インタグSOSキャンペーン(関西)

エクアドル・インタグでアンデスの自然と地域の共同体を破壊する鉱山開発に反対している住民を支援するキャンペーンの暫定ブログ

「水を守り、水と共に生きる-小水力発電の可能性 持続可能な地域づくりへ」講演会のご報告

2017-05-22 07:31:06 | 日記
5/15に堺町画廊で開催したエクアドル・インタグSOSキャンペーン「水を守り、水と共に生きる-小水力発電の可能性 持続可能な地域づくりへ」講演会のご報告です。このインタグ地方では世界でも有数の生物多様性の土地であるにも関わらず、現在エクアドル・チリの両国営企業により、鉱山開発が強行されようとしていています。しかし地元では有機農牧業や森林農法によるコーヒー栽培、エコツーリヅム、そして女性による手工業製品などのフェアトレード販売といった自然と共存する持続型の地元産業により収入源を作り出しています。
また豊かな水源に恵まれたコタカチ郡インタグ地方では、その水源を活かし、温泉地をスパや保養所として観光業をつなぐ、あるいは地域住民の発案により、コミュニティ組織や自治体(計11団体+公的)がイニシアティブをとる9か所に及ぶ小水力発電プロジェクトが計画されています。
このインタグでは、すでに鉱山開発のためだけの発電を目的とした大型の水力発電所がすでに建設され、ダムがつくられてはいるものの発電効率も悪く、豪雨や地震による水の流出や堆積物による伝染病の発生など様々な悪影響が懸念させていて、この小水力発電所プロジェクトはその代替案でもあり、再生可能エネルギーである収入の一部を環境保護へ再投資するという新たなモデルとして注目されています。森や水と共に生き、20年以上も抵抗運動をつづけてきた住民の方々の意志を感じます。以前は環境保護主義的な政策をとってきたエクアドル政府も現在では開発主義強硬路線へと変更、4月の大統領選挙でも結局与党の勝利により、開発主義の拡大が大変懸念されています。現在このインタグ地方の80%の土地が鉱山対象地として譲渡済み・手続き中という状況に陥いり、試掘が進む雲霧林では赤茶色に滝が変色、土壌流出や水質汚染などがすでに発生しています。インタグ実行委員会からは、こういった現地状況、選挙結果、その政治的背景などの報告、地域小水力発電株式会社代表取締役の古谷桂信さんからは、水力発電の基礎知識や、日本での具体的な実例や作業工程、固定買い取り価格制度、またブラジル・イナイプダムといった南米の発電規模、そしてインタグ小水力発電の工事計画などのご説明がありました。資金がまだ集まりきれていないインタグの場合、もっと小規模なプロジェクトを確実に行っていくことで計画に現実味が増し、開発へのワクチンとしてしての意味合いも出てくるのではというお話でした。平日の夜にも関わらず、会場はあふれるほどの多くの方々にご参加いただき関心の高さを感じました。この生命の森や、少しでも現地状況の改善につながるよう、これからも伝えていきたいと思っています。みなさま、今回も本当にありがとうございました!!

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