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001:風
(2006年03月01日 | 題詠100首)
風音に耳を立たせて雉猫は春という名の... -
002:指
(2006年03月02日 | 題詠100首)
さみしいと言えばどこまで伸びて来るあ... -
003:手紙
(2006年03月03日 | 題詠100首)
母からの手紙はいつも頼りなくみの字が... -
004:キッチン
(2006年03月04日 | 題詠100首)
殺戮の記憶のどかに真夜中のキッチン低... -
005:並
(2006年03月05日 | 題詠100首)
夕暮れの水は重くて父と子を並べて叱る... -
006:自転車
(2006年03月06日 | 題詠100首)
みずからの影を轢きつつ自転車の少年な... -
007:揺
(2006年03月07日 | 題詠100首)
揺り椅子はかなしい雅具と知りながら今... -
008:親
(2006年03月08日 | 題詠100首)
親を知らぬ故(ゆえ)にまばゆき歯のご... -
009:椅子
(2006年03月09日 | 題詠100首)
あかつきの待合室の長椅子に救急隊員わ... -
010:桜
(2006年03月10日 | 題詠100首)
裏庭に花を咲かせぬ桜あり小猫大猫美(... -
011:からっぽ
(2006年03月11日 | 題詠100首)
からっぽのわが下腹に医師(せんせい)... -
012:噛
(2006年03月12日 | 題詠100首)
噛み癖の抜けぬ小猫をくるぶしにぶら下... -
013:クリーム
(2006年03月13日 | 題詠100首)
体液と思えば更に耀(かがよ)いて生ク... -
014:刻
(2006年03月14日 | 題詠100首)
亡き父の時計を拭けば蘇る秒針細く夜光... -
015:秘密
(2006年03月15日 | 題詠100首)
またひとつ春の秘密を掘り返し小猫は庭... -
016:せせらぎ
(2006年03月16日 | 題詠100首)
種籾を天水桶に浸すとき指の間(ま)淡... -
017:医
(2006年03月17日 | 題詠100首)
中庭の金魚の池がまず暮れて鈴木小児科... -
018:スカート
(2006年03月18日 | 題詠100首)
固く巻く天の青さのスカートを花に脱が... -
019:雨
(2006年03月19日 | 題詠100首)
死にたての匂いがすると猫の目が膨らむ... -
020:信号
(2006年03月20日 | 題詠100首)
持ち上げるとやっと手になるわたくしの...