昨日、近くに住む友人が、「あらお詩集『安達太良の青い空』を知り合いが欲しがっているので」と訪ねてきた。
自分が読んで、とても良かったので、お知り合いにも奨めてくれたようだ。
彼女の感想
「人間は言葉を持っている。詩集を読んで、まず言葉を使う大事さを改めて感じました。
それは、素晴らしい行為であると同時に、本能的なものでもあるのではないかと思います。
言わずにはいられないことを、言葉にできることで、書き綴る本人も癒される。突き上げてくる、せずにはおれない思いを(彼女はほとばしるという言葉も使った)書き綴る。
人は生きていくなかで、本当に大変な事態に遭遇することもしばしばです。でも、私たちがこれまで経験してきたこと、たとえば、身近な人を突然亡くして辛い、寂しいということも、言ってみれば、まだ幸せの範疇に入ることのように思いました。
震災や原発被害のなかで書かれたこの詩を読んで、改めて、当事者の思いに触れ、たくさんの人に紹介したい本だと思いました。
このような企画をしていただいてありがとうございました」
彼女は、一昨年まで某大学職員として40年以上勤務。
退職を目の前にした冬、実家で独り暮らしを続けておられたお母さんが突然の病で倒れて病院に運ばれてしまった。
意識は戻ったものの認知証を発症し、早期退職して介護をしようか、迷っているうちに、まもなく亡くなってしまわれた。その後、二年が経った今でも、彼女がお母さんを思い出すたびに涙ぐむことも多く、まだ癒えていないのだなぁと、私などは感じたものだった。
満足に母親のために尽くせなかったという心残りがあったのだろう、私が、母と暮らし始めたとき、「大事にしてあげてね」と何度も目を潤ませていた。
その彼女も、当時しきりに、自分の思いを綴っていたようだ。
私も今、母のことを書いているのだと彼女に伝えながら、彼女の感想を噛みしめていた。
書きながら癒されるというのは、亡くなった人への鎮魂でもあろう。
しかし私自身、書きながら、3.11以前と以降では、違うのだということも感じている。
今まで住んできた場所で当たり前に暮らすことが、突然叶わなくなる。それが、他でもない個々の事情を超えた「国策」というものの故なら、これほど理不尽なことはない。
多くの避難者が、今どうして暮らしているのか、お年寄りはどうしているのかと、母の最晩年をともに過ごしたからこそ、一層考えずにはいられない。
遠く離れた私たちにもつねに訴えかけてくるのが、あらお詩集であり、福島からの手紙なのだと思う。
詩集は、鎮魂ではなく、魂起こしの詩なのだ。
自分が読んで、とても良かったので、お知り合いにも奨めてくれたようだ。
彼女の感想
「人間は言葉を持っている。詩集を読んで、まず言葉を使う大事さを改めて感じました。
それは、素晴らしい行為であると同時に、本能的なものでもあるのではないかと思います。
言わずにはいられないことを、言葉にできることで、書き綴る本人も癒される。突き上げてくる、せずにはおれない思いを(彼女はほとばしるという言葉も使った)書き綴る。
人は生きていくなかで、本当に大変な事態に遭遇することもしばしばです。でも、私たちがこれまで経験してきたこと、たとえば、身近な人を突然亡くして辛い、寂しいということも、言ってみれば、まだ幸せの範疇に入ることのように思いました。
震災や原発被害のなかで書かれたこの詩を読んで、改めて、当事者の思いに触れ、たくさんの人に紹介したい本だと思いました。
このような企画をしていただいてありがとうございました」
彼女は、一昨年まで某大学職員として40年以上勤務。
退職を目の前にした冬、実家で独り暮らしを続けておられたお母さんが突然の病で倒れて病院に運ばれてしまった。
意識は戻ったものの認知証を発症し、早期退職して介護をしようか、迷っているうちに、まもなく亡くなってしまわれた。その後、二年が経った今でも、彼女がお母さんを思い出すたびに涙ぐむことも多く、まだ癒えていないのだなぁと、私などは感じたものだった。
満足に母親のために尽くせなかったという心残りがあったのだろう、私が、母と暮らし始めたとき、「大事にしてあげてね」と何度も目を潤ませていた。
その彼女も、当時しきりに、自分の思いを綴っていたようだ。
私も今、母のことを書いているのだと彼女に伝えながら、彼女の感想を噛みしめていた。
書きながら癒されるというのは、亡くなった人への鎮魂でもあろう。
しかし私自身、書きながら、3.11以前と以降では、違うのだということも感じている。
今まで住んできた場所で当たり前に暮らすことが、突然叶わなくなる。それが、他でもない個々の事情を超えた「国策」というものの故なら、これほど理不尽なことはない。
多くの避難者が、今どうして暮らしているのか、お年寄りはどうしているのかと、母の最晩年をともに過ごしたからこそ、一層考えずにはいられない。
遠く離れた私たちにもつねに訴えかけてくるのが、あらお詩集であり、福島からの手紙なのだと思う。
詩集は、鎮魂ではなく、魂起こしの詩なのだ。