンタルが安定している人だと思います。この若さで熊野の命運を自分が握っていて、しかも自分自身は源氏にも平家にも縁があるのでどっちにつくのも難しくて…なんて状況下だったら、普通もっとうろたえたり誰かにあたったりしそうですけどね。人知れず悩んでいる様子は伺える場面はありますが、あんまり他人には察せられないようにしているみたいです。シナリオも全体的に取り乱している様とかはあんまり描かれてなかったんじゃないかな。私が見逃している(忘れている)だけかも知れませんが。

遙か3の八葉エンドって無印と十六夜の2種類で、望美が現実世界に帰還するのと同行するパターンと、望美が異世界に残留するパターンがそれぞれ基本的に用意されているのですが、ヒノエの場合は帰還のパターンが変則的になってますよね。完全に望美の世界に移住しちゃうんじゃなくて、望美の世界と自分の世界(異世界)の熊野を行ったり来たり、遠距離恋愛みたいなエンディングになってた気がします。どれだけ熊野を大事にするのよ(笑)。

個人的になんだか恐縮してしまってちょっと毎回距離をとってしまった感じのヒノエですが、めちゃめちゃスペック高いキャラでしたね。

次回は地の朱雀・武蔵坊弁慶さんの予定です。


遙かなる時空の中で3感想(4)源九郎義経

2014-11-28 20:43:08 | オタ話

遙か3感想。源氏の総大将にして地の青龍、源九郎義経さんの感想です。
全編を通じてネタバレ、勘違い・記憶違い・思い込み、独断と偏見が入り乱れていますのでお気をつけください


源九郎義経(みなもとのくろうよしつね)
八葉の一人・地の青龍。源頼朝の弟。頼朝の代理として、源氏の総大将を務める。

先にお話した通り、私が購入したのは『遙かなる時空の中で3with十六夜記 愛蔵版』(長い…)という、後年発売されたいわゆるベスト版・廉価版と呼ばれる物なのですが、無印オリジナル版とwith~はパッケージ絵も違うようでして、私のソフトではヒロインの望美とこの彼がパケ絵を飾っていました。なので、私は当初、彼が天の青龍なのかな?と勘違いしたままプレイを開始し、取説開いて軽く混乱したのを覚えています。

先述の将臣くんが、昔ながらの幼馴染という親しい存在でありながら、敵同士に分かれロミオとジュリエットかと言わんばかりの悲恋展開になったのとは対照的に、九郎と望美は割と常に一緒に行動することになります。
何せ九郎が源氏の総大将、望美も源氏の軍にくっついて一緒に行動し戦場で活躍しつつ怨霊封じをこなしている間に、いつの間にか「白龍の神子」だけでなく「源氏の神子」とも呼ばれるようになってきます。大将の傍らに寄り添う神子、素敵ですね。
そんなこともあり、戦の大局とストーリーが割りと密接に関連しているのもこのシナリオの特徴ですね。
二人の関係は、仲間 とか戦友とか相棒とか、そういう呼び方が似合う感じです。本来八葉が神子を守ってくれるはずなんですけど、戦闘力がハンパなく高い神子様なので、戦場で神子が大将を助けに行くという展開も繰り広げられます。

さて、九郎の人となりを一言で表すと、間違いなくこれです。愚直
愚直です。真っ直ぐです、真面目で馬鹿正直です。
他のキャラクターが、本心をあまり見せなかったり、重大な秘密を隠していたり…とそんな複雑さがある中で、九郎に関してはそういうのはあんまりないです(全然ないわけじゃないですけどね)。
女の子に対する気遣いみたいなのもほとんど期待できず、途中望美が女の子だということも忘れてたんじゃね?という言動もチラホラ。それに対して望美も言い返すわやり返すわ…という感じ。
思えば、最初に望美が「(源氏軍に)同行させてほしい」と言ったときも、九郎が突きつけてきた条件が「花断ち(舞い落ちる花びらを切り裂く剣技)を見せること」という、かなり体育会系なものでした。本当にこれ乙女ゲームか?と疑いました。少年漫画じゃねえんだよ。
そんな二人が反発しつつも協力し合い、お互いを認めて助け合っていくという展開は、とても爽やかな恋愛模様で、作中でも一種の清涼剤みたいな役割なのではないかと思っています。
物語序盤で、後白河院に気に入られて危うく身柄を引き取られそうになる望美を、勢いで自分の許婚と偽って助けてくれたり、後の物語でそのフラグ回収したりと甘酸っぱい展開も良かったです。
まあゴチャゴチャ話しましたが、とっても良い王道ラブコメ展開です。シリアスもあるよ!!

そう言えば、九郎は最初の人当たりこそよくないものの、一度相手を認めるとその相手に無条件で信頼を寄せる傾向があるようで、頼朝やリズ先生や弁慶や、絆を深めた望美などなど本当にね、真っ直ぐにね、信じてるんですよ。
なので、その相手から裏切られる局面は、見てるこっちも本当につらかったな。裏切る側にも事情があったりするんですけどね、弁慶お前のことだよ


最後になりましたが、九郎と言えばあの髪の毛ね。すんごい長さのポニーテールです。重そう…。
あまりの髪型のインパクト故に、ゲーム開始初期の名前が覚えられなかったときずっと「ポニテ、ポニテ」と呼んでいました。いまでも油断するとポニテって呼んじゃう。
ちなみに作中1,2を争うお気に入りキャラです。

次回は、天の朱雀・ヒノエの予定です。


遙かなる時空の中で3感想(3)有川 将臣

2014-11-21 01:23:56 | オタ話

遙か3感想。ヒロインの幼馴染にして天の青龍・将臣くんの感想です。
全編を通じてネタバレ、勘違い・記憶違い・思い込み、独断と偏見が入り乱れていますのでお気をつけください


有川 将臣(ありかわ まさおみ)
八葉の一人・天の青龍。主人公である望美の幼馴染の有川兄弟の兄の方で、望美とは同級生。

感想記事の最初に書いた、遙か3をプレイするきっかけとなった絵描きさんがお好きだったのがこの将臣くんです。実際に自分でゲームをするまで、ストーリーや登場人物など当然ながらほとんど知らなかった私は、遙か3に対して、「将臣くんって人が出てくるゲーム」というかなり偏った知識しか持っていませんでした。
そんな訳で初めてゲーム中で彼を拝見したときは「ど、どうも。お噂はかねがね…」みたいな謎の状態になっていたことが思い起こされます。

ゲームのオープニングイベント最中の、望美と将臣くんの会話を聞く限り「もう君たちは付き合ってるってことでいいんじゃないか?」としか思えないのですが、あくまで幼馴染らしいです。
そんな将臣くんですが、望美・弟の譲と共に異世界へ飛ばされます。
ところがどっこい、望美と譲は比較的近くに着地して、異世界へジャンプ後すぐに再会できるのですが、将臣くんは時空の狭間で二人とはぐれてしまい、同じ異世界に飛ばされたものの、時間軸が少しずれたところに着地します。だいたい、二人よりも3年ちょいくらい前の地点に異世界へ来たことになっているので、二人と再会する頃には、将臣くんだけ歳をとっています。
そして最も肝心なのが、望美が源氏側で参戦しているのに対し、将臣くんは平家側の人間になっていたという所。幼馴染にして敵対関係。許されざる恋っていうやつです。
再会当時はお互いの所属に気が付かず、神子と八葉として怨霊退治したりするのですが、敵同士と気づいてからはまあ盛り上がっていましたね(ストーリーが)。

人となりとしては、あまり細かいことには拘らないさっぱりとした性格で、すごく雑な印象を述べると育ちの良いヤンキーみたいな感じです(嘘をつけ)。
兄貴肌で頼りになるし、いざというときには優しい、あと結構責任感が強い感じ。望美や譲からはゲーム中「自分勝手で単独行動が多い」という意見が出てますが、まあそんな感じですよね。他のキャラクターと違い、ゲーム中で一緒に行動できる場面がかなり少ないです。
勉強はあんまりしないと言いつつ頭は良いようで(思考能力的な意味で)、一ノ谷の奇襲を先読みして歴史を変えちゃう(厳密には異世界だから違うんだけど)あたりどんだけ武将クオリティ高いのよ!と驚くのです。

個人的には幼馴染ならではの望美との息の合ったやり取りがとても可愛くて好きです。スモモ冷えてない!のやり取りとか。
あと、将臣くんが最高に格好良いと思うのが、お世話になった平家の人たちを守る為に場合によっては望美たちよりも平家を優先するところです。清盛との関係にもどかしさを抱えながら葛藤する姿は見てるこっちもつらいぜ…となりました。そんな清盛との決着なのですが、なんか将臣くんルートだと曖昧に終わっちゃったなあという印象もあり、むしろ譲無印ルートでハッキリ行動に起こして、ちょっと切ないお別れをするあのエピソードが気に入っています。

そんなわけでイケメン、恋人未満の幼馴染、いつの間にか大人になってる、敵同士の悲恋、武将としてのクオリティ、戦っても強い、兄キャラ、頼りになる、優しい…とおいおいまだ八葉一人目だよ。トップバッターでこれだけ美味しい要素揃えちゃって、後の7人大丈夫なの??と不安になる位全方位に隙なくカッコいい将臣くんなのでした。
ただ、一緒に行動する事が少ない故にうっかりステータス上げるの忘れて、一人だけずっと弱いまま、なんて事があったので、それはちょっと申し訳ないなあなんて思ってみたり。

次回は地の青龍・源九郎義経の予定です。


遙かなる時空の中で3感想(2)春日 望美

2014-11-20 18:57:11 | オタ話

遙か3感想。本作のヒロインである春日 望美ちゃん(デフォルトネーム/名前は設定で変更可能)と、ゲーム全般の感想をつらつら語りたいと思います。
全編を通じてネタバレ、勘違い・記憶違い、独断と偏見が入り乱れていますのでお気をつけください


春日 望美(かすが のぞみ)
本作の主人公。ゲームスタート時は17歳の高校生。腰~お尻の辺りまであるサラサラのロングヘアーが印象的。

ごくごく普通の女子高生であった望美が、異世界の神(白龍)に白龍の神子として選ばれたことで、突如異世界にワープ!という、各所でお馴染みの展開で話がスタートします。
ワープ先の異世界はというと、源平合戦中の過去の日本にとてもよく似た世界で、縁あって望美は源氏側で戦いに参加しつつ、元の世界への帰還を目指します。
異世界の方には化け物(怨霊)が溢れ気脈が乱れ、白龍の力も弱まってしまっているので、白龍の神子として怨霊を封印し、白龍の力を取り戻す(それによって元の世界へ帰る事ができる)というお仕事もあるのですが、その為に八葉と呼ばれる神子を守る宿命を負った8人の…つまりは8人のイケメンが望美の為に力を貸してくれるので、彼らと協力したり恋愛したりしつつゲームを進めるわけです。

ゲーム自体最大の特色は『運命上書きシステム』です。
このゲームの基本的な流れとして、物語がシナリオ毎に数パート(一章から終章まで)に区切られていて、進行具合により物語が分岐していくこともあるわけなのですが、ゲームを一度クリアすると、ゲーム中に一度クリアしたことのある任意の章を自由に選択する事が出来るようになります。そこで以前とは違う進行をすれば、新たな展開を迎えることが出来る。これが『運命上書きシステム』というわけです。
これ、一見それほど珍しいシステムではないように見えるのですが、当時斬新だった(と思われる)のが、そのシステムがゲーム自体のストーリー・設定に盛り込まれている事です。
具体的に説明すると、このストーリー1周目は必ずバッドエンドとなっており、望美以外の仲間は全て死亡という欝展開です。
仲間がバンバン倒れていく絶望的な状況の中で、白龍が自分の存在の核ともいえる『逆鱗』を望美に託します。『逆鱗』は白龍の力の源そのものなので物凄い力があり、それをもってすれば時空を超えて元の世界に戻ることも楽勝なのです。ただ、逆鱗を取ってしまうのは白龍の存在が消滅することに直結するので、望美はそれまでその方法は拒否していたんですね。
逆鱗の力で望美は元の世界に帰ることができますが、倒れてしまった仲間を助けたい!(それに、意中のイケメンとの恋が途中だった)という気持ちから、再び異世界へワープ。仲間を助ける為に、気に入るエンディングを迎える為に何度でも運命をやり直すというストーリー。ここからが実質的な物語スタートです。

システム上ヒントも見れるというお助け機能もあるのですが、(攻略等参考にしない限り)割と失敗を重ねつつ正解ルートを模索するという傾向もあるので、苦労しながらハッピーエンドに辿りつくと、思わず望美に共感する場面も多かったです。
周回重ねるごとに、戦闘パートがだるくなってくるという面もありましたが、まあ仕方ないですよね。

さて、ようやくヒロインである望美の人物像です。
一言で言ってしまえば超・勝気で男前な性格
ストーリー冒頭で、望美が異世界に飛ばされたその着地地点が戦場だったのですが、何が起きているかわからず混乱する望美にお約束といわんばかりに怨霊が襲い掛かるんですね。普通、突然敵に襲われる⇒イケメンが颯爽と現れてヒロインを助けるところまでが様式美だと思うんですが、そこで望美を助けてくれたのは人間の子供の姿になってしまって非常に非力な白龍でした。当然のごとく白龍はすぐに怨霊に襲われる方の立場になってしまいます。そこで望美がとった行動と言えば、そこら辺に落ちていた刀を咄嗟に拾い上げ、(闘い方なんて知らないが)とりあえず怨霊に猛然とダッシュ!そう、まさかの異世界から到着したばかりのヒロインが現地の人を武力的に助けるという展開へ!
勿論、2年の満たない剣術経験で戦場で活躍できたり、舞の一日レッスンを受けただけで、次に見たときには舞の名手レベルまで上手くなっている…なんていうとてつもない主人公補正(神子補正?)を感じることもありますが、物語の端々で、八葉であるリズ先生に剣の教えを受けながら、地道に剣の素振りをする姿なんて見ていると、ヒロインにしてその熱血な行いに胸を打たれてしまうのでした。
この手の話だと、ヒロインのスタンスとして「皆が私を助けてくれるけど、私も何か力になりたい!」という感じが多いような気がするのですが、望美に関しては「私皆を助ける!」というスタンスが見え隠れしているのでした。お前がイケメンか。
ところで、運命を何周もしている間に、望美の剣の腕もどんどん上がっていき、本気で達人レベルになるわけですが、元の世界から一緒に飛ばされてきた譲が、運命何周もしてる望美と初めて戦ったときはびっくりするんだろうな。幼馴染が剣を使えることにも驚くし、その奇抜な構え(どうみても達人の貫禄)に何が起こったかよくわからんだろうな…。

どう見ても…戦慣れしてますよね…(この絵、間違えて刃の部分握っちゃってますが、気にしないでください)。

次回は天の青龍・有川 将臣君について書きたいと思います。