エレキギター弾きの徒然日記

ウェスに、デュアン・オールマンに、スティーブ・レイ・ボーンに、ロベンフォードに、そしてGov't Muleしびれる日々

LYNYRD SKYNYRD/SECOND HELPING

2007年05月06日 22時36分04秒 | Weblog

セカンドアルバムなのにこの完成度である。




"Sweet Home Alabama"、"Working For MCA"、
"The Needle And Spoon"、"Call Me The Breeze"
など、後年のライブでもメインとなる名曲の数々は
このセカンドアルバムで、すでに曲・演奏スタイル
ともに確立されている。

エド・キングとアレン・コリンズのスリリングな
ツインリード、そしてゲイリーのテクニカルな
リフや絡み。ツインリードは、それぞれにソロ
パートを取った後、同じフレーズを右と左の
ギターが同時に弾いて盛り上げていく手法を取
り始めた頃だろうか。その完成形はライブ
"One More From The Road"を聴いて欲しいが
(ギターはエドではなくスティーブ・ゲインズ)
、アレンもエドも、そしてゲイリーもソロとアドリブ
をメロディアスで、きっちりしたフォーマットの中で
、実にうまくまとめている。
これは、プロデューサー・アルクーパーの指示
なのか、バンドの性格なのか分からないが、三
人のギタリストが、常に聴かせ所を意識して随
所にギミックを差し挟みながら、決めのツイン
・ソロを盛り上げていく。
この辺はレーナードスキナードの、真骨頂だが、
でも彼らの本当に優れた部分は、曲作りのうまさ
である。

ビートルズもローリングストーンズも、レッド
ツェッペリンも偉大なロックグループは、非常に
優れたソングライティングの力を持っていた。
(当然だが)
レーナードスキナードは、シンプルながら、
カントリーやブルース、ロックロールなど様々な
影響をうけたメロディーに、右翼的と言うより、
南部人のアイデンティティと、ロードでへろへろ
の自分たちの心情を吐露する辛口な歌詞がアク
セントを加える。
印象的でカッコイイイントロ、テーマ、リフ、
ソロ、フィニッシュの、かっちりとして立体的な
構成。基本のリフ(手癖?)を、進行に合わせて
少しずつアレンジしながら進む、工夫に富んだ
ゲイリー・ロッシントンのバッキングなど、周到
で緻密な曲作りとプロデュースが、このアルバム
に落ち着きというか、貫禄を与えている。

まあ、いくら能書きをたれたところで、聴くのが
一番なのである。レーナードスキナードを一枚も
持っていない人は、明日、学校か会社の帰りに
新星堂に行って一枚買って早速聴いてみよう。
この"SECOND HELPING"お・す・す・めです!

伝説かもしれないが、アルバムリーフレットの
メンバー紹介で、Ronnie Van Zant-Vocal.J&Bと
言うのが笑える。
他のメンバーもGibson Les PaulだとかFirebird
とかクレジットされている。

ギタリスト松浦善博さんのブログに、レーナード
スキナードのメンバーとの交流が書かれていて、
アレン・コリンズがかなりのギターお宅だった事
を伺わせるエピソードが書かれているので、興味
のある方は見て欲しい。

また、ロニーのトレードマークともいえる帽子が、
最初はエド・キングのトレードマークであったの
も僕は初めて知った。

あの飛行機事故で死んだ、ロニー、スティーブ・
ゲインズ、キャシー・ゲインズを追って、1990年に
アレン・コリンズも死んでしまった。
ほんとうに、華々しい成功と悲劇的な終わりを体現
したバンドとしても、とてもユニークなバンドである。