困った・・・でも

　先週の金曜日。
　｢先生・・・。｣
　恥ずかしそうに小さい声で差し出された写真と画用紙。そのあとがよく聞こえない。
　数秒後に私は察した。
　
　困った。闇をかかえた今の私に描けるだろうか？結局土日は何もする気力が無かった。

　今日また２人はやって来た。
｢ごめんな。｣
｢・・・。｣

　通院後、２人の悲しそうな顔が頭から離れず、持てる気力を振り絞って描いた。手間のかからない色鉛筆で。

　明日私は２人にこう言おうと思う。

｢ごめんな。今の先生には、これが精一杯。約束してくれる？絵を描いてもらったことは、みんなに内緒ね。先生は、みんなの先生だからね。今回は特別だよ。｣


子どもが持ってきた写真


子どもが持ってきた写真

いくら写真を元にしたとしても絵は写真とは違うのです。私というフィルターを通して表現されたのですから。