
かなり遅ればせながら、ですが、『JUNGLE★LIFE No.112』(2007年3月号、2月末に配布された号)に掲載された倉橋ヨエコさんのインタビューについて紹介します。
アルバム『色々』発売に伴うインタビュー「色々な洋服をまとった不幸の中の幸福な楽曲たち」(interview:WAMRA、edit:中川佳美)。
http://www.jungle.ne.jp/junglelife/
アルバムに対する思いを、しっかりと感じられるインタビューになっています。
前作『ただいま』が、「マイ・ワールド」を突き詰めたものであること、しかし、「同じことを繰り返していたらずっとこのままかなって思った」(p.20)とのことでつくられたのが『色々』である。
そのために、新しいチャレンジをしている。
今回は自分が生まれ変わりたいのなら、どんな小さなチャレンジにもぶつかって、落ちてるものでもなり振り構わず全部拾おうって思ったんです。例えば、これまでは歌詞が先にあるから、メロディも歌詞に合わせていたんです。だけど今回は曲を作ることを意識しました。今までは「歌詞作り」だったのが、今回は「曲を作ってる!」っていう感じでしたね(笑)。
(p.20)
具体的には、歌詞を書き換えたり、曲をプロデューサーの根上誠二氏と共作したり。
倉橋:今まで意味が分からなかったことも「なるほど」と思えたんです。これまではリズムということも気にしていなかったんですよね。だけど「こういうリズムにすると、このメロディが活きる」という感じもわかってきたんです。「ようやく謎が解けた!」みたいな(笑)。
(中略)
●曲作りの幅が大きく広がったんですね。
倉橋:そうですね。だから”歌詞作り”から”曲作り”に変わったと思ったんです。
(p.21。●はインタビュアー)
また、『色々』収録曲の中に、ヨエコさん自身がピアノを弾いていない曲があることについても、次のように語られている。
ピアノはもちろん大好きなんですけど、ピアノが弾きたいという想いが強くてアレンジの足を引っ張りすぎていたんです(笑)。だから今回は曲に似合うアレンジのためだったらハンドマイクで歌おうと思って。
(中略)
ピアノは他の楽器と同等というか。初めて本来のピアノの使い方をしたアルバムだと思います。
(p.21)
という感じで、内容の濃いインタビューになっています。
それから、ヨエコさんの妄想の話も展開されています。
友達のお家に犬がいたりとかして、犬とか猫を飼いたくなったんですよ。それで「この子を連れて帰りたい」みたいな、”欲しい欲しい病”があまりに強いと幻覚を見るみたいなんです。
●幻覚っていうのが凄いですね(笑)。
倉橋:ある朝目が覚めると、もう犬を飼ってる事になっているんですよ。それで「昨日は帰りが遅くて餌があげられなかった」って寝ぼけ眼でドッグフードが入っている引き出しを開けたら、ドッグフードがないんですよ。当たり前なんですけど…。でも、幻覚だってことには気づいてなくて、その犬に向かって「ちょっと御飯待ってねぇ」って振り返ったらいないんですよ。「何でいなんだろう?」って思って、、「ツアーの時だったら友達に預けるけど、ツアーじゃないし」とかって考え出したりして…。それで、逃げ出しちゃったんだと思ったんですけど、「ここは犬を飼っちゃいけないアパートだし、管理人さんに怒られちゃう」みたいにすごく焦り始めたんです。管理人さんに怒られるっていうので、不安になって涙が出てきちゃったんですよね…。それで、さらにオタオタしているときに壁にぶつかったら我に返って、そもそも犬なんて飼ってないじゃないって…。
●ハハハッ(笑)。めちゃくちゃ妄想時間が長いじゃないですか。
倉橋:長いです。寝ぼけてたのもあるんですけど、犬が逃げ出していなかったっていうのがすごくショックで…。
(p.20。●はインタビュアー)
すごいなあ。でも、曲を生み出すという意味では、こういう妄想力って大切なんじゃないかと思う。
・倉橋ヨエコ公式サイト
・レーベルBabeStar>>倉橋ヨエコ>>Information

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1.桜道/2.薬箱/3.いただきます/4.赤い屋根の下で/5.花とダンス/6.あいあい/7.方程式/8.ダルマさんが転んだ/9.損と嘘/10.廃工場/11.今日も雨/12.白の世界/13.春夏秋冬(CD-EXTRAとして「損と嘘」ライブ映像)
BabeStar>>倉橋ヨエコ『色々』特設サイト

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