おやじ達の青春夏

団塊世代のおやじ達が過ごした楽しかった青春時代の想い出の数々。

#32★★はずかちぃ・・・

2013-12-23 | おやじ達の青春夏・エピソード

みんな最近は車が有るせいでまとまりが無くなって来た。
行動範囲も広がり隣町の富浦、保田や平砂浦、白浜等と別々に行動するようになった。
車の無い俺はスキムボードを抱えて今日も北条海岸に・・・。
昨日まで居た女の子が帰ったので今日からはフリーだ。
見るとチーターも今日はフリーのようだ。
「チーター!行く?」
「ああ、良いよ」と波打ち際でスキムボードをしながらぶらぶらと歩いていると
日光浴をしている2人連れの女の子を・・・。
「チーターあれ行こうか?」
「そうだな~」
「手始めに行って見るか」
砂浜にビーチタオルを引き寝そべっている二人を挟むように左右に分かれ近ずき
「今日は~」と声を掛けたが・・・知らん顔をしている。
チェックのバミューダを履く子が寝ていた体を起こし
タオルに座ったまま両手を後ろで支えボ~っと海を見ている。
再び「今日は!」と声を掛けると此方の顔を見て軽い会釈を・・・。
そこで「東京から来たの?」と聞くと
顔を見てから顔にタオルを掛けて寝ている連れに助けを求める仕草を・・・。
そしてチーターが「ちょっと聞きたいんだけど、館山の花火大会って何時だっけ?」
何を聞くかと思ったら花火大会だって、街中にポスターが張ってあるので知らない訳がないのに・・・。
すると起きている娘が「おねえちゃま、花火大会は何時かって聞いているよ」
寝ていたのはお姉さんらしい、おねえちゃまだって・・・。
「レイちゃん、知らない人とはお話をしてはいけないってお父様が言っていたでしょう」
「うん、だけど」と半べそをかいている。
「叱れますよ」
「はい」
そこへすかさず「そう、レイちゃん叱られますよ、お父様に・・・」
「だけど、今はお父様はいないから大丈夫ですよ」
「ねぇチーターちゃま」すると二人は「クスッ」と笑って
お姉さんが「毎年8月8日で、来週の火曜日ですよ」
「来週の火曜日か込むだろうな」
「見に行くの?」
「はい」
「一緒に行っても良い?」と聞いても返事がない。
「ねぇレイちゃん一緒に行こうよ二人で・・・」
「レイカ、はずかちぃ」
はずかちぃ・・・?チーターと顔を見合わせニヤリ。
するとお姉さんが
「レイちゃん、来年はもう3年生ですよ、言葉使いに気を付けないと笑われますよ」
「は~い」
「この子はあまり男の人との会話が慣れていないので御免なさいね」とお姉さんが・・・。
「花火は両親と一緒なので・・・」
「そう、残念だな~」
「それに夜は外出させて貰えないです」
「そう、厳しいんだね家」
「それじゃ、レイちゃんの為に俺達が力になろう」
「会話が慣れるようにおしゃべりをして」
「どう、レイちゃん」
「おねえちゃま、男の人と楽しいお話をしてもよろしいでちゅか?」と、
チーターがレイちゃんのしゃべる真似をして言った。
「わたし、そんな話し方はしていないです」
「してる、してる似ているよ」
「はずかちぃ」
「それに、何時も、何時も、おねえちゃまに聞かなくても
行動できるようにならないと、ねぇおねえちゃま」
お姉さんは頭を小さく上下に動かしうなずいていた。
レイちゃんがスキムボードに興味を持ったらしく
「その丸い板はなんですか?」
「板~?」
「これね、スキムボードって言ってね、
波打ち際で波が引いた時にこれを投げてその上に乗って滑って遊ぶ物だよ」
「今、アメリカで流行っているんだって」
「スケートボードって知ってる」
「幅が20センチで長さが50センチ位の楕円形の板にね、
小さい車輪が4っ付いていてコンクリートの道路や坂道とかで乗るんだけどね」
「知ってる」
「ううん、わからないけど、楽しそう!」
「そう、それじゃ~明日持って来てあげるから乗って見れば!」
「おねえちゃま、いい」
「ほらほら、また、おねえちゃまだよ」
「はずかちぃ」
暫くスキムボードで遊んでいたが、そろそろ帰ると言うので・・・。
「何処に泊っているの?送っていくよ」と聞くと
「おうち」
「お家?」
「地元?」
「さっきは、家は東京世田谷って言ってたよね」
「う、うん」何か訳ありの返事だが余り余計な事は聞かない事に・・・。
「近くだから大丈夫です」
「送って行くだけだよ」と言う事で家に向かって歩き始めた。
チ-ターとお姉さん、俺とレイちゃん。
前を歩く二人に付いてぶらぶらと・・・。
渚銀座を過ぎ、踏切を渡り、街中へそして交差点の手前までくると
「ここで良いです」
「ここって銀行だよ?」
「また~銀行が家なの?」
「信用されてないな~俺達」
するとお姉さんがバックから鍵を出しで通用口の鍵を開けた。
これにはビックリ。
「有難うございました」
「う、う、うん」言葉が無い。
「じゃ~レイちゃん又、明日、海岸でね」
「はい」
そして帰り際「チーター、あの二人何者だろうね」
「屋上に住まいがあるのかな~」
「守衛の娘じゃない事は確かだな」
「○○銀行館山支店って書いてあったぜ」
「知らなかった“はずかちぃ”」
「すげーお嬢様じゃない」
「支店長の娘?」
「なぁ~“おねぇちゃま”に“はずかちぃ”だもんな~」
この日以来俺とチーターは何かにつけては“はずかちぃ”と言っては笑っていた。

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