今週は宮冨の工房を離れて、伊豆にある作家SさんとUさんの主宰するガラス工房で制作させていただきました。
私達は、宮尾、冨樫の個人作品の他に、MIYATOMIというユニットで器やインテリアの作品も制作・発表しています。
MIYATOMIの器の作品は、宙吹きという技法で作るものが多くあります。熱したガラスの塊の中に(風船のように)息を吹き込んで器の空洞を作る方法で、紀元前1世紀頃に開発されました。
常に独自の技法研究を心がけていますが、時おりそのほとんどは伝統的な技法の上に成り立っていることを実感します。
今回作ったのは、15~16世紀にベネツィアで生まれた”レース・グラス”の材料です。
これは、遠くイタリアの伝統技法ですが、時々自分達でもチャレンジすることで改めてその素晴らしい発明に感動し、多くを学ぶことが出来ます。
奥にある溶解炉から透明なガラスを巻き取ります。(手前がSさん。作業しやすいように設備が配置されています。)

先に色を付けておいたガラス棒をあたためて、

更に透明なガラスに付けます。

それを回転させながら引っぱり、

10mちかく延ばします。

出来上がった模様はこんな感じです。

一日の仕事。

こちらで作ったレース棒(レースグラスの材料)を自工房に持ち帰り、製品に仕上げます。グラスを吹くとこんな風になります。

夕食にはUさんの手料理までいただきました。美味しくて、美味しくて、美しかった!です。
お二人の作品は、きめ細やかでひとつひとつ丁寧に、そしてとても高い技術をもって作られています。
工房にも沢山のこだわりと工夫がなされていて、その設備は美しく機能的で、とても快適に作業させていただくことが出来ました。

Sさんと、愛犬と。
Sさん、Uさん、大切な工房を使わせてくださって、細やかな心遣い、本当にありがとうございました!