goo blog サービス終了のお知らせ 

かつこのテラス

日々の思い、時には物語を綴ります!

沖縄報告~④彫刻家 金城実さんのアトリエにて

2014-06-22 00:17:08 | Weblog
 15日、16日は、沖縄の彫刻家・金城実さんのアトリエ中2階に泊めていただく。

 アトリエには、写真集『鬼―糞から金蠅』で出会った彫刻が列んでいる。
 テーブルを夾んで語り合う人のすぐ後ろ、今にも息がかかりそうな近さに像がある。
 光と影、質感、見る角度によって、像の表情はさまざまだ。
 写真集で一見お馴染みの像のはずなのに、まったく違う表情。
 怒りだけではない、苦悩や哀しみ、おかしさ、やさしさが見え隠れする像。

 写真はあくまで出会いのきっかけではないか、もしくは実物に先に出会ったとき、その感動をもう一度呼び覚ますものではないか。

 以前、円空仏の展覧会で実物を見たとき、写真との違いにひどく驚いた。
 険しい表情だとばかり思っていた像のなんというやさしさ。
 照明をあてて撮影をする。くっきりとした影が、こんなにも円空仏の表情を変えてしまっていたのだと思いながら、一体一体あちこちから眺めては、優しい気持ちになったことがあった。
 そうして、亡父が遺こしてくれた写真集『愛知の円空仏』を開くと、また違った表情の円空仏が甦ってきた。

 金城さんのアトリエでも同じことを感じた。
 写真集だけでは伝わらない実物の重厚感、表情。

 K9MPホームページ・ブログの活動報告で紹介されているように、金城実さんの彫刻は、明日22日から関西巡回展が企画されている。
 彫刻は、ぜひ実物に出会うことをお薦めしたい。

写真は、流木にノミを振るう金城実さん。(猫と蝙蝠をほっているのだそうです)

沖縄報告~③さっそく、しゃべり場

2014-06-16 15:30:35 | Weblog
 5月15日夕刻から柴野徹夫さんの講演(沖縄タイムス・琉球新報にて、前後に告知・報道)。

 その後、交流・討論が行われた。

 地元の9条の会の方からの発言より…

 「若い人たちに憲法のこと、ちゃんと考えてもらおう」と、高校の門前でのアピール・署名行動をしている。
 配布しているのは、片面は今の日本の状況などをイラスト入りで訴え・表面はクイズ形式で。



 また、「石川県憲法を守る会・九条の会石川ネット・石川憲法会議」が地元で全戸配布したという大判のチラシも回覧された。
目にとまって、石川から取り寄せたのだとか。




「これはいいね」
 こんなチラシが全戸配布されたらさっと読み捨てする人もグンと減るだろう。
 工夫をこらしてどんどんアピールしていこうというそんな各地での熱意が伝わってくる。

 人の心が動くとき、きっかけはふいに訪れる。
 これがそのきっかけであって欲しいと願う、そのための創意工夫が大事だなぁ…と改めて思う。

 各家庭への配布、新聞広告など、せっかく大金や労力をつかってヤルのだから、若い人たちやお母さんたち、もちろん経験を積み重ねてきた年配の方々にも、はっと目にとめてもらえるようなものにしたいものです。
 
 特に中高生には、「政治には無関心がお得!」なんていう空気に流されないで! と、近ごろ痛切に思うので…。

沖縄報告~②国道沿いの看板

2014-06-15 20:55:46 | Weblog
 那覇市内を車で移動。
 4名が同乗、さらにそれぞれの荷物を積み込むと、車内はぎゅぎゅう詰めだった。ともかく最初のしゃべり場会場の生協病院へ。

 道中、国道沿いにあやしげな看板を発見した。



(「軍用地買い取ります!こっそり対応致します」の文字)

軍用地を所有している地主が、だれにも知られずに土地を売ることを呼びかける看板。
狙いは反戦地主の分断か。
買い取られた土地は、国に高く転売されるのだろうか…。
そして、そのお金は、軍事予算(思いやり予算)という項目の私たちの税金か…。

沖縄報告~①那覇空港にて

2014-06-12 16:50:48 | Weblog
5月15日から19日に沖縄を訪問しました。
この5日間で見聞きしたことなどを数回にわたって報告します。



5月15日夕、那覇空港到着。
梅雨入り後の沖縄は、小雨模様だった。
この日、名護の稲嶺市長が沖縄・名護の実情を伝えるために訪米する、その出発日で、那覇空港には、激励・歓送の人々が集まったとのこと。
稲嶺市長の出発は昼頃で、私はあいにく間に合わなかったが、それから数時間を空港で待っていてくれた方々と合流した。

写真は、「ニューウェーブ トゥー ホープ 沖縄」のメンバー手作りのタペストリー。

後日開催された報告会によれば、稲嶺市長は、15日~24日まで訪米。その間、精力的にイベント、面談を行った。
・コロンビア大学学生向けのワークショップなどトークイベント4件、
・上院・下院議員との面談12件(本人対応4件、補佐官対応8件)、
・政府機関等への要請4件、
・シンクタンク・有識者との面談・ミーティング等16件、
・メディア取材13件
・ニューヨークとワシントンの県人会との交流
 


 仲井真知事の辺野古埋め立て容認によって、米政府関係者やシンクタンク研究員などが「もう終わったこと」としていることに対して、名護市民は稲嶺氏を再選させることで「辺野古新基地建設に反対の意思を示した」と地元市民の声を伝えてまわった。
地元の声、世界からの抗議の声を無視して進められようとしている辺野古新基地建設。

6月に入っての動きを琉球新報が報じている。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-226513-storytopic-11.html
「米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設計画で、防衛省が7月に実施する予定の海底ボーリング調査に向け、海上保安庁は全国から船舶や人員を沖縄に派遣し、周辺海域の警備に当たる方針という。
 普天間の辺野古移設には県民の7割以上が反対している。この民意を踏みにじるように、強権的に物事を進めるのは民主主義国家としてあるまじき姿だ。武断政治的な発想とやり方は断じて容認できない。…」

歴史にのこる「大飯原発3、4号機運転差止請求事件判決」

2014-05-26 16:40:52 | Weblog
歴史にのこる判決文
胸がすく思いで、全文を読んだ。


大飯原発3、4号機運転差止請求事件判決要旨
主文
1  被告は、別紙原告目録1記載の各原告(大飯原発から250キロメートル圏内に居住する166名)に対する関係で、福井県大飯郡おおい町大島1字吉見1-1において、大飯発電所3号機及び4号機の原子炉を運転してはならない。
2  別紙原告目録2記載の各原告(大飯原発から250キロメートル圏外に居住する23名)の請求をいずれも棄却する。
3  訴訟費用は、第2項の各原告について生じたものを同原告らの負担とし、その余を被告の負担とする。

理由
1 はじめに
 ひとたび深刻な事故が起これば多くの人の生命、身体やその生活基盤に重大な被害を及ぼす事業に関わる組織には、その被害の大きさ、程度に応じた安全性と高度の信頼性が求められて然るべきである。このことは、当然の社会的要請であるとともに、生存を基礎とする人格権が公法、私法を間わず、すべての法分野において、最高の価値を持つとされている以上、本件訴訟においてもよって立つべき解釈上の指針である。

 個人の生命、身体、精神及び生活に関する利益は、各人の人格に本質的なものであって、その総体が人格権であるということができる。人格権は憲法上の権利であり(13条、25条)、また人の生命を基礎とするものであるがゆえに、我が国の法制下においてはこれを超える価値を他に見出すことはできない。したがって、この人格権とりわけ生命を守り生活を維持するという人格権の根幹部分に対する具体的侵害のおそれがあるときは、人格権そのものに基づいて侵害行為の差止めを請求できることになる。人格権は各個人に由来するものであるが、その侵害形態が多数人の人格権を同時に侵害する性質を有するとき、その差止めの要請が強く働くのは理の当然である。

2 福島原発事故について
 福島原発事故においては、15万人もの住民が避難生活を余儀なくされ、この避難の過程で少なくとも入院患者等60名がその命を失っている。家族の離散という状況や劣悪な避難生活の中でこの人数を遥かに超える人が命を縮めたことは想像に難くない。さらに、原子力委員会委員長が福島第一原発から250キロメートル圏内に居住する住民に避難を勧告する可能性を検討したのであって、チェルノブイリ事故の場合の住民の避難区域も同様の規模に及んでいる。

 年間何ミリシーベルト以上の放射線がどの程度の健康被害を及ぼすかについてはさまざまな見解があり、どの見解に立つかによってあるべき避難区域の広さも変わってくることになるが、既に20年以上にわたりこの問題に直面し続けてきたウクライナ共和国、ベラルーシ共和国は、今なお広範囲にわたって避難区域を定めている。両共和国の政府とも住民の早期の帰還を図ろうと考え、住民においても帰還の強い願いを持つことにおいて我が国となんら変わりはないはずである。それにもかかわらず、両共和国が上記の対応をとらざるを得ないという事実は、放射性物質のもたらす健康被害について楽観的な見方をした上で避難区域は最小限のもので足りるとする見解の正当性に重大な疑問を投げかけるものである。上記250キロメートルという数字は緊急時に想定された数字にしかすぎないが、だからといってこの数字が直ちに過大であると判断することはできないというべきである。

3 本件原発に求められるべき安全性
(1)  原子力発電所に求められるべき安全性
 1、2に摘示したところによれば、原子力発電所に求められるべき安全性、信頼性は極めて高度なものでなければならず、万一の場合にも放射性物質の危険から国民を守るべく万全の措置がとられなければならない。

 原子力発電所は、電気の生産という社会的には重要な機能を営むものではあるが、原子力の利用は平和目的に限られているから(原子力基本法2条)、原子力発電所の稼動は法的には電気を生み出すための一手段たる経済活動の自由(憲法22条1項)に属するものであって、憲法上は人格権の中核部分よりも劣位に置かれるべきものである。しかるところ、大きな自然災害や戦争以外で、この根源的な権利が極めて広汎に奪われるという事態を招く可能性があるのは原子力発電所の事故のほかは想定し難い。かような危険を抽象的にでもはらむ経済活動は、その存在自体が憲法上容認できないというのが極論にすぎるとしても、少なくともかような事態を招く具体的危険性が万が一でもあれば、その差止めが認められるのは当然である。このことは、土地所有権に基づく妨害排除請求権や妨害予防請求権においてすら、侵害の事実や侵害の具体的危険性が認められれば、侵害者の過失の有無や請求が認容されることによって受ける侵害者の不利益の大きさという侵害者側の事情を問うことなく請求が認められていることと対比しても明らかである。

 新しい技術が潜在的に有する危険性を許さないとすれば社会の発展はなくなるから、新しい技術の有する危険性の性質やもたらす被害の大きさが明確でない場合には、その技術の実施の差止めの可否を裁判所において判断することは困難を極める。しかし、技術の危険性の性質やそのもたらす被害の大きさが判明している場合には、技術の実施に当たっては危険の性質と被害の大きさに応じた安全性が求められることになるから、この安全性が保持されているかの判断をすればよいだけであり、危険性を一定程度容認しないと社会の発展が妨げられるのではないかといった葛藤が生じることはない。原子力発電技術の危険性の本質及びそのもたらす被害の大きさは、福島原発事故を通じて十分に明らかになったといえる。本件訴訟においては、本件原発において、かような事態を招く具体的危険性が万が一でもあるのかが判断の対象とされるべきであり、福島原発事故の後において、この判断を避けることは裁判所に課された最も重要な責務を放棄するに等しいものと考えられる。

(2)  原子炉規制法に基づく審査との関係
 (1)の理は、上記のように人格権の我が国の法制における地位や条理等によって導かれるものであって、原子炉規制法をはじめとする行政法規の在り方、内容によって左右されるものではない。したがって、改正原子炉規制法に基づく新規制基準が原子力発電所の安全性に関わる問題のうちいくつかを電力会社の自主的判断に委ねていたとしても、その事項についても裁判所の判断が及ぼされるべきであるし、新規制基準の対象となっている事項に関しても新規制基準への適合性や原子力規制委員会による新規制基準への適合性の審査の適否という観点からではなく、(1)の理に基づく裁判所の判断が及ぼされるべきこととなる。

4 原子力発電所の特性
 原子力発電技術は次のような特性を持つ。すなわち、原子力発電においてはそこで発出されるエネルギーは極めて膨大であるため、運転停止後においても電気と水で原子炉の冷却を継続しなければならず、その間に何時間か電源が失われるだけで事故につながり、いったん発生した事故は時の経過に従って拡大して行くという性質を持つ。このことは、他の技術の多くが運転の停止という単純な操作によって、その被害の拡大の要因の多くが除去されるのとは異なる原子力発電に内在する本質的な危険である。

 したがって、施設の損傷に結びつき得る地震が起きた場合、速やかに運転を停止し、運転停止後も電気を利用して水によって核燃料を冷却し続け、万が一に異常が発生したときも放射性物質が発電所敷地外部に漏れ出すことのないようにしなければならず、この止める、冷やす、閉じ込めるという要請はこの3つがそろって初めて原子力発電所の安全性が保たれることとなる。仮に、止めることに失敗するとわずかな地震による損傷や故障でも破滅的な事故を招く可能性がある。福島原発事故では、止めることには成功したが、冷やすことができなかったために放射性物質が外部に放出されることになった。また、我が国においては核燃料は、五重の壁に閉じ込められているという構造によって初めてその安全性が担保されているとされ、その中でも重要な壁が堅固な構造を持つ原子炉格納容器であるとされている。しかるに、本件原発には地震の際の冷やすという機能と閉じ込めるという構造において次のような欠陥がある。

5 冷却機能の維持について
(1) 1260ガルを超える地震について 
原子力発電所は地震による緊急停止後の冷却機能について外部からの交流電流によって水を循環させるという基本的なシステムをとっている。1260ガルを超える地震によってこのシステムは崩壊し、非常用設備ないし予備的手段による補完もほぼ不可能となり、メルトダウンに結びつく。この規模の地震が起きた場合には打つべき有効な手段がほとんどないことは被告において自認しているところである。

 しかるに、我が国の地震学会においてこのような規模の地震の発生を一度も予知できていないことは公知の事実である。地震は地下深くで起こる現象であるから、その発生の機序の分析は仮説や推測に依拠せざるを得ないのであって、仮説の立論や検証も実験という手法がとれない以上過去のデータに頼らざるを得ない。確かに地震は太古の昔から存在し、繰り返し発生している現象ではあるがその発生頻度は必ずしも高いものではない上に、正確な記録は近時のものに限られることからすると、頼るべき過去のデータは極めて限られたものにならざるをえない。したがって、大飯原発には1260ガルを超える地震は来ないとの確実な科学的根拠に基づく想定は本来的に不可能である。むしろ、①我が国において記録された既往最大の震度は岩手宮城内陸地震における4022ガルであり、1260ガルという数値はこれをはるかに下回るものであること、②岩手宮城内陸地震は大飯でも発生する可能性があるとされる内陸地殻内地震であること、③この地震が起きた東北地方と大飯原発の位置する北陸地方ないし隣接する近畿地方とでは地震の発生頻度において有意的な違いは認められず、若狭地方の既知の活断層に限っても陸海を問わず多数存在すること、④この既往最大という概念自体が、有史以来世界最大というものではなく近時の我が国において最大というものにすぎないことからすると、1260ガルを超える地震は大飯原発に到来する危険がある。

(2) 700ガルを超えるが1260ガルに至らない地震について
ア 被告の主張するイベントツリーについて
 被告は、700ガルを超える地震が到来した場合の事象を想定し、それに応じた対応策があると主張し、これらの事象と対策を記載したイベントツリーを策定し、これらに記載された対策を順次とっていけば、1260ガルを超える地震が来ない限り、炉心損傷には至らず、大事故に至ることはないと主張する。

 しかし、これらのイベントツリー記載の対策が真に有効な対策であるためには、第1に地震や津波のもたらす事故原因につながる事象を余すことなくとりあげること、第2にこれらの事象に対して技術的に有効な対策を講じること、第3にこれらの技術的に有効な対策を地震や津波の際に実施できるという3つがそろわなければならない。

イ イベントツリー記載の事象について
 深刻な事故においては発生した事象が新たな事象を招いたり、事象が重なって起きたりするものであるから、第1の事故原因につながる事象のすべてを取り上げること自体が極めて困難であるといえる。

ウ イベントツリー記載の対策の実効性について
 また、事象に対するイベントツリー記載の対策が技術的に有効な措置であるかどうかはさておくとしても、いったんことが起きれば、事態が深刻であればあるほど、それがもたらす混乱と焦燥の中で適切かつ迅速にこれらの措置をとることを原子力発電所の従業員に求めることはできない。特に、次の各事実に照らすとその困難性は一層明らかである。

 第1に地震はその性質上従業員が少なくなる夜間も昼間と同じ確率で起こる。突発的な危機的状況に直ちに対応できる人員がいかほどか、あるいは現場において指揮命令系統の中心となる所長が不在か否かは、実際上は、大きな意味を持つことは明らかである。

 第2に上記イベントツリーにおける対応策をとるためにはいかなる事象が起きているのかを把握できていることが前提になるが、この把握自体が極めて困難である。福島原発事故の原因について国会事故調査委員会は地震の解析にカを注ぎ、地震の到来時刻と津波の到来時刻の分析や従業員への聴取調査等を経て津波の到来前に外部電源の他にも地震によって事故と直結する損傷が生じていた疑いがある旨指摘しているものの、地震がいかなる箇所にどのような損傷をもたらしそれがいかなる事象をもたらしたかの確定には至っていない。一般的には事故が起きれば事故原因の解明、確定を行いその結果を踏まえて技術の安全性を高めていくという側面があるが、原子力発電技術においてはいったん大事故が起これば、その事故現場に立ち入ることができないため事故原因を確定できないままになってしまう可能性が極めて高く、福島原発事故においてもその原因を将来確定できるという保証はない。それと同様又はそれ以上に、原子力発電所における事故の進行中にいかなる箇所にどのような損傷が起きておりそれがいかなる事象をもたらしているのかを把握することは困難である。

 第3に、仮に、いかなる事象が起きているかを把握できたとしても、地震により外部電源が断たれると同時に多数箇所に損傷が生じるなど対処すべき事柄は極めて多いことが想定できるのに対し、全交流電源喪失から炉心損傷開始までの時間は5時間余であり、炉心損傷の開始からメルトダウンの開始に至るまでの時間も2時間もないなど残された時間は限られている。

 第4にとるべきとされる手段のうちいくつかはその性質上、緊急時にやむを得ずとる手段であって普段からの訓練や試運転にはなじまない。運転停止中の原子炉の冷却は外部電源が担い、非常事態に備えて水冷式非常用ディーゼル発電機のほか空冷式非常用発電装置、電源車が備えられているとされるが、たとえば空冷式非常用発電装置だけで実際に原子炉を冷却できるかどうかをテストするというようなことは危険すぎてできようはずがない。

 第5にとるべきとされる防御手段に係るシステム自体が地震によって破損されることも予想できる。大飯原発の何百メートルにも及ぶ非常用取水路が一部でも700ガルを超える地震によって破損されれば、非常用取水路にその機能を依存しているすべての水冷式の非常用ディーゼル発電機が稼動できなくなることが想定できるといえる。また、埋戻土部分において地震によって段差ができ、最終の冷却手段ともいうべき電源車を動かすことが不可能又は著しく困難となることも想定できる。上記に摘示したことを一例として地震によって複数の設備が同時にあるいは相前後して使えなくなったり故障したりすることは機械というものの性質上当然考えられることであって、防御のための設備が複数備えられていることは地震の際の安全性を大きく高めるものではないといえる。

 第6に実際に放射性物質が一部でも漏れればその場所には近寄ることさえできなくなる。

 第7に、大飯原発に通ずる道路は限られており施設外部からの支援も期待できない。

エ 基準地震動の信頼性について 
被告は、大飯原発の周辺の活断層の調査結果に基づき活断層の状況等を勘案した場合の地震学の理論上導かれるガル数の最大数値が700であり、そもそも、700ガルを超える地震が到来することはまず考えられないと主張する。しかし、この理論上の数値計算の正当性、正確性について論じるより、現に、全国で20箇所にも満たない原発のうち4つの原発に5回にわたり想定した地震動を超える地震が平成17年以後10年足らずの問に到来しているという事実を重視すべきは当然である。地震の想定に関しこのような誤りが重ねられてしまった理由については、今後学術的に解決すべきものであって、当裁判所が立ち入って判断する必要のない事柄である。これらの事例はいずれも地震という自然の前における人間の能力の限界を示すものというしかない。本件原発の地震想定が基本的には上記4つの原発におけるのと同様、過去における地震の記録と周辺の活断層の調査分析という手法に基づきなされたにもかかわらず、被告の本件原発の地震想定だけが信頼に値するという根拠は見い出せない。

オ 安全余裕について 
被告は本件5例の地震によって原発の安全上重要な施設に損傷が生じなかったことを前提に、原発の施設には安全余裕ないし安全裕度があり、たとえ基準地震動を超える地震が到来しても直ちに安全上重要な施設の損傷の危険性が生じることはないと主張している。

 弁論の全趣旨によると、一般的に設備の設計に当たって、様々な構造物の材質のばらつき、溶接や保守管理の良否等の不確定要素が絡むから、求められるべき基準をぎりぎり満たすのではなく同基準値の何倍かの余裕を持たせた設計がなされることが認められる。このように設計した場合でも、基準を超えれば設備の安全は確保できない。この基準を超える負荷がかかっても設備が損傷しないことも当然あるが、それは単に上記の不確定要素が比較的安定していたことを意味するにすぎないのであって、安全が確保されていたからではない。したがって、たとえ、過去において、原発施設が基準地震動を超える地震に耐えられたという事実が認められたとしても、同事実は、今後、基準地震動を超える地震が大飯原発に到来しても施設が損傷しないということをなんら根拠づけるものではない。

(3) 700ガルに至らない地震について
ア 施設損壊の危険
 本件原発においては基準地震動である700ガルを下回る地震によって外部電源が断たれ、かつ主給水ポンプが破損し主給水が断たれるおそれがあると認められる。

イ 施設損壊の影響
 外部電源は緊急停止後の冷却機能を保持するための第1の砦であり、外部電源が断たれれば非常用ディーゼル発電機に頼らざるを得なくなるのであり、その名が示すとおりこれが非常事態であることは明らかである。福島原発事故においても外部電源が健全であれば非常用ディーゼル発電機の津波による被害が事故に直結することはなかったと考えられる。主給水は冷却機能維持のための命綱であり、これが断たれた場合にはその名が示すとおり補助的な手段にすぎない補助給水設備に頼らざるを得ない。前記のとおり、原子炉の冷却機能は電気によって水を循環させることによって維持されるのであって、電気と水のいずれかが一定時間断たれれば大事故になるのは必至である。原子炉の緊急停止の際、この冷却機能の主たる役割を担うべき外部電源と主給水の双方がともに700ガルを下回る地震によっても同時に失われるおそれがある。そして、その場合には(2)で摘示したように実際にはとるのが困難であろう限られた手段が効を奏さない限り大事故となる。

ウ 補助給水設備の限界
 このことを、上記の補助給水設備についてみると次の点が指摘できる。緊急停止後において非常用ディーゼル発電機が正常に機能し、補助給水設備による蒸気発生器への給水が行われたとしても、①主蒸気逃がし弁による熱放出、②充てん系によるほう酸の添加、③余熱除去系による冷却のうち、いずれか一つに失敗しただけで、補助給水設備による蒸気発生器への給水ができないのと同様の事態に進展することが認められるのであって、補助給水設備の実効性は補助的手毅にすぎないことに伴う不安定なものといわざるを得ない。また、上記事態の回避措置として、イベントツリーも用意されてはいるが、各手順のいずれか一つに失敗しただけでも、加速度的に深刻な事態に進展し、未経験の手作業による手順が増えていき、不確実性も増していく。事態の把握の困難性や時間的な制約のなかでその実現に困難が伴うことは(2)において摘示したとおりである。

エ 被告の主張について 被告は、主給水ポンプは安全上重要な設備ではないから基準地震動に対する耐震安全性の確認は行われていないと主張するが、主給水ポンプの役割は主給水の供給にあり、主給水によって冷却機能を維持するのが原子炉の本来の姿であって、そのことは被告も認めているところである。安全確保の上で不可欠な役割を第1次的に担う設備はこれを安全上重要な設備であるとして、それにふさわしい耐震性を求めるのが健全な社会通念であると考えられる。このような設備を安全上重要な設備ではないとするのは理解に苦しむ主張であるといわざるを得ない。

(4) 小括
 日本列島は太平洋プレート、オホーツクプレート、ユーラシアプレート及びフィリピンプレートの4つのプレートの境目に位置しており、全世界の地震の1割が狭い我が国の国土で発生する。この地震大国日本において、基準地震動を超える地震が大飯原発に到来しないというのは根拠のない楽観的見通しにしかすぎない上、基準地震動に満たない地震によっても冷却機能喪失による重大な事故が生じ得るというのであれば、そこでの危険は、万が一の危険という領域をはるかに超える現実的で切迫した危険と評価できる。このような施設のあり方は原子力発電所が有する前記の本質的な危険性についてあまりにも楽観的といわざるを得ない。

6 閉じ込めるという構造について(使用済み核燃料の危険性)
(1) 使用済み核燃料の現在の保管状況
 原子力発電所は、いったん内部で事故があったとしても放射性物質が原子力発電所敷地外部に出ることのないようにする必要があることから、その構造は堅固なものでなければならない。

 そのため、本件原発においても核燃料部分は堅固な構造をもつ原子炉格納容器の中に存する。他方、使用済み核燃料は本件原発においては原子炉格納容器の外の建屋内の使用済み核燃料プールと呼ばれる水槽内に置かれており、その本数は1000本を超えるが、使用済み核燃料プールから放射性物質が漏れたときこれが原子力発電所敷地外部に放出されることを防御する原子炉格納容器のような堅固な設備は存在しない。

(2) 使用済み核燃料の危険性
 福島原発事故においては、4号機の使用済み核燃料プールに納められた使用済み核燃料が危機的状況に陥り、この危険性ゆえに前記の避難計画が検討された。原子力委員会委員長が想定した被害想定のうち、最も重大な被害を及ぼすと想定されたのは使用済み核燃料プールからの放射能汚染であり、他の号機の使用済み核燃料プールからの汚染も考えると、強制移転を求めるべき地域が170キロメートル以遠にも生じる可能性や、住民が移転を希望する場合にこれを認めるべき地域が東京都のほぼ全域や横浜市の一部を含む250キロメートル以遠にも発生する可能性があり、これらの範囲は自然に任せておくならば、数十年は続くとされた。

(3) 被告の主張について
 被告は、使用済み核燃料は通常40度以下に保たれた水により冠水状態で貯蔵されているので冠水状態を保てばよいだけであるから堅固な施設で囲い込む必要はないとするが、以下のとおり失当である。

ア 冷却水喪失事故について
 使用済み核燃料においても破損により冷却水が失われれば被告のいう冠水状態が保てなくなるのであり、その場合の危険性は原子炉格納容器の一次冷却水の配管破断の場合と大きな違いはない。福島原発事故において原子炉格納容器のような堅固な施設に囲まれていなかったにもかかわらず4号機の使用済み核燃料プールが建屋内の水素爆発に耐えて破断等による冷却水喪失に至らなかったこと、あるいは瓦礫がなだれ込むなどによって使用済み核燃料が大きな損傷を被ることがなかったことは誠に幸運と言うしかない。使用済み核燃料も原子炉格納容器の中の炉心部分と同様に外部からの不測の事態に対して堅固な施設によって防御を固められてこそ初めて万全の措置をとられているということができる。

イ 電源喪失事故について
 本件使用済み核燃料プールにおいては全交流電源喪失から3日を経ずして冠水状態が維持できなくなる。我が国の存続に関わるほどの被害を及ぼすにもかかわらず、全交流電源喪失から3日を経ずして危機的状態に陥いる。そのようなものが、堅固な設備によって閉じ込められていないままいわばむき出しに近い状態になっているのである。

(4) 小括
 使用済み核燃料は本件原発の稼動によって日々生み出されていくものであるところ、使用済み核燃料を閉じ込めておくための堅固な設備を設けるためには膨大な費用を要するということに加え、国民の安全が何よりも優先されるべきであるとの見識に立つのではなく、深刻な事故はめったに起きないだろうという見通しのもとにかような対応が成り立っているといわざるを得ない。

7 本件原発の現在の安全性
 以上にみたように、国民の生存を基礎とする人格権を放射性物質の危険から守るという観点からみると、本件原発に係る安全技術及び設備は、万全ではないのではないかという疑いが残るというにとどまらず、むしろ、確たる根拠のない楽観的な見通しのもとに初めて成り立ち得る脆弱なものであると認めざるを得ない。

8 原告らのその余の主張について
 原告らは、地震が起きた場合において止めるという機能においても本件原発には欠陥があると主張する等さまざまな要因による危険性を主張している。しかし、これらの危険性の主張は選択的な主張と解されるので、その判断の必要はないし、環境権に基づく請求も選択的なものであるから同請求の可否についても判断する必要はない。

 原告らは、上記各諸点に加え、高レベル核廃棄物の処分先が決まっておらず、同廃棄物の危険性が極めて高い上、その危険性が消えるまでに数万年もの年月を要することからすると、この処分の問題が将来の世代に重いつけを負わせることを差止めの理由としている。幾世代にもわたる後の人々に対する我々世代の責任という道義的にはこれ以上ない重い問題について、現在の国民の法的権利に基づく差止訴訟を担当する裁判所に、この問題を判断する資格が与えられているかについては疑問があるが、7に説示したところによるとこの判断の必要もないこととなる。

9 被告のその余の主張について
 他方、被告は本件原発の稼動が電力供給の安定性、コストの低減につながると主張するが、当裁判所は、極めて多数の人の生存そのものに関わる権利と電気代の高い低いの問題等とを並べて論じるような議論に加わったり、その議論の当否を判断すること自体、法的には許されないことであると考えている。このコストの問題に関連して国富の流出や喪失の議論があるが、たとえ本件原発の運転停止によって多額の貿易赤字が出るとしても、これを国富の流出や喪失というべきではなく、豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これを取り戻すことができなくなることが国富の喪失であると当裁判所は考えている。

 また、被告は、原子力発電所の稼動がCO2排出削減に資するもので環境面で優れている旨主張するが、原子力発電所でひとたび深刻事故が起こった場合の環境汚染はすさまじいものであって、福島原発事故は我が国始まって以来最大の公害、環境汚染であることに照らすと、環境問題を原子力発電所の運転継続の根拠とすることは甚だしい筋違いである。

10 結論
 以上の次第であり、原告らのうち、大飯原発から250キロメートル圏内に居住する者(別紙原告目録1記載の各原告)は、本件原発の運転によって直接的にその人格権が侵害される具体的な危険があると認められるから、これらの原告らの請求を認容すべきである。

福井地方裁判所民事第2部
 裁判長裁判官 樋口英明
    裁判官 石田明彦
    裁判官 三宅由子

京都に米軍基地が 5

2014-05-22 21:07:18 | Weblog
前泊博盛さん(沖縄国際大学教授)は、ユーモアを交えた語り口で、日米地位協定の問題点を解説。


●講演 沖縄から告発する安保・米軍基地・地位協定の実像

前泊 博盛さん(沖縄国際大学教授)

米軍基地という日本の警察や法律で裁けない治外法権区域は、基地内だけにとどまらない。事件・事故の現場はもちろん、米軍機墜落の現場もただちに、軍事機密として立ち入り禁止になる。警察、メディア、消防も入れない。沖縄国際大学への米軍ヘリ墜落事故では、ストロンチウム90という放射性物質が飛び散りこっそり処理されていたことも、発覚した(ウィキリークスによる暴露)。
そうした法の空白区域=米軍基地が、沖縄では18.4%を占めている。基地建設をゆるせば、京都も同じ状況になる言うこと。

そもそも主権とは「他の意思に支配されない国家統治の権力」「最高・独立・絶対の権力」(広辞苑)
果たして今の日本は主権を持ち得ているのか。

原発と基地には共通点がある。膨大な国家予算が地元に投入され、受け入れ地域ではそれなしにはやっていけない、言葉は悪いがいわゆる『シャブ漬け』にされる。防衛予算の置き換えではなく、農道整備は農水省、学校施設の完備は文科省、本来の国家予算でやるべきだ。

京都に米軍基地が! 4

2014-05-08 22:11:43 | Weblog
 井上哲士さん(日本共産党参議院議員)からは緊迫した国会情勢が報告された。

●国会報告             
井上哲士さん(日本共産党 参議院議員)


 安倍内閣は、アメリカとの軍事一体化のもとで、日本を戦争できる国にしようとしている。安保法制懇で集団的自衛権の容認をめざし、憲法のしばりを取り払う。
 それに先行する特定秘密保護法の制定、武器輸出三原則のなし崩し。アメリカはパックスミサイルを三菱重工に依頼した。武器を世界中の新しい顧客に売りさばきたいアメリカ。手っ取り早くライセンスがとりたい日本。今、日本は戦争で儲ける国になろうと変質している。
 アメリカは、海外に常設の殴り込み部隊を必要としている。先行して、レーダー基地を建設する。それは、アメリカが敵を恐れずに攻撃できるためのシステムだ。
 基地ができるということは、攻撃の対象になること。そして日本の主権が及ばない地域が日本にできること。1つ穴ができれば、そこからほころびは広がっていく。

 近畿初の米軍基地、京丹後Xバンドレーダー基地、日本中の基地をなくす運動を、国会内外でともに闘いましょう。

京都に米軍基地が! 3

2014-05-08 11:26:53 | Weblog
●報告 米軍基地建設反対 丹後連絡会  近江裕之さん


 防衛省近畿中部防衛局による「TPY-2レーダー工事に係わる地元説明会」が、4月13日から17日にかけて、京丹後市で急遽開催された。
 これは、昨年9月19日、山田啓二京都府知事による協力表明以来7ヶ月ぶりに開催された住民説明会である。近畿中部防衛局枡賀企画部長からの説明で、資料は項目だけ、説明は口頭で1時間以上。
 それによると、米軍による基礎建設工事は、5月着工、10月レーダー本体搬入、12月運用開始。工事着工時には米軍関係者7名、搬入時以降は米軍人20名、米軍属140名の合計160名が配置されることとなっている。
 住民説明会は夜の7時半にスタートし、9時きっかりに終わった。
 住民の不安をよそに、定刻を理由に打ち切られた説明会。
 例えば、「どうして安全安心と言えるのか」との質問には「米軍にそうお願いしているからです」との返答。環境評価の実施とデータ公表もないまま、着工予定が示された形に会場は騒然となった。

 丹後連絡会では、宇川地域で561筆の有権者の署名をもらった。お上のすることに反対するのは勇気のいること。気持ちは反対ですが署名はできないという人もいる。署名を提出した矢先の住民説明会の開催だった。
 軍人・軍属は、峰山町のホテルに分宿されるという。

 「米軍基地建設反対 丹後連絡会」は、昨年5月に発足して約一年。
宇川・丹後だけではなく、米軍基地は日本中にいらないという闘いを、沖縄に学びながら今後も進めていく。5月には、連日宣伝カーを出す。

京都に米軍基地が! 2

2014-05-07 17:00:31 | Weblog
学習講演会は、闘い続け、国から妨害者として告訴された沖縄の住民からの訴えと続く。

● 基地に苦しんできた沖縄から訴え

沖縄東村江「ヘリパットいらない」住民の会 伊佐 真次さん

東村はどんなところか? 
ヤンバルの森には亜熱帯常緑樹がしげり、国の天然記念物ノグチゲラやウラボシシジミ、ヤマガメ、イシカワガエルなど、希少な自然が残っている。
自然の宝庫、東村に米軍のヘリパット建設が計画され、2007年からテント4箇所で座り込み(反対・監視)を続けてきた。
その側を米軍車両がとおり、ヘリが低空飛行、米軍による泥沼、川渡りなどの「ジャングル訓練」が行われている。以前は空砲による射撃訓練だったが、今はペンキを使った模擬弾が使用されている。ペンキの色が的に塗られれば、弾が命中したということ。つまり実弾なら人が殺されたということだ。
米軍車をつり上げる訓練として、大きなコンクリ―トの塊を使用した訓練も行われている。
電柱のあたまについたオレンジのキャップは何のためか。航空機が県道すれすれに飛行するため、電線に引っかからないよう目印にしているのだ。

「オスプレイなどの発着所、ヘリパットはいらない」国策に反する者は妨害者だとされる。伊佐さんは、自分たちの暮らしを守るために声をあげただけで、妨害禁止命令に背いたかどで国から起訴された。権力を持つ者が一般の人を訴えることを「スラップ訴訟」という。今、伊佐さんはその係争中だ。

京都に米軍基地が!  

2014-05-05 22:38:41 | Weblog
◆米軍基地はいらない4.26京都学習講演会より
 
 京丹後市への米軍「Xバンドレーダー」基地の建設が「5月工事着工、10月搬入、12月運用開始」と急ピッチで進められようとしている。基地建設をめぐって京丹後宇川で、一体どんなことが起きているのか。
 4.26学習講演会では、開会前に「米軍基地にゆれる過疎の土地」(2/5 MBSニュース)が上映された。
 ●アメとムチの地権者対策
「米軍基地にゆれる過疎の土地」(2/5 MBSニュース)より

 米軍レーダーをめぐって、分断させられ揺れ動く京丹後をリポート。地権者に対する土地の高額借り入れというアメ。対して「いつまでも判断されないと村八分になりますよ」という脅しのムチ。こうして、地権者が「うん」と言わざるを得ない状況が作られていく。
 日米政府の「基地建設ありき」の国策。それに逆らうものは、脅し、嫌がらせ、兵糧攻めとあの手この手で攻撃が加えられる。

 15分ほどの短時間ではあったが、基地建設として名指しを受けた地域にどんなことが起きているのかをうかがい知ることのできるリポート。

 上映後あふれるほどの参加者で、急遽、大会場への移動が行われた。
 「京丹後への米軍レーダー基地」受け入れか、きっぱり拒否かは、先の京都府知事選挙での大きな対決点でもあった。
 受け入れ容認の現知事が当選という結果ではあったが、選挙で勝ったことで全て認められたわけではない。府下各地で候補者を先頭に訴え続けられた「米軍基地NO!」の声。
 学習会へ足を運んだ参加者がこれほどまで会場にあふれたのは、知事選以後の大きな変化だと感じる。
 大会場に移った後も、ほぼ満席になった。