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水彩画や好きな音楽について語ります。なんでも伸び伸びと書いていきます。でも忙しくて更新が延び延びになるかも。

水彩画壱考

2012年08月26日 10時50分54秒 | 水彩画
 写真は、私が描いた不透明水彩と透明水彩画である。同じ題材を描き方を変えて描いている。これを見て何か感じることはないだろうか。

1 水彩画のよさとは
 ここ10数年私は水彩画を描いている。学生時代は油彩画を描いていたが、水彩画も少しは描いていた。家庭が落ち着き余裕ができたころから再び制作活動を再開したが、当初は、経済的、住環境的理由で水彩画を始めた。しかし描くにつれて水彩画の持つ魅力にはまってしまった。私は独学でこれまで水彩画の技法を高めてきた。多くの水彩画に関する書物を読み、試した。しかし、日本における水彩画テキストには、はっきり言ってよいものはない。私は、海外の書物を取り寄せ、勉強した。
(1)色彩の鮮やかさ・・・特に不透明水彩の発色のよさには感動した。画面から光があふれてくる絵を描くことができる。
(2)水が持つ力の不思議・・・ウエット・オン・ウエット技法の際の絵具の広がり型のコントロールは難しい。しかしある意味で偶然に生み出された水の力による造形に感動を覚えるときがある。
(3)技法の豊富さと可能性・・・水をコントロールしながら描くために様々な技法が工夫されており、さらに新しい技法への可能性がある。
すなわち、水という難しい相手だからこそやりがいがある。

2 透明水彩画と不透明水彩画
 私は、現在もちろん透明水彩画を描いている。しかし当初はその描き方の発想に違いに大いに苦労をした。油彩画を描いていたので、はじめはただ油彩絵の具が水彩絵の具に変わっただけのように思っていたが、全く違う描き方の発想をしないとじょうずに描くことができない。 例えば油彩画では、明度を高めるときに絵具の白を使い、明度を落とすときには絵の具の黒を使うが、透明水彩画では、明度を高めるときには白を使わず、水を使う。明度を落とすときには、黒を使わず、補色同士の絵具を混色する。油彩画は、色を重ねることによって描きすすめるが、透明水彩の場合は、色を重ねれば重ねるほど彩度が下がり絵が暗くなっていく。透明レイヤーのようにあるは、セロハン紙を重ねるように計算をしながら色の足し算をしていく。あるいは、紙の上で水の力を借りて直接絵の具を混色させる。

3 学校教育における水彩画
 現在日本で透明水彩画が主流でないのは、学校教育の水彩画指導に原因があると思われる。小学校においては、3学年で、水彩画を主たる教材として取り扱うが、指導する教師でしっかり水彩指導をできる教師が少ない。透明水彩と不透明水彩を混同している。また、中学校になると、生徒はガッシュの絵具箱を購入させられる。それれは、ポスターカラーだったり、アクリルガッシュだったりする。これは、もちろん不透明水彩画のための絵具である。デザインを学習するためだ。小学校から中学校にかけてこのような経験をした子どもたちは絵の描き方を混同する。透明水彩と不透明水彩。それらをしっかり区別して、指導できればそれぞれのよさを生かした指導ができるのではないだろうか。

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