オメガねこ

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「世論」 と 「輿論」

2022年05月04日 | NHK
 細菌のNアッチ系・・・もとい、最近のNHKの「憲法9条」に関するアンケート調査(RDD:1508/2978人)では、

・改正する必要が有ると思う(31%)
・改正する必要は無いと思う(30%)
・どちらとも言えない(34%)
・判らない、無回答(6%)

だったそうです。

 ここで私が「疑問に思う」のは、「どちらとも言えない」は断定的な回答例で、「・・・と思う」のように消極的な言い回しでは無い事です。アンケートで一貫性を持たせるには「どちらとも言えないと思う」とすべきだと、私は「思います」。

 「改正の必要が有ると思う」とは自分の思いや考えであり、通常は「他者を慮る」事は含まれません。一方「改正の必要が有る」となると、全体を俯瞰した結論とも言え「自分は改正に反対だが、国の為には憲法を改正すべき」も含まれます。

 私は「昭和憲法廃棄論者」なので、趣旨としては「改正する必要が有ると思う」に近いのですが、改正すると現行憲法を認める事になるので、正確な解答は「改正する必要は無い(廃棄すべし)」になります。

 幾重にも矛盾の有る解答例を以って、世論誘導を試みているようですが、その答えは私の様に「どちらとも言えない・判らない・無回答(計40%)」に含まれていると「思い」ます。

 「世論(せろん)」とは、その時点での国民の(感情的な)意見の分布であり、「輿論(よろん)」とは、人々の議論に基づいた意見を言います。つまり、民主主義は「輿論」で成り立ち、独裁主義は議論されない「世論(誘導)」で成立すると言えます。

 共産主義では、議論するのは「絶対に正しい共産党員(執行部)」であり、人民には「輿論」を許されず、誘導された「世論」に従います。最近の卑近な出来事では、「ワクチン接種」や「マスクの着用」で政府からのお願いとして「世論誘導」があり、多くの国民が従いました。これは、「日本人は緊急事態法が無くても自ら従う習性が有る」事を利用した行政手法の成功例と言えます。

 それは、「思う」のは自由であり、全体を考える必要のない意見である事を利用した「錯覚」です。「世論(せろん)」を「よろん」と呼ぶ事で、本来の「輿論」を意識しなくなった「世論(よろん)誘導」の結果かもしれません。

 「憲法に関する世論調査」では、「憲法、或いは憲法成立の無謬性」が大前提になっていて、「憲法無効論」は埒外とされています。つまり、憲法改正に関するアンケート調査を繰り返す事で「日本国憲法の正統性」を錯覚させるプロパガンダになっていると、「私は思います」。




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