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ドラッカーに学ぶ「名店の条件」(ドラッカー×安岡流)

~小企業こそ【名店】の真価を発揮出来る。ドラッカー流マネジメントと安岡流の経験を重ねて、名店の条件を追求する~

「名店の法則」経営の基本思想①伝統と革新(2)~「違うから面白い、違わないからすばらしい」

2010-12-22 11:31:32 | 「名店の条件」経営の基本思想
   「名店の法則」経営の基本思想①伝統と革新(2)~「違うから面白い、違わないからすばらしい
~経営コンサルタント 安岡裕二の「名店の法則」~

 宮本亜門氏の講演のテーマが目に付いた。「違うから面白い、違わないからすばらしい}というもの。

 個性的で意欲的な演出家として注目を浴びている宮本氏。この演題は、キャッチコピーとしてもユニークだ。思わず、伝統と革新というキーワードに重ね合わせてしまった。

 違うから面白い…は、革新、イノベーションと重なるし、面白いとは芝居やミュージカルを浮かべるとはまる。

 「違わないからすばらしい」の“すばらしい”という表現は、キャッチコピーとしても魅きつけるものがある。このあたりは、センスというものだろう。伝統の技、匠の技…の再認識、再発見を「素晴らしい」とは「自信を持て」に通ずるものだ。

経営コンサルタント安岡裕二
TEL090ー3233ー7847

「名店の法則」経営の基本思想②顧客中心主義(3)

2010-12-19 13:48:13 | 「名店の条件」経営の基本思想
> 「名店の法則」経営の基本思想②顧客中心主義(3)

前回、ある建設業の社長さんの問題提起とは、次のようなものでした。
「最近は個人住宅以外はすべて入札制度になって、予定価格から2割、3割安くないと落札出来ない。品質が落ち、不毛の現場に陥っている。ドラッカーは、顧客とは誰か!?から考えろと云うが、考えても分からない。建設業界の現状に対して、ドラッカー先生はどう答えるだろうか?」
と云う趣旨でした。

私なりに考えました。シビアな現実を含んでいますが、ドラッカー流のマーケティング発想で次のように考えました。
先ず“顧客”の定義。個人(住宅)、設計事務所、保育園や医療機関への直接の応札etc.が受注ルートと云う。確かにすべて顧客ではあるが、切り口を変えて質の面から見たマトリックスで考えたらどうだろう!?

ドラッカーが云う顧客の求める欲求、価値、現実から観たら、品質にウェイトを置くお客様と価格を重視するお客様に分かれる事に気付く。
「品質・デザイン・機能を重視し、価格は相場の2割高くらいまでならいい」というお客様に焦点を合わせる。価格優先の価値観を持つ(価値を置く)顧客は(捨てる)と言う事になる。コレは、大雑把な分類。ニーズは細分化し、世の中はチエだし競争花盛り。量を狙わない小企業のチャンス(機会)の多い時代なのである。言い換えればアナログな匠の技が勝負所である。

電気炊飯器の売れ筋は1~2万円らしいが、今、3万以上するものが結構出るらしい。いかに美味しいご飯を炊けるか、大手が苦手とするアナログな部分の技が生きているらしい。

元気な中小企業の例で、野菜農家が「安心、安全」のコンセプトで、“顔の見える野菜”をモットーに航空写真で生育状況がわかる画像を発信し、ネットで即受注~発送というハイテクな技で成果を挙げている例も観た。

ドラッカー流に云う(顧客からの視点)で、“現実、欲求、価値”を捉えていけば、顧客中心主義が生きてくる様に思う。

経営コンサルタント安岡裕二
TEL090ー3233ー7847

「名店の法則」経営の基本思想②顧客中心主義(2)

2010-12-15 21:45:31 | 「名店の条件」経営の基本思想

    「名店の法則」経営の基本思想②顧客中心主義(2) 
~経営コンサルタント安岡裕二の「名店の法則」~

前回、ある建設業の社長さんの問題提起とは、次のようなものでした。

「もしドラ」から入札制度を考える
経営学の神様と言われているドラッカーがブームである。都立高校野球部の女子マネージャーが何かの勘違いでドラッカーの「マネジメント(エッセンシャル版)」を読んで、野球部の強化に活かして甲子園を目指すという小説がベストセラーになっている。「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーを読んだら」という小説がビジネス本のベストセラーだそうだ。略して「もしドラ」と言う。
経営学と経済学とは違うものだという程度の知識とドラッカーという名前を知ってはいたので「もしドラ」ブームに刺激されて「マネジメント(エッセンシャル版)」を読み始めた。ドラッカーが語る経営学の言葉はわかるようで、なかなか難しい。ひとつひとつのメッセージを自らの経営姿勢や考え方に照らしてみるとドキッとする言葉が語られている。 
エッセンシャル版から引用してみよう。
「顧客とは誰かとの問いこそ、企業の使命を定義するうえで最も重要な問いである」とある。わが社の顧客とは? その答えを正しく導き出せているだろうかと考え込んでしまった。
わが社は創業から40年を迎えようとしている建設会社と工務店の二つの面を持っている小企業である。お客さまからの紹介や設計事務所からの仕事と保育園や医療機関の仕事もいただいてきた。十数年前まではそういうお得意さんから指名をいただいて、受注につないできたが、最近は個人住宅以外ほとんどが入札になってしまった。保育園などは行政から助成金を受けるので入札にすることが原則になっている。一番安い価格で札を入れた業者が仕事を請け負う。それも設計事務所と発注者と行政が定めた予定価格を二割、三割と安くして入札しなければ落札できない。激しい競争の結果は品質に影響を与え、落札した企業体力を奪い、職人の手間賃を限界まで切り下げる。その繰り返しが建設業者を淘汰へと追い込む。今、それが進行している。入札制度のもとでの「顧客とは誰か」をどのように考えればよいのだろうか。
2005年に他界されたドラッカー先生は日本にも来たことがあるのだが、建設業の入札制度をどう解明するだろうか。

顧客とは誰か!?考えさせられる問題提起ではある。シビアな現実を含んでいる。ドラッカー流の方針を考えてみましたが、難しく研究テーマとして残しておきたい。

「名店の法則」経営の基本思想②顧客中心主義

2010-11-20 21:54:33 | 「名店の条件」経営の基本思想
   「名店の法則」経営の基本思想②顧客中心主義
~経営コンサルタント安岡裕二の「名店の法則」~

 顧客第一主義とか顧客重視とか、うたい文句を掲げる事が多い。一方では、ポイントカードのような後払いサービスに熱を入れ固定客化に精を出す「顧客囲い込み」を競争の重要手段として力を入れている。しかし、真にその意味と実行を突き詰めているか疑問を感ずる事が多い。

 これに対して、顧客中心主義という言葉がかなり使われるようになってきた。なぜか。
 端的に言えば、極力顧客の“カスタムオーダー”志向に応えるものづくりやサービスを目指す考え方であり、それがマーケティングの有力な発想法になってきたことを意味するということ。もっと具体的に云えば、「顧客のわがまま=自分だけのオリジナル」にどれだけ応えられるか、言い換えれば「選択肢が多い程、お客様は喜ぶ」という考え方でもある。

 カスタムオーダーメイドの例を車で挙げてみると
『世界に一台だけの自動車(オートバイ)に乗りたい、所有したいという願望から自動車、オートバイに多くみられる』(*Wikipedia)とある。これは車やファッションに限らず、あらゆる分野に広がってきた。自分流ライフスタイルへの欲求が高まり、大量生産規格品への反動でもある。

 顧客中心主義とは、“お客様の選択の自由にいかに応えるか”が発想の基点であり、顧客囲い込み主義とは反対の考え方に近い。身近な例に戻って云えば、料理の世界ではコースとアラカルトがあるが、コースは造り手に信頼をおいて言いなりに任せる、アラカルトはお客様に選択の主導権を与えるという事になる。お客様には、常に2つの考え方があると知るべきである。

 現実には、折衷的な方法を工夫するケースが増えているのではないか!? コースの中で選べるようにしたり、料金を定額にしてお好みネタを選べる江戸前の鮨やさんの試みがあったりする。トレンドは確実に自分オリジナル、カスタムオーダー志向へ向かっている。

 一方“自分はこれで行く”という「この指止まれ」の戦略もある。これは、オンリーワンの技術、商品を持ち、顧客が広く存在し、常にオリジナリティと先端性を追求しなくてはならない厳しい世界に生きる事になる。顧客に選ぶ主導権が完全にあるという点では、顧客中心主義の原点と言えるかも知れない。

 さて、経営者に信奉者も多いP・F・ドラッカーは「顧客にとって、それは良い事か?」という顧客からの発想を絶対としている。
 ある建設業の経営者が、団体の機関誌でドラッカーを引き合いに出し、矛盾を孕む入札制度の現状に触れて、「顧客とは誰か?」をどう考えればよいか…と投げかけています。次回は、その小論に触れて、顧客中心主義を更に考えてみたい。