林 葉子 の 研究ブログ

研究する日々の記録

ご恵贈いただいた本(小山静子・石岡学編『男女共学の成立 受容の多様性とジェンダー』)

2021年07月07日 | ご恵贈いただいた本
小山静子・石岡学編『男女共学の成立 受容の多様性とジェンダー』(六花出版、2021年)が刊行され、著者の皆様から、ご恵贈いただきました。



小山静子先生と、小山先生の京都大学のゼミに参加しておられた教育史専門の若手・中堅の研究者が中心となって、大きなプロジェクトの成果をまとめられた本です。

私自身は(時間的・能力的に追いつかず)執筆はしていないのですが、このプロジェクトの研究会には、ずっと参加させていただいていました。
参加者の皆さんの非常に丁寧なご研究に間近に接して、たいへん勉強になりました。
小山ゼミで教育史研究に取り組んでおられる方々が、どれほど教育に関する法や制度の変遷や学校の成り立ちに詳しいかを知って、驚くことも多かったです。

男女共学の成立について全国のさまざまな地域の状況を比較検証し、その過程が「単線ではなかった」ことや「受容の多様性」がみられたことを明らかにした点が、おそらく多くの読者にとって、非常に新鮮で、興味深い点だと思います。

以下は、六花出版さんのホームページからの転載です。

*****

小山静子・石岡学 編著
『男女共学の成立 受容の多様性とジェンダー』

戦後民主主義のもとで推進された高等学校の男女共学化。
単線ではないその道程を全国さまざまな地域において検証し、
これからの教育におけるジェンダーの課題を提示する。

目次
序 章 問題関心

第Ⅰ部 別学校の存在
第1章 福島県における男子校の女子受け入れ 前川直哉
第2章 群馬県における男女別学と「男女共学」 小山静子

第Ⅱ部 単一の学校の共学化
第3章 北海道における小学区制と男女共学 須田珠生
第4章 京都市内の公立高校生における男女共学観 和崎光太郎
第5章 男女比が極端に不均衡な男女共学  小山静子

第Ⅲ部 男女別定員を設けた共学化
第6章 男女比に大きな偏りのある男女別定員 今田絵里香
第7章 男女生徒同数を目指した大阪府の男女共学制 土屋尚子

第Ⅳ部 複数の学校の統合あるいは再編による共学化
第8章 青森県津軽地方における男女共学  石岡 学
第9章 高等女学校の後継校が存在しない地域の男女共学 土田陽子
第10章 福岡県久留米市の高等学校再編成と男女共学  中山良子
第11章 鹿児島県下における男女共学制の定着  日高利泰

終 章 「男女共学」の百面相  石岡学
あとがき  小山静子

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