例年三月になると、大山の残雪は表面が固く引き締まり、歩きやすくなるので
比較的容易に山頂へ行ける。
ところがこの日は全国的に大荒れの天気で、東京でも雪がちらついたとか。
鳥取県西部には風雪注意報が出ていた。
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松江を出発して「山陰道」を米子へ向かう。松江と安来の間は吹雪だ。
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大山南光河原駐車場は新雪が20センチくらい積もっている。
気温マイナス2度。9時15分出発。
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夏山登山道入口には数人の足跡がある。
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なんか看板が雪に埋まっている。そこの雪は硬く締まっている。凍っているようだ。
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左分岐して山頂方面へ。
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屋根からの落雪で山小屋も埋まりそうだ。
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何の標識だか読めない。たぶん分岐表示のはずだ。
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樹林帯の森の中は風もほとんどなく、歩きやすい。
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凍った雪の上に積もった新雪は20センチから30センチ程度で歩きやすい。
手前の丸いポールは確か「1合目」と書いてあるはずだ。
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標高1000m地点を越えた。この標識も雪に埋まりそうだ。
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所々に深い穴が口をあける。手にしたトレッキングポールがすっぽりと入ってしまう程だ。足を突っ込んだら大怪我をしそうだ。注意深く歩く。
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標高が上がり樹木が細くなり、まばらになったあたりから、急に風が強くなり吹雪いてきた。
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道が分かりづらい。吹雪きと地吹雪であっという間に先行者の足跡は消されてしまった。
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ようやく5合目の「山の神さん」に到着。樹木は更にまばらになり、風と吹雪は増すばかりだ。
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吹雪はますます激しくなり、道はほとんど分からない。
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行く手に突然 クレバスが大きく口を開ける。このクレバスも深そうだ。踏み込まないように慎重に通る。
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クレバスの周りにはこんな旗が立っている。これが無ければ、落ち込む危険が大きい。ありがたい標識だ。
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樹林帯を抜けると風がまともだ。息が出来ないほどの風が時々吹き付ける。
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とにかく尾根道を進んだ方がよさそうだ。
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急斜面にアイゼンを蹴りこみながら上っていると、吹雪の中から突然現れた避難小屋。もう6合目まで来ていたのだ。雪が多く、回りの雰囲気と道の様子が普段と違うので、分からなかった。
もう少しで、そのままやり過ごして上り続けるところだった。
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小屋の中まで雪と氷だ。立ったままで小休止する。熱いコーヒーに生き返る。
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休憩後再び上り続けるが、風はますますひどく、回りはほとんど見えない。
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凄い地吹雪で顔も痛くて、息も出来ないほどだ。またしてもゴーグルを持ってくるのを忘れた。
もうこれ以上進むと危険だと判断して 直ちに引き返すことにした。
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避難小屋を素通りして下山を急ぐ。
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下り道も怖い。私自身のふみ跡は全く消えている。
GPSの軌跡を見ながら慎重に降りる。しかし時々道を外れているのが分かりたびたび引き返す。
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尾根筋のなんとか歩けそうなところを慎重に降りる。
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突然二人組みが吹雪の中から現れた。お話していると「鳥取県勤労者山岳連盟」の方たちだとか。去年猛烈な吹雪の中で遭難された地元の女性も同じ仲間だとか。
「とりあえず6合目まで行って様子を見る」とおっしゃって登って行かれた。
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更に降りていると、五合目付近で 別の3人グループが登ってきた。この人たちも6合目の避難小屋まで行き、様子を見るそうだ。
5人も一緒に登れば何とかなるのではないかと思い、しばらく考えて、私も引き換えして再び上りだす。
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今日二度目の6合目避難小屋だ。中では5人が休憩中。
どうするのか聞くと「この吹雪ではとても無理だ。これから上はますます風と雪が強くなる。食事をして下山します。」と言うことなので私も再度下山する。
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強風で巻き上げられる粉雪でほとんど何も見えなくなった。少しずつ、慎重に降りる。
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とにかく尾根道の真ん中を降りよう。時々GPSで確認する。
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目を凝らすと、所々に雪面に微かに凹凸が見える。足跡だろう。サングラスが無ければ 真っ白で何も見えないところだ。
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突然吹雪の中から一人現れた。やれやれ道を間違えていなかった。これで安心して下山できる。
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この方は5五合目の山ノ神さんまで、とりあえず行くつもりだと言っていた。さあこの人の足跡が消えないうちに早く降りよう。
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ところがまたしてもあっという間に足跡が消えてしまった。再び手探りで慎重に降りる。
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前方になんか標識のようなものが埋まっているのが見える。
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道は大筋で間違っていなかったようだ。このまままっすぐに降りよう。
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ラッキーだ。再び登山者現る。このあたりは樹林帯に入っているので吹雪はそんなに強くないが雪は相変わらず降り続けている。
この方は「とりあえず行けるところまで行く」とおっしゃった。5合目までいけないかもしれないとおっしゃっていた。
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今度は足跡がはっきり付いている。もう安心だ。やれやれやっと安心して下山できる。
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阿弥陀堂に無事下山のお礼を言う。
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もうここまで降りてきたら勝手知った道だ。南光河原へ直接下る。
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やれやれ駐車場へ降りてきた。
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雪に埋まった元谷。山の上はまだ吹雪いているようだ。
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私の車の隣にバギー車が留まっていた。宅急便集配のクルマだ。雪の中のお仕事は大変だなあ。相変わらず雪が降り続いているので、さあ早く降りて、麓の駐車場で着替えよう。
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実際に歩いた記録
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高度と距離の記録 五合目から六合目までを二回登っている。
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