のびのびのぶログ

水彩画や好きな音楽について語ります。なんでも伸び伸びと書いていきます。でも忙しくて更新が延び延びになるかも。

美術(図工)をなぜ学ぶのか

2015年10月08日 03時00分50秒 | 図工

 これは、今は、絶版となってしまった幻の教科書「子どもの美術1」に書かれている一説です。1年生から6年生まで、すべて同じことがかかれてあります。この教科書を見たのは、だいぶ前のことでした。図工の教科書なのに、やたら文字が多くて違和感を持ったのですが、読んでみるとすうっと心にしみる文章でした。書かれたのは日本の名だたる芸術家の先生方でした。しかし、この教科書はあまり採用されることなく、出版元の会社が経営難で倒産。姿を消してしまったのです。図画工作科の時間は、上手にかいたりつくったりすることではなくて、自然のすばらしさやどんな人になるべきかを学ぶ時間だといっていることに感銘を受けます。興味のある人は、ぜひネットで検索してってみてください。本当にすばらしい出版社でした。
 今月は秋の造形展の出品に向け、各教室で絵を描いていますが、先生方にお願いして図工の指導をさせてもらっています。そこで感じるのは、ものをじっくり見ることができない子どもたちのなんと多いことか。言い換えれば、じっくり思索をすることができない子どもたちの多さ、立ち止まってものを見たり考えたりすることができない子どもの多さへの驚きでした。一昔の子どもたちとは明らかに違う。私は自分が絵を描くときのことを例に、絵を描くというのは、思索することだと子どもたちに話しました。絵を描いている時間は、1ヶ月ほどだが、それまでには1年、あるいは数年思索をしていることを話すと驚いていました。また、本日は、5年生の授業をしたのですが、見事失敗しました。途中で用事があって抜けなければならなかったことが原因でした。描き方だけを指示して子どもたちに任せたら、思索や観察の後がない、いつもの下絵ができあがっていました。上手か下手はどうでもいいのです。ものを見るということはどんなことかを学んでほしかったのです。
 彫刻家のロダンは、当時の美術に対する風潮を嘆いています。世の中は美術の本当の大切さに気づいておらず大量生産、大量消費。美術までもが・・・。(高校生用美術教科書:美術自然から学ぶ1:現代美術社参照)現代はどうでしょう。また然り。

 美術をなぜ学ぶのかをもう一度考え直した秋の夜でした。

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