昨年12月の総選挙で圧勝した、自民党は、2012月4月に「日本国憲法草案」を出している。その危険な中身について、講演や学習を通して知るにつけ、いよいよ正念場だとの思いを強くする。
9条の会事務局長の小森陽一氏が、2013年2月14日、「あぶない憲法のはなし」として、「自民党改憲草案」の危険な本質を解読。http://www.youtube.com/watch?v=Qlteyva6ya4
より多くの人々に知って欲しい、知れば知るほど「危ない!」その話。
もし、改正案がそっくりそのまま憲法として国民を縛り付けることになったら…具体的に自分たちの暮らしにあてはめて考えてみると、よりわかりやすく「ゾッ~」とするのではないだろうか。
以下、エッセンスを書き起こした。(少し長いが、活用しやすいように一気に掲載)
◆自民党は改憲を目指して結党された政党◆
注意をしなければならないことは、憲法改正の手続きをめぐる第96条です。
そもそも自民党という党(1955年11月自由党と日本民主党が合体して結党)は、既に作ってしまった自衛隊を認めるために「憲法9条を変える」ことを目指した改憲政党です。国民を説得する理由として「GHQ支配による押しつけ憲法だ。自主憲法を制定する」と主張し続けてきました。そして今までは常に全文を変えると言っていました。
それが、今回の安倍政権では、「まずは96条から改正する」としています。第96条を、他の改憲政党(維新の会、みんなの党など)と協力して、まず変えてしまおうというわけです。(すでに96条改正をめざす議員連盟もできています)
第96条 この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。…
自民党の改憲草案では、そのハードルを下げ、両議院のそれぞれの過半数の賛成で発議するとしています。
近代の立憲政治は、「憲法は、国家権力が好き勝手なことをしないよう、国民が国家権力に対して縛りをかけるための最高法規」という考え方です。発議のハードルを低くするということは、「権力が好き放題する」危険がうまれるということです。
◆憲法を守らなければならない人はだれでしょうか。
第99条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。
これが近代立憲政治の原点であるのに、自民党改憲草案では、逆転して「憲法は、国民が守らなければならないものとされています。
改正草案102条
全て国民は、この憲法を尊重しなければならない。
ここでは、憲法は国家を縛るものではなく、他の法律とおなじく「国民を縛るもの」となっています。かつての大日本帝国憲法のように、天皇は前文で元首だと宣言され、さらに特例で元首は、憲法を守らなくても良い存在になっています。
それと連動して、第3条「日本国民は、国旗及び国家を尊重しなければならない」とも。東京や大阪の公立学校で、卒業式や入学式の際に、君が代を歌うときに起立しないで座ったままの先生が処分されましたが、全国民に対して縛りがかけられる、国民主権を踏みにじる草案だと言えます。
◆草案は前文から平和的生存権を削除◆
日本国憲法の基本は、基本的人権・主権在民(民主主義)、国際平和主義です。
自民党案では、現行憲法前文にある「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」を削除し、
替わりに「日本国民は国と郷土を誇りと気概を持って自ら守る。国土を防衛する義務がある」としています。
そして改正案では、憲法9条の生命線ともいえる、第2項を削り、国防軍を保持。
国防軍は
・治安維持 (国民が集会・デモへの弾圧も可能)
・邦人救出 (名のもとに海外へ出て行く)
・国民保護
・審判所という軍事法廷所ができる
かつての日本の軍国主義の中心である軍隊の復活をもくろむ。
98条
「外部からの武力攻撃」
内乱などによる社会秩序の混乱に対しても政府は緊急事態を敷くことができる
99条
国会という立法府を無視して、行政権力である内閣が法律と同等の効力をもつ政令を制定できる 「戦時独裁制」を敷くことができるということが憲法上規定されている
9条2項の削除と98条、99章の緊急事態が連動していて、戦争する国家を作っていこうという意思が露わです。
現行97条 を全面削除しています。
第97条 この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである
大日本帝国憲法下では認められていなかった基本的人権を、人類史的な総括の中で入れたのが97条です。これを全面削除し、さらに国家によって、家族に対する規定が盛り込まれることも見逃すことはできません。
とりわけ「家族は互いに助け合わなければならない」 ということ。
憲法25条に保障されている、国が社会福祉や保障や医療についてきちっと責任をもたなければならないはずのに、自民党案では家族による共助や自助を求めるもの、ひとりひとりの人間の尊厳、基本的人権を踏みにじる内容になっています。
9条の会事務局長の小森陽一氏が、2013年2月14日、「あぶない憲法のはなし」として、「自民党改憲草案」の危険な本質を解読。http://www.youtube.com/watch?v=Qlteyva6ya4
より多くの人々に知って欲しい、知れば知るほど「危ない!」その話。
もし、改正案がそっくりそのまま憲法として国民を縛り付けることになったら…具体的に自分たちの暮らしにあてはめて考えてみると、よりわかりやすく「ゾッ~」とするのではないだろうか。
以下、エッセンスを書き起こした。(少し長いが、活用しやすいように一気に掲載)
◆自民党は改憲を目指して結党された政党◆
注意をしなければならないことは、憲法改正の手続きをめぐる第96条です。
そもそも自民党という党(1955年11月自由党と日本民主党が合体して結党)は、既に作ってしまった自衛隊を認めるために「憲法9条を変える」ことを目指した改憲政党です。国民を説得する理由として「GHQ支配による押しつけ憲法だ。自主憲法を制定する」と主張し続けてきました。そして今までは常に全文を変えると言っていました。
それが、今回の安倍政権では、「まずは96条から改正する」としています。第96条を、他の改憲政党(維新の会、みんなの党など)と協力して、まず変えてしまおうというわけです。(すでに96条改正をめざす議員連盟もできています)
第96条 この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。…
自民党の改憲草案では、そのハードルを下げ、両議院のそれぞれの過半数の賛成で発議するとしています。
近代の立憲政治は、「憲法は、国家権力が好き勝手なことをしないよう、国民が国家権力に対して縛りをかけるための最高法規」という考え方です。発議のハードルを低くするということは、「権力が好き放題する」危険がうまれるということです。
◆憲法を守らなければならない人はだれでしょうか。
第99条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。
これが近代立憲政治の原点であるのに、自民党改憲草案では、逆転して「憲法は、国民が守らなければならないものとされています。
改正草案102条
全て国民は、この憲法を尊重しなければならない。
ここでは、憲法は国家を縛るものではなく、他の法律とおなじく「国民を縛るもの」となっています。かつての大日本帝国憲法のように、天皇は前文で元首だと宣言され、さらに特例で元首は、憲法を守らなくても良い存在になっています。
それと連動して、第3条「日本国民は、国旗及び国家を尊重しなければならない」とも。東京や大阪の公立学校で、卒業式や入学式の際に、君が代を歌うときに起立しないで座ったままの先生が処分されましたが、全国民に対して縛りがかけられる、国民主権を踏みにじる草案だと言えます。
◆草案は前文から平和的生存権を削除◆
日本国憲法の基本は、基本的人権・主権在民(民主主義)、国際平和主義です。
自民党案では、現行憲法前文にある「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」を削除し、
替わりに「日本国民は国と郷土を誇りと気概を持って自ら守る。国土を防衛する義務がある」としています。
そして改正案では、憲法9条の生命線ともいえる、第2項を削り、国防軍を保持。
国防軍は
・治安維持 (国民が集会・デモへの弾圧も可能)
・邦人救出 (名のもとに海外へ出て行く)
・国民保護
・審判所という軍事法廷所ができる
かつての日本の軍国主義の中心である軍隊の復活をもくろむ。
98条
「外部からの武力攻撃」
内乱などによる社会秩序の混乱に対しても政府は緊急事態を敷くことができる
99条
国会という立法府を無視して、行政権力である内閣が法律と同等の効力をもつ政令を制定できる 「戦時独裁制」を敷くことができるということが憲法上規定されている
9条2項の削除と98条、99章の緊急事態が連動していて、戦争する国家を作っていこうという意思が露わです。
現行97条 を全面削除しています。
第97条 この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである
大日本帝国憲法下では認められていなかった基本的人権を、人類史的な総括の中で入れたのが97条です。これを全面削除し、さらに国家によって、家族に対する規定が盛り込まれることも見逃すことはできません。
とりわけ「家族は互いに助け合わなければならない」 ということ。
憲法25条に保障されている、国が社会福祉や保障や医療についてきちっと責任をもたなければならないはずのに、自民党案では家族による共助や自助を求めるもの、ひとりひとりの人間の尊厳、基本的人権を踏みにじる内容になっています。