テレビとうさん

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「稲穂」 と 「蓮華」

2020年10月22日 | 雑感
 蓮華(れんげ)はハスの花のことで、仏教では「仏の悟り」の意味が有るそうです。ハスは泥の中で育ち、花は泥に塗れず綺麗な華を咲かす事から、汚れたこの世でも悟れば純粋でいられる仏陀を象徴するそうです。

 何故、仏教では泥を汚いと判断したかは判りませんが、水稲も泥で育ちます。今では判りませんが、昔は水田の泥を手で掬い、臭いや味を直接確かめたと聞いた事があります。私の子供の頃の事ですが、野菜農家が肥溜の下肥を指に付け、香りと味を確かめていたのを見た覚えがあります。

 仏陀と同様に、農家が悟りを啓いたかは判りませんが、少なくとも「泥は汚物ではない」と思われます。「南無妙法蓮華経」で悟りを啓けるのなら、「南無妙法水稲経」の方が日本人には合っているような気もします。

 「記紀」によると、天照大御神は孫の邇邇芸命(ニニギノミコト)に稲穂を渡し、「日本を豊かにするように」と命じたそうです。それ以来、直系の天皇は今でも天皇家の領土である日本国で、自らが田植えと稲刈りを行っています。

 それは兎も角、泥を汚物と判断した「妙法蓮華経」の法華宗ですが、日蓮自身がどう思ったかは判りません。と言うのも、「法華宗」は1334年に後醍醐天皇より賜った宗号とされているからです。当時は神道とは呼ばれていなかったようですが、神道では穢れ(汚れ)を嫌い、神に捧げる稲穂を育てる水田の泥を、汚物だとは考える筈はないので、蓮華の由来を知らなかった可能性もあります。

 往々にして、宗教は「自分に不都合の事」は隠し、「他人の瑕疵」を徹底的に追求します。世界中で宗教戦争が収まらず、日本でも太鼓をたたいて政府批判をする仏教徒らしき輩も散見されます。

 戦前においても「法華経」は、妹尾義郎(宗教思想・社会活動家)、北一輝(国家社会主義・革命家)、石原莞爾(軍人)等に影響を与え、何故か妹尾は戦後に「反宗教」である日本共産党に入党しました。ところが「反共産党」である筈の「創価学会」や「立正佼成会」も「日蓮系」だそうです。

 宗教の自由にもホドが有ると思いますが、さっぱり理解できません。




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