4年程前でしょうか、スマトラ沖地震の被災地に赴き 被災を受けた子供達を励まし 少しでも元気が出てくれればと 幾つかの画集を持参され 子供達に見せておられた 国連委託国際NGOの方々の現地での様子を関係機関の方々から伺うことができました。
被災の傷跡はあまりにも深く、生きる気力を無くし食欲すら消え失せ、食料は与えられていても子供達の心は閉ざされ 生気を無くしていたそうです。
子供達に笑みが戻り 少しでも食欲が取り戻せればとの願いから、何か出来ることがないかと、持参された画集などを子供達に見せておられたそうです。でも、どの画集を見せても変化は無く、つらい思いをされておられたそうです。 やはり、無理かもしれない。 諦めかけていた時、もしかして、と、あるNGOの方が私の作品の写真を見せたところ ・・・
しばらくして、徐々に顔色が良くなり、子供の眼差しに生気が戻り始め笑みさえ出始めたとの事、 この奇跡的な現象を目の当たりにして 関係者の方々は目を潤ませ 大変喜ばれたそうです。
おそらく、事実としても、その場にいない限り誰もが信じることのない不思議な出来事だと思います。
諸機関でディスクを心のケアなどに利用されていると伺っていたものの、この事をお聞きした時ほど自分の責任の重さを痛切に感じた事はありませんでした。(私の絵は単純に山や樹、雲海や霞を 心に感じたままの描写を描いているだけの作品に過ぎず、取り立てる程の作品ではありません。何故心に影響するのか、原因は 作品の構図なのか 色彩なのか 思いなのか、未だに判りません。)
最近になり作品をポストカード等にして同じように各国の子供達にお渡し下さっている諸機関の方々がおられることを知りました。
どのような国際機関の方々なのかは分かりません。 いろいろな被災により何もかも無くした子供達にとって、お渡しいただいている一枚のカードが日々の生活の中で掛け替えのない宝物になっている事がわかりました。
食べるものさえ事足りぬ明日をも知れぬ子供のかすかな光となっていて、日々見るたった一枚のカードが生きる支えとなってくれている。日本では想像もつきません。
何とも言えない辛さを感じます。(絵が 心を救い命を支えてくれる。 経済の対象物のみではない芸術が守るべき本来の役割なのかもしれません。 ポストカード等に使われた絵についてなのですが、ディスクに収録されている作品の中のどのような絵をご利用いただいているのか、まったく判りません。 新たにご利用いただく方もおられると思いますが、どの作品なのかはディスクをご覧いただき判断していただくしかないのかもしれません。)
私がすべき事を各国でして下さっています。面識の無い名前も知らない方々です。 ほんとうに、どう感謝して良いかわかりません。
おそらく、今も、辛い思いをしている子供達にお渡し続けていただいている事だと思います。
在り来たりな言葉で申し訳ありません。
ありがとうございます。
本当にありがとうございます。
大阪市のご協力により地下鉄各駅等公的各施設で配布されている環境局環境学習センター情報誌「なちゅらる」に活動内容を紹介していただきました。
ありがとうございます。
文化庁文化力プロジェクト(芸術を通じての諸活動)
http://www.bunkaryoku.bunka.go.jp/cgi-bin/kansai/detail.php?id=9184
ディスクは中之島界隈の幾つかの画廊にも置いていただく予定です。