おやじ達の青春夏

団塊世代のおやじ達が過ごした楽しかった青春時代の想い出の数々。

#01★★2012年・ロサンゼルスにて

2013-06-09 | おやじ達の青春夏・エピソード


「あなた~今週末の夜、ワインに合う料理でいい・・・・」「あ~いいね!」

10月12日は我々の結婚記念日。
今日のメニューはステーキにガーリックシュリンプ、そしてスモークサーモン、マッシュポテトとサラダだ。

「ねぇ、もう何年になるか覚えている?」
「Aikoが17歳の時からだから・・・・」
「それは知り会った時でしょう」
覚えておこうと思いながら毎年この時期に同じ事を聞いているような気がする。
「結婚してからよ」
「私が23歳であなたが24歳の時だから38年よ」
「早いね、もう38年も経つのか・・・・」
「だってHawaiiから引っ越しして来てもうすぐ2年2カ月になるわよ」
「そうか~」
「おまちどうさま、料理が全部出来たわよ」
「まずはビールね」
「うん、そーだね、俺が出すよ」と言いながらプレゼントの赤いバラが飾られたテーブルに着いた。
「それではまず乾杯!」
「これからもよろしく」
「こちらこそよろしくお願いしま~す」
「付き合い始めてからだと、45年よ、なにせ17歳だったからね」
「45年か長いね、凄いね~、早いな~日が経つのが・・・・」
「最近なんか1週間が4日位で回っているような気がするよ」

我々の世代、何時からか「団塊の世代」と呼ばれているが
青春時代には音楽、テレビ番組、ファッション、スポーツ、ライフスタイル等々全てにアメリカがあった。
特に音楽とファッションの影響が大きかったと思う。
その頃からアメリカと言う国に強い興味を持っていた。
そしてその興味がアメリカでの生活をと夢に描き始めた。
そんな私達に一生に一度のチャンスが訪れたのだ。
米国抽選グリーンカード、DV2001年(募集2000年)
全世界で1000万人が応募し当選者5万人の内の一人に選ばれた。
折角のチャンス、夢を現実にと憧れのアメリカ生活を決意した。
そして、翌年、温暖な気候に青い空とコバルトブルーの海、
旅行等で馴染みのあったHawaii、ホノルルに引っ越しをした。
夢の島生活も9年目を向かえる頃には、
この小さなオアフ島も知りつくして二人ともこの島に物足りなさを感じて来ていた。
それではと足腰のしっかりしている内にと再び旅に出る事にした。
目的地はいよいよ米国本土上陸、二男夫婦のいるカリフォルニア州、ロサンゼルスだ。
ここに夢を移す事にした。
英語も出来ない上に慣れない土地、知人もいない所で生活していると
自然とお互いに助け合い支え合うようになってくる。
夫婦の絆も日本に居た頃に比べ強くなっている気がする。
もしかするとそう思っているのは俺だけだったりして・・・・
そんな我々も、ここLA、レドンドビーチでの生活もそろそろ2年2カ月目を向かえようとしていた。

腹も膨れ、酔いが回り始めワインのボトルが2本目になっていた。
心地よい気持ちのでいるとテレビから流れて来た
懐かしい音楽「オ~~マィラブ マイダ~リン」甘いソフトな歌声。
ライチャス・ブラザースのアンチェインドメロディ(1990年映画ゴーストの主題歌)だ。
亡くなった映画俳優「パトリック・スウェイジ」の特集番組のようだ。
「懐かしいねこの曲、チークダンスには最高だよな。一緒に踊ったよね」

ダンスとは言っても何の事はないお互いの頬と頬を付けて腰に手を回し
ゆっくりと足を動かすだけの簡単な踊りだが、
パーティでは一番盛り上がる所でチークタイム、照明を落とし雰囲気盛り上げ、皆が一番楽しみにしている。踊りながらパーティが終わった後のデートや次回の約束をするチャンスなのだ。

「曲は知っているけどその頃にこの曲で踊った事は無いと思うけど」
「他の人とじゃないの?あなた彼女、一杯いたから・・・・」とまた始まった。
「昔の事だしいろいろ思い出があったから忘れちゃっているんだよ、きっと・・・・」
最近、お酒が回り始めると何時もこのパタ~ンになる。
当時の思い出話にチクリ、チクリと嫌味を挟む。
本人は責めている訳では無く単なる昔の思い出話の一つとして話をしているらしいが、
色々と非のある此方としては・・・・・胸が痛い。
話を反らし、「じゃ~そろそろ音楽でも聞こうか?」
テレビの音を消して懐かしい音楽を聴きながら再び思い出話に盛り上がる。


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