いちファンによるヨエコさん応援ブログ

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【再掲】「感謝的 解体ヨエコ ツアー」ファイナルday2(2008/7/20@東京キネマ倶楽部)私的レポート

2023-07-23 20:00:00 | このブログについて

 昨日に引き続き、15年前の「倉橋ヨエコさん」のラストライブのレポートの再掲。ツアーファイナルの2日目なので、正真正銘のラスト。

この日、ライブからの帰りに、なんだか一人でこのライブのことをかみしめたくて、普段降りる駅の3駅手前で降りて家まで歩いたとか、変なことは覚えている。

最後に「もうヨエコさんには会えないと思うけれど、ヨエコさんには私たちと同じ空の下で、元気に暮らして欲しいなと思います」と書いたけれど、まさか15年経ってもう一度会えるとは思わなかったよ。でも、15年という時間が必要だったんだよなあ。




2008年7月20日、東京鶯谷の「東京キネマ倶楽部」で行なわれた倉橋ヨエコさんの「感謝的 解体ヨエコ ツアー」ファイナル、行ってきました。6月から全国で行なわれたラストツアーの最後のライブ。

倉橋さんのデビューは2000年ですが、私は2003年からCDで、2005年からはライブでも追いかけてきました。その活動の最後、見届けてきましたので、記録しておきます。

*色々な思いがありすぎて、客観的なレポートにはできませんでしたが、あらかじめご了承ください。

開演30分前くらいには会場の中に入る。やや後ろの方、PAブースの前くらいで開演を待つ。しかし、落ち着かない。ヨエコさんのライブに限らず、ライブを待つ間にこんなに落ち着かないのって初めてだ。
あまりに落ち着かないので、普段ヨエコさんのライブを見るときはソフトドリンクしか飲まないのだが、ドリンクチケットを梅酒ソーダと取り替える。

最初にセットリストを書いておきます(間違いがあったら教えてください)。

2008.07.20(日) 「感謝的 解体ヨエコ ツアー」@東京キネマ倶楽部

[ピアノ・ボーカル:倉橋 ヨエコ]
[ドラム:一ノ瀬 久(From MeganeWrench)]
[ベース:時光 真一郎(From MeganeWrench)]
[ギター:根上誠二 ]


1.白い旗
2.鳴らないピアノ
《MC1》
3.感謝的生活
4.卵とじ
5.あいあい
《MC2》
6.盗られ系
7.過保護
《MC3》
8.白の世界
9.マネキン人間
10.友達のうた
《MC4》
11.損と嘘
12.夜な夜な夜な
《MC5》
13.春の歌
14.夏
《MC6》
15.人間辞めても
16.恋の大捜査
17.はないちもんめ
《MC7》
18.輪舞曲

アンコール
《MC8》
19.メドレー(自転車・ラジオ・レモンケーキ・ラブレター・森へ行く・梅雨色小唄)
《MC9》
20.沈める街
21.ジュエリー

ダブルアンコール(ゲストボーカル:古城康行(From MeganeWrench)
22.依存症~レッツゴー!ハイヒール~
《MC10》
23.東京
24.楯

開演前BGMが消えて、暗転したと同時に大きな拍手。その拍手の勢いは、バンドメンバーが登場し、ヨエコさんが登場するまで続く。ヨエコさんの登場には歓声が上がる。

最初の「白い旗」は弾き語り。次の「鳴らないピアノ」でバンドが入る。しかし、どっちの曲もこれが最後と思うと、CDで聴いていた時とは違った思いが湧いてくる。ヨエコさんの引退と結び付けてしまうんだな。「白い旗」の「♪私には明日なんてもうないのでしょう」や、「鳴らないピアノ」は題名がまさしくヨエコさんの音楽活動の最後に思いを馳せてしまう。

最初のMCで、今日のライブについてと、これまでの8年間のことを話す。今日のMCでも、ヨエコさんのテンションは高いです。それから続けて3曲。
8年間の感謝の気持ちを込めたような「感謝的生活」、気持ちは言葉では言えないのでという前置きからの「卵とじ」(「♪言えない気持ちを卵とじ」ですね)、バンドメンバーが手拍子をあおって盛り上がる「あいあい」と、駆け抜けるように明るい曲を。

次のMCで衣装に言及する。ウェディングドレス(純白。そして頭にカチューシャ、「廃業いたします」の黒いタスキ)で、一人で新婦みたいでイタいという話。しかし、バンドメンバーの白シャツと黒ズボンが新郎っぽい服装だと。でも、ヨエコさんの演奏につき合わされるのは新郎というよりむしろ心労っぽい、という話。そしてヨエコさんはバンドメンバーを「シンロウズ」と命名。
「そんなシンロウズとイタい女で」なんて言葉も出ていたけれど、(素の)ヨエコさんが「倉橋ヨエコ」というミュージシャンを客観的に見ているなあと感じた。昔はもっとMCも曲もあっぷあっぷの感じがあって、それはそれで応援したい気持ちになったのだけれど、今の余裕のある姿も、強くなったんだなあと感じる(偉そうな言い方で申し訳ありませんが)。

そして「盗られ系」、「過保護」と、初期から中期の代表的な2曲。この頃の曲って、私がヨエコさんのCDを最初に聞き始めた頃の曲(初めて買ったCDは『婦人用』だった。次がひとつ遡って『思ふ壷』だったかな)なので、懐かしい。

次のMCで、「『♪かーほーご』って、すごい歌い出しですよね」と自らコメント。たしかに、今の曲とかつての曲、芯の部分は変わっていないけれど、色々な要素が積み重なっていったのだと思う。シンプルなアレンジから、色々な音楽を吸収しての厚みのあるアレンジに。

ここのMCで曲作りの話。ヨエコさんはただ自分の喜びや悲しみを歌っていて、人を思いやる気持ちまではなかった。でもそれが人に届くということは、歌は通訳のようなものだという。
歌詞のネタ帳になる「うらみ帳」というのがあって、デビューしてからでも100冊くらいある。うらみを歌うのは、強い人からしたら甘いと思われるかもしれない、という思いもあったそうです。でも、弱い人が強くなる方がいいから、強くなりたいという。

ヨエコさんは自分に対するハードルが高い人だろうから、こういう言葉になったのだろう。でも、私から見ればヨエコさんは充分に強い人だと思う。ヨエコさんが作った歌でやヨエコさんのライブで、心が良い方向に変わったり(「救われた」と表現してもいい)、行動を起こすことができたりした人がいた。少なくとも私はそうだった。それができるヨエコさんは強い人だろうし、それに甘んじないでもっと強くなろうとするのも、また強さなのだろう。
それから、「生きているだけで、死なないだけですごいこと」という言葉もあったけれど(最近、泣きながら友達にそう訴えたらしい)、その通りだと思う。

そんな話の後に聴いた「白の世界」は、すごくよかった。そんな表現しかできなくて申し訳ないけれど、とにかくよかった。弱さを弱さとして隠さず表に出すことは、ひとつの強さだと思う。
続いての「マネキン人間」で、ラストのピアノと「マネキン人間」という言葉の繰り返しが迫力があった。そして「レッツダンス!」の掛け声とともに「友達のうた」。

その後のMCの「たのしーですか!」は、ヨエコさんが誰よりも楽しそうで、それが見ていて嬉しかった。ここではツアー中にピアノが壊れた話。先走って解体を始めたので、「鳴らないピアノ」という曲を歌っているのに、ピアノが鳴らないので急いで修理に出したそうです。

そして「損と嘘」と「夜な夜な夜な」。「夜な夜な夜な」の「♪夜は自己嫌悪で忙しい」の時のピアノのフレーズが童謡みたいで、「暗黒童謡」って言葉が浮かんで仕方なかった。

次のMCで、座って水飲んでごめんなさいといいながら水を飲むヨエコさん。バンドメンバー3人も、自分の持っているペットボトルをかかげて確認。ヨエコさんは見ておらず、客席の笑いで後ろを振り返る。「『志村後ろ!』って感じですか」って、懐かしいなー。

それから、体験から出てくるシンプルな言葉を歌いたいと話して、「♪元気は出るまで出すな」と「春の歌」。今日は、歌に込めた思いを少しずつ話しながら歌ってくれる。これまでは歌は歌として歌って、受け取り方は聴く側にゆだねていた印象があったけれど、最後だけにヨエコさんも伝えたいことがたくさんあったのかもしれない。このあたりから、私はしっとりとした曲は聴いていると涙が出てきて仕方なくなる。「夏」もそうでした。

次のMCは、やはり記憶に残る。話しながら涙を流すヨエコさんは、初めて見ました。最初は、今日のライブがドキドキして幸せで、みんなの力を吸い取って、みんなを解体する感じで、という話で、客席も笑っていた。
そこからライブについて、ライブに来てくれることは大変なこと、という話になる。ヨエコさんが引きこもりがちだった頃、外に出るのが怖い、人と会うのが怖い、電車に乗るのが怖い、という経験をしていたので、ライブに来てくれた人にもそういうのを乗り越えて来てくれた人がいるんじゃないかと言いながら、涙で詰まっていました。
なんだか、すごく印象的でした。ただ「ライブに来てくれてありがとう」じゃなくて、お客さんがライブに集まるということに、そこまでの価値を感じてくれていたことが。

ただ、すぐに気持ちが戻って、「人間辞めても」、「恋の大捜査」、「はないちもんめ」で盛り上げる。歌では詰まることなく、一気に歌い切る。

本編最後の一曲の前にMC。言葉が言いたいがために音楽をやっていた一面があった。だから、言葉を言い切ったので音楽も終わり。倉橋ヨエコが人の前で歌うことはない。ただ、CDはいつまでも残るので、これからも聴いて欲しいという話。
「CDはうっかり割らない限りは残るから」とヨエコさんが言った時、「割れたらまた買うよ!」と言いたかったが、私が涙でぼろぼろになっていて言えなかった。言えなかったので、心の中で叫びました。

本編ラストは「輪舞曲」。今年、CDリリース前のライブで聴いた時からずっと好きでしたが、今日ここで聴くと、色々なことを感じて、更に泣く。この歌って、本当にストレートにメッセージをぶつけてくれた歌だったんだな。

アンコールでは、ヨエコさんのみが登場し、弾き語り。曲の前に、客席にお子さんを発見して、「おべんとうの歌」を歌う。東京キネマ倶楽部の雰囲気に影響されて勝手につくったというCMソング(サウンドロゴ)も歌う。
そして、一人で好きに歌うのとは違い、ディレクター・プロデューサー・レコーディングに参加したミュージシャン・プロモーターなど、色々な人がいての倉橋ヨエコという話。「倉橋ヨエコである」ということはそういうこと。自分一人でなく、みんなが素晴らしいものを作るのが音楽の醍醐味。

そして、メドレー。「自転車~ラジオ~自転車~レモンケーキ~ラブレター~レモンケーキ~森へ行く~梅雨色小唄」。「森へ行く」の前には学校のチャイムのメロディーがピアノで奏でられる。「自転車」と「レモンケーキ」は、公式サイトの通販限定で発売された福袋に入っていたCD-Rの収録曲。

それから、もう一度曲のネタ帳であるうらみ帳の話。今思うと驚くような歌詞があるということで、セットリストにはなかったらしいが「沈まぬ街」。

そして、歌詞を伝えたいのに、音楽が邪魔なことがあったという話。しかし、振り返ると音楽は宝物だったそうです。そんな音楽への愛情を歌ったのが「ジュエリー」。倉橋ヨエコとしてつくった最後の曲とのこと。

以上をもって、ヨエコさんは退場。客席で再び拍手。その拍手の中、ステージに追加でマイクが立てられる。
最初にバンドメンバーがツアーグッズのTシャツで登場。そして、シルクハットに口髭、フリルのついたYシャツ姿の古城康行さんが登場。ダブルアンコールを待っていた拍手が、一ノ瀬さんのドラムと古城さんのあおりで手拍子に変わる。そして「依存症~レッツゴー!ハイヒール~」のイントロへ。
古城さんのスキャットにあわせて、客席とコール&レスポンス。そこにヨエコさんもTシャツに着替えて登場。スキャットの部分で「解体しても」、「みんな大好き」、「忘れない」と叫び、観客も同じ言葉で応える。
この曲で会場全体で一緒に歌い、踊りながら、なんだかその場にいられたことに感激して、私は涙が止まらなくて仕方がなかった。

それから古城さんとヨエコさんの思い出。10年位前にオーディションで出会ったことがきっかけで、それから一緒にライブをして、という話。古城さんが「今日の楽屋でもしなかった思い出話ですねー」と言えば、ヨエコさんも「道端でおじさんとおばさんが久々に会ったみたいで」と返す。
もうひとつ、古城さんが「ルネッサンスの人(「髭男爵」の山田ルイ53世)」みたいで、ヨエコさんが「ヒットエンドランの人(鳥居みゆき)」に似ていると言われるなんて話もありました。
そして、古城さんのボーカルをフィーチャーした「東京」。

その後、最後の曲になるのだが、客席から「寂しい」、「辞めないで」の声が上がる。それを聴いて、寂しい、でももう終わりなんだと答えるヨエコさん。そして、「あまり言うことじゃないかも」と言いながら、「もう倉橋ヨエコじゃなくなるからいいんだ」と、次に歌う曲はうらみ帳から生まれたのではなく、お母さんのためにつくった曲だったことを明かしてくれた。
そして歌ってくれたのが「楯」。この歌に元々持っていた思いと共に、「そうか、お母さんを思っての歌だったのか」と別の感慨も沸いてきて、ぼろぼろ泣きながら聴く。

最後に「ありがとうございました」の挨拶の後、カチューシャをお客さんに渡し、退場の途中で靴を脱ぎ(念のためにおいをかいで首を傾げる様子に、客席笑い)、客席に投げるサービス。そして、ステージ横の少し高くなったテラスで、メンバー全員で頭を下げる。なおも鳴り止まない拍手に、ヨエコさんは崩れ落ちるようにして土下座する。そして2階席から花束。ヨエコさんは退場し、ライブは終わりました。

しかし、ダブルアンコールの後も拍手鳴り止まず、一部お客さん(私含む)はその場を動かず。私は、ヨエコさんにもう一度出てきて欲しいというよりも(その思いもあったけれど)、ライブが終わってしまうのがとにかく惜しくて、動けなかった。このままずっと拍手をしていれば、その間だけはライブが終わらないのではないかと(そんなわけはないのに)、考えていた。
客席の拍手に対し、ヨエコさんが最後に出てきて挨拶してくれたのは嬉しかった。「また日本のどこかで会いましょう、そうでなければあの世で一緒に歌いましょう」と。この時の表情がとても晴れやかで、充実感があって、「ああ、よかったな」と思った。前にヨエコさんが雑誌のインタビューで、今回の活動終了を「スポーツ選手が金メダルを取って辞めるような感じ」としゃべっていたのを思い出した。最後に挨拶したヨエコさんの表情は、引退を決意した大会で優勝したスポーツ選手みたいだった。なんとなく、ファンとしてもしっかり送り出せたかな、という気持ちになれました(おこがましい言い方かもしれないけれど)。

ライブの後も、なんだか放心状態で、しばらく会場内でたたずんでしまいました。

これからヨエコさんの歌をライブで聴けないのは寂しいですが、ライブの中でも話していたように、CDやDVDなどは残ります。大事に聴いていこうと思います。
そして、もうヨエコさんには会えないと思うけれど、ヨエコさんには私たちと同じ空の下で、元気に暮らして欲しいなと思います。ヨエコさんは何度も「ありがとう」と言ってくれたけれど、こちらこそ本当にありがとうという気持ちです。


|ヨエコ(@new_yoeko)さん / Twitter: https://twitter.com/new_yoeko

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