パンダ公園

夜の8時頃、駅から自宅への帰路だった。

通称パンダ公園と言われる小さな公園を越えると、あと２００メートルで
自宅だった。

その時だった。公園の段差に気づかず、突然、前のめりに転倒した。

左手にスーツを持っていたため右ひじで受身をしたが、おでこをレンガ敷きの
地面に軽く打ってしまった。

幸いたいしたことはなかったので、すぐに起き上がって自宅に向かおうとすると

後ろから「大丈夫ですか？」という声がした。振り返ると40前後の男性が心配そうに
こちらを見ていた。

私は、即座に「すいません！たいしたことはありませんので」と返事した。

すると、その男性は、「でも、けっこう血がでていますよ」と言った。

私は、即座にポケットからティッシュを出し、顔を拭いてみた。確かに、血が
たくさんついていた。

私は、「鼻を打ったので鼻血がでたんでしょう。大丈夫です。すいません」と
答えた。すると、その男性は、別な方向に歩き始めた。

しかし、その時の男性の顔は、どうも笑いを一所懸命こらえているようだった。

たぶん、駅からずっと歩きスマホをしている私の後ろを長い間、歩いていたのだろう。

愛犬べべ

我が家には室内犬（シーズ）が２匹いる。

うち、１匹は、生まれて１１年になる老犬べべである。べべは、ほとんど目が
見えないので、安全のため毎晩１階で私と一緒に寝ている。

いつもは、私の布団の中に入って寝ているが、体が熱くなるとふとんの外へ出て
床に寝そべって、再びふとんに入ってくることが多い。

しかし、今晩の明け方のべべは、いつもと様子が違っていた。ふとんから出ると
今度は、私の大きな枕の上に寝たいようで、私の顔の横でグルグル回って位置を
決めようとしていた。


べべの位置が決まると、私の顔とべべは、ほとんど密着する形になったが、私は
そんなべべを「たいへんいとおしく、また、かわいく」思い、非常に幸せな気分
だった。

朝起きて朝食を食べていると、家内が、「昨晩、べべがペットシートの上の
うんこを踏んでたわ。便が少し柔らかいので下痢かな・・・」と言った。

携帯紛失

携帯電話は、通話やメールだけでなく文字ニュースを見たり、写真撮影が出来たり
色んな事柄の検索にも役立つので、たいへん重宝している。そんなことなので、
最近は、外出時だけでなく、家の中でも肌身離さず携帯電話を持っている。

ある日、携帯電話をズボンの右ポケットに入れ、自宅から駅に向かった。その途上に
携帯の「乗換案内」というサイトで電車の時間を調べようとした。

しかし、いつも入れているズボンの右ポケットに携帯電話がない。「おかしい？」
ひょっとする上着のポケットかな？と思い、探したが見つからない。「家を出る時は
間違いなく持ってたので、ひょっとすると道に落としたのかなと思い、青ざめた
　

早く見つけなくては車に引かれたり、取られかねないと重い、あわてて、来た道を引き
返した。きっと見つかるだろうと期待しながら、家まで戻ったが、結局、どこにも携帯
電話は落ちてはいなかった。ショックだった。
　　

頭の中は、一瞬パニックに近い状態になった。しかし、気を取り直して、家を出た後の
動作を一所懸命考えた。しかし、一向に思い出せない。

途方にくれた時、私は「アッ！」と気づいた。
　

私は携帯電話をずっと左手で握りしめていたのだ。
　　

サビオ

朝起きると、右手中指の先が少しひび割れていた。

特に、支障がなかったのでそのままにしていたが、その日の風呂上りに
「メンソレータムを塗っておこう」と思い、さっそく実行した。

指先がべたべたするので、サビオ（地域によってはバンドエイドやカット
バンとも言うらしい）を貼ろうと思い、救急箱の中を探した。

しかし、中型サイズのサビオはあるが、小型サイズは見つからない。
意地になって救急箱をくまなく探し、やっと１枚の小さなサビオを見つ
けた。

さっそく、メンソレータムを塗ったところにそのサビオを貼ろうとしたが
メンソレータムの効果だろうか、指先のひび割れはもうふさがっていた。
しかし、念のため、サビオを貼っておいた。


翌朝、顔を洗おうと洗面所に行くと、昨晩貼ったサビオが、はがれそうに
なっていた。一気にサビオをはがすと、なんと、ひび割れは完全に直っていた。
「メンソレータムはすごい！」と大いに歓心した。


しかし、良く見ると、隣のくすり指の先から少し血がでていた。

サビオを貼る指を間違えていたのだ。「アホか　俺は？」

ウォーターショット

最近、ゴルフに凝っている小島君は、相当な飛ばし屋である。

この日のゴルフもティーショットは好調だった。午前中の最終ホール、小島君の
放ったティーショットは、他のメンバーの飛距離を大幅に上回る会心のショット
だった。

小島君は、ルンルン気分で落下地点に行ってみたが、不運にもボールは、池に
はまっていた。小島君は、大いに落胆した。

しかし、良く見るとボールは池の淵にあり、わずかに水につかっている状態
だった。「そうだ！ここはウォーターショットを試みてみよう。うまくいくとみんな
びっくりするだろうな」と想像した。


そして、ゆっくりと慎重に水深数センチの池の中でスタンスをとった。その時で
ある。小島君は、池のぬかるみに足を取られ、池の中に下半身が水没してしまった。

「これはいけない」とあわてて小島君は陸に上がろうとした。しかし、再び
ぬかるみに足を取られ、今度は、全身が池の中に水没してしまった。小島君は
大慌てで陸を目指したが、再度ぬかるみに足を取られ、２回目の全身水没。


距離測定器も池の中で行方不明になり、散々なゴルフだった。

ちなみにこの事故の発生は、アウトの９ホール目で、小島君は、お昼に風呂に
入り、着替えた後（ズボンはゴルフ場の行き帰りに着用分とのこと）再度プレー
した。

出迎え

最近のできごと

風が強く、寒い晩、会社から電車で帰る途中、生駒駅から子供に、「最寄駅まで
迎えに来れるか？」とメールをした。
　

すると、ラッキーなことに、すぐに子供から「わかった！迎えに行くから駅の
セブンイレブンで花畑牧場のカップアイスを買っておいて！」というメールが
返ってきた。
　

私は、「ちゃっかりしているな」と思ったが、駅に着くと、セブンイレブンに
入り、指定のカップアイスを探した。すぐにそのカップアイスは見つかり、
念のため２つ購入し、レジカウンターで代金を支払った。

その後、セブンイレブンの駐車場に向かうと、すでに子供の車（シルバーのデミオ）
が到着していた。寒いので、急いで、助手席のドアを開け車に乗り込もうとすると、
なんと！助手席には子供の彼女が乗っていた。
　

私は、「これはいけない！」と思い、遠慮して後部座席に移ろうとした。しかし、
運転席の子供の様子がおかしい。また、子供だけでなく彼女の様子もおかしい。
あきらかに２人ともうろたえているのだ。
？？？？？

私は、うろたえるぐらいなら、彼女と一緒に迎えにくるなと思い、後部座席に乗り
込もうとした。その時、運転席の子供の表情が目に入った。

運転者は、明らかに子供とは違う人物だった。
　　

就職戦線

大学生の子供が就職活動をしていたので、私は、最近の就職状況を調べるため、
「みんなの就職活動日記」というサイトを閲覧した。

そこには、色んな会社の情報が記載されており、大学生のの就職活動状況がリアルに
把握できた。しかし、昨年度内定者のアドバイスやサイト閲覧者の情報交換をするため
には、会員登録が必要であった。そこで、会員登録をすることにした。

会員登録は簡単だったが、迷ったのは生年月日だ。昭和２７年なんて登録すると、
あきらかにおかしいので、昭和６３年と登録をした。この登録で、さらに詳しい就職情報が
閲覧できたので、私はひじょうに満足した。

ある日、メールを見ると、「八津田さんへ就職のご案内です！」というメールが入って
いた。就職情報サイトに登録したので、大学生と思われているんだな。と思い、ニヤッと
した。

１週間ほどすると、今度は企業セミナーのはがきが何通か届いた。宛名を見ると「八津田
高六様」となっており、そのはがきを見た、家内はけげんな顔をしていた。

数日前、大阪市内の局番の電話が自宅にかかってきたが、心当たりのない番号なので、そのまま放置した。しかし、しばらくするとまた同じところから電話がかかってきた。とりあえ
ずと思い、電話にでた。

「○○会社ですが、八津田高六さんですか？」と確認してきた。やはり、なにかの勧誘電話
のようであった。「マンション投資か？先物相場？それとも・・・」と考えていると、先方
はこういった。

「八津田さん。○月○日に弊社の就職セミナーを開催しますが、ご参加されませんか？」と
聞いてきた。

一瞬、私は言葉を失ったが、私は、「就職はだいぶ前に決まりました」と答えた。すると
先方は、「いつ頃お決まりですか？さしつかえなければ教えていただけますか？」と
聞いてきた。

これに、なぜか私は正直に答えてしまった。「３５年前です！」

先方は、びっくりしたのか無言だった。私は、言わなくてもいいのに、また正直に、大学生
の就職状況を把握するため年齢を偽って会員登録をしました。」と答えてしまった。

すると、先方は、「それでは、会員登録を抹消しておきます」と答えた。私は、安心すると同時に多少残念な気持ちになった。

下宿よもやま話

今日、同僚の稲山氏から聞いた２話


①
学生時代、稲山君は、友人の下宿に頻繁に遊びにいっていた。

ある日、友人の下宿を訪ねると、友人は不在で、見知らぬ人がコタツに入って
友人を待っていた。

夜も遅かったので、稲山君も、友人の下宿に上がり、コタツに入って、友人の
帰りを待っている人物と話をし始めた。

しかし、話の途中でなにか、かみ合わない部分が何点か出てきて、稲山君は、
違和感を感じた。

そして、相当時間が経過した時、稲山君は、ハッと気づいた。

稲山君が、上がった部屋は、友人の隣の部屋だったのだ。そして、会話の相手は
その部屋の住人だった。



②
稲山君が、よく訪ねていたその下宿には、８年かかって大学を卒業した木田君がいた。

木田君の下宿には、大家さんの子供で小学校６年生の女の子がおり、たまに話をしたり
した。

木田君が、８年生の時、大学の授業を受けるため教室に入った時、その大家さんの娘を
発見し、木田君は大きなショックを受けた。

木田君が大学に８年いる間に、小学校６年生の子は、中学校、高等学校を卒業し、見事、
木田君と同じ国立大学に現役合格し、同じ講義を受けることになったのだ。

電話勧誘撃退方②

昨日の電話勧誘撃退方を見て、後輩２人から、彼らの撃退方についてメールが
あった。

『林田君の撃退方は「説教形」である。』
①
（勧誘電話は午前中に良くかかって来るので）
「君がこの時間に電話してくるのは、俺自身は非常によくわかる！しかし俺も
営業マンやから、君と同じことを俺も今しないといけない。そやから電話切るで！
オッケーやな！…ほなさいなら」
　　

②
「今、一世一代のビックな商談の電話をまっとったとこや！君の勧誘電話で俺の
サラリーマン人生潰す気か！！切るぞ！」
　　


『後輩小田君の奥さんの事例』

小田君の自宅に電話がかかってきた。小田君の奥さんが電話に出ると、なぜか
電話の主は「お母さんはいますか？」と聞いてきた。

小田君の奥さんは、電話勧誘だなと感づきこう答えた。
「お母さんは、家を出たまま帰ってきません」と幼く、元気なく答えた。
　　

電話の主は「ごめんね」と言って電話を切った。


『私の失敗事例』

宣教師　（インターホンで）モルモン教ですが、お話を聞いていただけませんか？
私　　　　うちは、神道です
宣教師　　神道ってなんですか？
私　　　　日本古来の宗教です。
宣教師　　わかりました。一度お話を聞いていただけませんか？
私　　　　（これは手ごわいぞ）
　　　　　別な宗教の信者ですので・・・
宣教師　　わかりました。お話を聞いていただけませんか？
私　　　　（なんと手ごわいやつだ・・・どうしょう。この時、私は急用を思い出した。）
　　　　　いそがしいので聞けません。
宣教師　　すいませんでした。とすぐに立ち去った。
　　

この時、外人に、あいまいな言い方は厳禁で、短刀直入で言うべしとわかった。

　　　　　

電話勧誘撃退方

会社で、知らない会社の人物から電話がかかって来て出ると、たいていが売り込みで
ある。先物やマンション投資などさまざまだがいったん電話に出ると、とにかくしつこい。

会社で、そういった電話がかかってきた時、「会議中抜けて来たところなので」と言って
電話を切った。すると、数日後の夜、自宅に電話がかかってきた。「興味がないので」と
言って、電話を切ろうとすると先方は、「話も聞かないで、電話を切ろうとするのは
なんと失礼だ」と言ってきた。
　　

私は、ひじょうに腹が立って、「勝手に夜分電話してくるあんたの方が失礼だ！」と言い、
「ガチャン」と電話を切った。すると、また、しつこく電話の呼び出し音が鳴る。ここ
から、電話で口論になった。こうなると、電話勧誘か嫌がらせ電話か区別ができなくなる。
　　


この件があって以降、私は、巧妙に電話勧誘をかわす方法を考えた。成功例を３つ紹介
する。

①
セールス　　「八津田さんですか？」
私　　　　　「はい！」
セールス　　「ご主人様ですか？」
私　　　　　「いえ」
セールス　　「ご主人様は？」
私　　　　　「しりません」
セールス　　「あらためてお電話させていただきます」
　　

こういうと、しつこく聞いてくるセールスは皆無で、なぜか、このやり取りで必ず終わる。


②
セールス　　「八津田さんですか？」
私　　　　　「はい！」
セールス　　　あれこれとしゃべりだす
私　　　　　「すまん！外出前なので時間がない。用件を一言で言ってくれ」
セールス　　「・・・・・・」
私　　　　　「時間がない、どういった用件ですか？早く言ってくれ。時間がないので
　　　　　　　切るぞ」
　　

たぶんマニュアルにこういった対応例がないのだろう。セールスはたいてい絶句する。


③
セールス　　「八津田さんですか？私は○○会社の者です」
私　　　　　「今月に入って君の会社から３回目の電話だぞ。一体どうなってんだ」
セールス　　「以前電話したのは○○ですか？○○には参加いただけましたか？」
私　　　　　「そんなことはどうでもいいが、とにかく何度も何度も電話をもらうのは
　　　　　　　迷惑だ！」
セールス　　「すいません」
　　

１回目の電話でも、「何度も何度もと」立腹して言い切る。必ず、先方は、戸惑い謝罪
する。