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ドラッカーに学ぶ「名店の条件」(ドラッカー×安岡流)

~小企業こそ【名店】の真価を発揮出来る。ドラッカー流マネジメントと安岡流の経験を重ねて、名店の条件を追求する~

「12月ヒットランキング」書籍のビジネス部門で「もしドラ」が1位に…

2011-01-20 23:20:58 | 「名店の条件」経営の基本思想
    「12月ヒットランキング」書籍のビジネス部門で「もしドラ」が1位に…
~経営コンサルタント 安岡裕二の「名店の法則」~

毎月発表になるヒットランキング(日経MJ)の『書籍』「ノンフィクション部門」で「トイレの神様」(歌手の自伝)が2位に入った。そんな本がある事すら知らなかったが、紅白に出たり、中国の公演では中国人女性が泪したり………。
国境を越えて、老若男女のこころを掴んだフシがある。トイレの女神様というフレーズも効いているが、“おばあちゃん”という響きが「心のふるさと」「母のふところ」といった琴線のようなものに触れるのではないか…なんて思うのです。私も初めて聴いた時、目が潤むのを抑え切れませんでした…。
更に驚くのは、「コレからの『正義』の話しをしよう」(マイケル・サンデル)が3位に入った事。サンデル氏は、ハーバード大学の哲学の教授。NHKが東大での公開講座を放映した事から火がついたが、その対話スタイルが新鮮に映った。「東大の白熱教室」の本を少しかじり、ハーバードの授業風景も一部見たが、易しそうで中身はやはり難解。私のように話題に釣られて、かじった程度のビジネスマンも多いのではないか…などと“げすの勘ぐり”をしてみたりするが、それにしても売れたんですね。

さて、本題。同じ『書籍』のビジネス部門。案の定「もしドラ」が一位。この小説の中で、拠り所となったドラッカーの「マネジメント」が関連図書としてランキング2位に入った。これも易しい本ではないが、「もしドラ」関連の強さを見せつけた。
NHKで「もしドラ」をシリーズ化し、アニメで放映するとか聞いた。まだまだブームは続く気配。

なぜ、かくもドラッカーがもてはやされるのか!? 
マネジメント=管理、マーケティング=4P理論…今までの本は、米国流近代合理主義の影響をうけた受け売りを経営理論として、信じさせられてきた。そのアンチテーゼの気分があるのではないか!?

下手な理屈よりも、ドラッカーの言う事に意外性と現実性…そんなものを感ずる。
例えば、『マーケティングとは顧客の「現実、欲求、価値」を知る事』。又、『マネージャーは、専門家のボスではない。道具、ガイド、マーケティング・エージェンシーである』…なんて“意表をつかれる”とんでもない事を言う。
これがしっくり来る説得力を持つんですね。
「ドラッカー実践行動学」という勉強グループなど、嵌りまくった人達があちこちにいる。私も実践に結びつけて、「もしドラ」のようなマネジメントを成功させてみたいものだと夢見る事にします。

(追記)4冊の本を紹介しました。共通するキーワードは何か!?考えていたら、“感動”が浮かびました。人の気持ちに訴える“感動”が、顧客と結ぶ一体感である事を肝に銘じたい。

"「名店の法則」経営の基本思想 オンリーワン戦略とコアコンピタンス

2011-01-13 21:53:47 | 「名店の条件」経営の基本思想
  「名店の法則」経営の基本思想 オンリーワン戦略とコアコンピタンス
~経営コンサルタント 安岡裕二の「名店の法則」~

「コアコンピタンス」についてのある解説書を見た。
コアコビタンスは、大地(事業領域)に生える、木の「根」のようなもので、独自性、将来性のあるものとある。
 「名店の法則」で提唱するオンリーワン戦略を土台に据える考えと似ている。

 コアコンピタンスなんて、どうせアメリカの輸入ものだろうと想像したら、案の定ミシガン大学の教授が「コアコンピタンス経営」なるものを提唱した事から“新たな成長戦略”として広まったものらしい。一時かくいう私も嵌って使ったものだが、どうも日本人には“借り物”の衣装みたいにしっくり来ない。

 それよりも、オンリーワン戦略という表現がびったりくる。
しかし、オンリーワンを成長戦略の土台として位置づけようと言う思想は、全く同じ根っこにあると言って良い。

 ドラッカーの個人の成長へのよりどころとして、『何をもって憶えられたいか?』を生涯忘れずに持ち続けよ…という教訓がある。

 今や過去形に近い年代になって「若い時にこの言葉を発してくれた人がいたら…」なんて思っても致し方なし。一瞬なにを言わんとしているのか解りにくいが、咀嚼しているうちに段々解ってくる。

『青春とは人生のある期間を言うのではなく、心の様相を言うのだ。 優れた創造力、逞しき意志、炎ゆる情熱、 怯懦(きょうだ)を捨てる冒険心、こう言う様相を青春と言うのだ。 年を重ねただけで人は老いない。理想を失うときに初めて老いが来る。(ウルマン・青春の詩)』

 今からでも遅くない。問題は心だ。私も「憶えられたい何か」を模索しながら、ドラッカー教授に学び、オンリーワンを目指すとしよう。
(*画像をクリックすると大きくして見られます)

経営コンサルタント安岡裕二
TEL090ー3233ー7847

「名店の法則」CS(顧客満足)「声中心経営」とは!?

2011-01-06 20:40:47 | 「名店の条件」経営の基本思想
   「名店の法則」CS(顧客満足)「声中心経営」とは!? 
~経営コンサルタント 安岡裕二の「名店の法則」~

 ファッション衣料でトップメーカーのワールド、いつも新しい感覚で時代を切り拓いてきたイメージがある。トップの寺井氏は、上場を廃止しノビノビと思った事を実行に移している印象がある。

ここへきて、「声中心の経営」を促進する施策を打っていて、その考え方、手法に注目したい。

会員カードの一本化によるリアルとネットの融合で顧客の全体像が見えるようにするのは当然と言えるが、小規模店でも参考になりそうなのが「レシートのQRコード」。ここから品質や接客サービスetc.についてのアンケートを取り、内容を企画、生産、店舗がリアルタイムで見られる仕組みが業務改善に活かされているという。

 注目は、QRコードからアンケートを取るという点。
普通は、新規会員募集やポイントサービスにつなげ、メルマガやセールに活かすというのが定石。QRコードの活用というと割引やポイントをつけた“販促”に流れやすいが、“価値にウェイトを置く”消費傾向の変化、空気にいち早く乗り「顧客の声に応える経営」=「声中心経営」にカジを切るところはサスガのセンスである。

 小規模店で、この感覚と価値重視の経営に、QRコードを活用している例を知りたいものである。

人形町「玉ひで」の伝説をマーケティングとイノベーションで分析する

2011-01-01 14:24:49 | 「名店の条件」経営の基本思想
人形町「玉ひで」の伝説をマーケティングとイノベーションで分析する
~経営コンサルタント 安岡裕二の「名店の法則」~

明けましておめでとうございます。
新年第1号は、人形町の「玉ひで」を取り上げ、マーケティングの視点から分析してみたい。

玉ひでと言えば“親子丼”お目当ての行列で有名だが、コピーが又凄~い。
その驚きのコピーとは、以下のようなもの。 

『元祖「親子丼」(東京しゃも使用)1500円
~一子相伝~
奥義を頑なに守り抜いた「これぞ玉ひでの味」。親子丼の真髄とも言える逸品ものです。』

どうです。凄いと思いませんか!? 一子相伝、奥義、真髄…、伝統を守る頑なさと自信に満ち溢れ、「真髄」と言い切る処など脱帽ものです。

今も連日行列が絶えない事が、あこがれメニューに昇華した伝説ぶりの証明でしょう。
「親子丼」のメニューでは、そぼろ親子(国産若鶏)800円、名代親子丼(川俣しゃも)1300円、特上親子丼(東京しゃも)1700円とある。
更に…、匠親子丼 ときました。「匠」は値段も1900円と最高級。

1760年創業というから、250年を経た老舗中の老舗。親子丼誕生秘話とは、明治24年5代目の奥様の発案で、親子煮を“食べやすく”…から生まれたとの事。
 
代々、子供1人にしか伝えない「一子相伝」を守ってきたといいますから、奥義という言葉がぴったり。剣術の世界の免許皆伝を想像しちゃいました。

さて…。
「もしドラ」で脚光を浴びたドラッカーのマーケティングの捉え方は独特である。「顧客は誰か」から出発し、「顧客の現実、欲求、価値」を把握する事がマーケティングであるという。
現実、欲求、価値という言葉は、思い当たるところが多い。

親子丼誕生秘話にあるように、(親子煮とご飯が別々より、ご飯と一体になった方が食べやすい)という現実感覚、今の“食べるラー油”ブームに見るまでもなく、ご飯にかける、のせる食べ方は昔からあった。明治の頃の事、元祖と胸を張れる新メニューだったのだろう。

次に、その欲求の元になった顧客自身が奥様という女性だったこと。外食が男性中心だったであろう時代に女性という顧客を創造した事がイノベーションに当たる。

そして、徹底的にしゃもにこだわり、味の「価値」を高めた事が顧客の価値観にピタリ合致したのではないか!?
一見、800円から1700円まで、5段階のプライスラインは、お客様の迷いを生じさせ、作る側のムダを発生させるマイナス面も考えられるが、プラス面で考えると、親子丼の作り方は共通しており、具材のしゃもが変わるだけで大きな負担にならない、又、リピート客に次の楽しみを与えるパラエティがあるというメリットの方が大きいのかも知れない。それも可能にした「行列する客数の多さ」、「親子丼」のブランド力に依るものだろう。

ドラッカーのいうマーケティングとイノベーション…。この視点でみて行くと、ウォッチング(研究)の深みが増すというものです。


「名店の法則」マーケティング 2011年のヒットの読み方

2010-12-25 22:50:16 | 「名店の条件」経営の基本思想
   「名店の法則」マーケティング 2011年のヒットの読み方
~経営コンサルタント 安岡裕二の「名店の法則」~

2011年ヒットの読み方
2010年を振り返るのが恒例の時期となった。ヒット商品の話題も花盛り、NHKニュースで今年のヒットを取り上げていた。

 「パワースポット(明治神宮清正の井戸や伊勢神宮)、山ガール、Kpop(韓国ポップ)、3D、スマートフォン、もしドラ(200万部)、均一居酒屋(ハイボール)、大盛りガッツン…」など。
私が主宰している東京タウンウォッチングでは、“新商品、新売り場から、時代のトレンドを体感する”事をモットーにやって来ましたが、来年から「マーケティング」の視点で捉えてみようと思っていたところです。

そんなところへ、「日経ビジネス」の“2011年ヒットの読み方”の記事が目に付いた。
2010年のヒットに東京スカイツリーがあるが、“少しずつ高くなっていく過程”が楽しめる点が見逃せないという。我が子が成長していく姿を応援する気分と重なると見る。そして、「製品作りのプロセスを見せて応援して貰う」事が人気を呼ぶのではないかと予想している。
エベレストへの無酸素、単独登頂を目指す登山家が、登山に挑戦する姿を動画配信し、人気に火がついて応援する山ガールなどの例もあるそうだ。

大ブレークした「AKB48」は、公演や握手会の外、インターネットによるファン投票や成長のプロセスを見せるSNSを使ったりということで、“応援する気持ち”を高めたという。

思い切った情報公開で、開発プロセスを見せ。消費者の声を反映するツイッターなどで、顧客との対話ができるか問われるのでは…と指摘している。

(プロダクトとコンシューマーを結びつけた)プロシューマーの時代が来ると指摘した社会学者がいたが、顧客の声を反映する、或いは顧客参加型の開発はとっくに進行している。又、製造工程を見せる「工場ショウルーム化」もとっくに進んでいる。

小規模の店では、その最前線にいるといって良い。ハイテク装備されたオートメーションの工場を見て感歎するか、小さな作業場で根気よく磨いた技の冴えに感動するか、職人芸は上っ面を見ただけでは盗めるものではない。自信を持って仕事ぶりを公開する事が“小良く大を制する”活路に繋がる。オンリーワンの強みを武器(土台)に、ネットという飛び道具を身につけて戦う…そんな戦略が、今、グループでブログ発信している「東京名店塾」の姿(ビジョン)であると思っています。
◎「東京名店塾」ブログは こちら