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Go@tee's Spongelife in 葉山

国際会議その⑤: GLOBE

2008-07-01 01:35:46 | Conservation

ほんま、ここんとこ国際会議づいてて、さすがに疲れてきましたわ。
昨日は、日曜やというのに、都内で、GLOBE(国際地球環境議連)という、地球環境問題に関心ある世界の国会議員の連盟による会議があり、招待されたので行ってきました。ほんまは、休みの日に仕事はしたくないんやけど、まあしゃあないわねえ。

で、今回のGLOBEの会議も、もちろん来週のG8洞爺湖サミットに向けた政策提言をしようという目的で開かれたもの。GLOBEは、世界事務局があって、いろいろシンクタンクに調査を出したりしてるので、なかなかしっかりした内容が上がってきてました。

気候変動については、各国による排出権取引制度の早期整備や航空運賃への炭素課税なんかが、提案されたみたいやけど、これは1日目に議論されて、僕はディフェクトエアコンにお付き合いしてたんで、行けませんでした。

2日目の昨日の午後は、森林伐採問題が取り上げられました。

森林伐採は、特に80年代から大きなイシューとなってきた経緯があって(Stingとかが熱帯雨林保護のチャリティーライブとかやってたね、その昔)、GLOBEでも随分前から取り組んで来てたんやけど、今回の会議では、やはり気候変動との関連が非常にフィーチャーされてたのが印象的でした。ノーベル平和賞のワンガリ・マータイさんや、環境大臣から外務大臣になったイギリスのデビット・ミリバンド外相からのビデオメッセージもあって、彼らも気候変動と森林、森林と貧困などのインターリンケージに焦点を当ててたわ、やっぱり。

そして、何よりもUNEPから発表された「土地利用および生態系に関する国際委員会(International Commission on Land Use & Ecosystems」は、我が意を得たり!という感じやったね。
というのは、最近は、原油高騰によってバイオ燃料も高騰し、バイオ燃料原料への耕作地転換(大豆とかサトウキビとかコーンとか)が進んでて、それで押し出された小規模農家が、熱帯林に侵食して、森林破壊がより一層進む、みたいな現象が起こりつつあるんやけど、今後、地球人口が増えていくことを考えたら、生産性の高い土地(基本的に今森があるところが、土壌が維持され、栄養素循環があり、地下水もあるから、生産性がやっぱり高くなる。局地的な天気も安定化するし、病害虫コントロールなんかの生態系サービスも高いからね)へのいろんな「土地利用」需要はますます高まると思うねんな。これは、単にその土地での一つの作物の分配をどうするか、ということやなくって、その土地をどのように利用できる可能性があるか、さまざまなオプションの中からいかに最適な選択をするか(機会費用)ということになってくるねんな(だから、企業による自己満足的な植林は意味ないと主張するわけやね)。「生態系保全」も立派な土地利用やから、他の土地利用との兼ね合いも考えながら、土地利用の「最適配分」をこれからは考えていかなあかんと思うねん。で、それは食料や経済的収益の視点からだけでなくって、もちろん生物多様性や生態系サービス、水資源、そして気候変動対策(CO2の吸収源としてだけでなくって、気候変動事態の緩和や、変動への地元コミュニティの適応支援にもなる)なんかの観点も含めて、連立方程式を解かなあかんわけやね。

そういう、リンケージを考えて、総合的に気候変動や森林問題に取り組むという考え方が、欧州を中心にますます強くなって来てるのをひしひしと感じるねんけど、日本はというと会いも変わらず縦割りやからなあ。。。これは何も役所だけやなくって、NGOもそうで、森林伐採のセッションに気候変動系のNGOはいなかったからなあ。

どうやったら、幅広い視点から、これらの問題に取り組む頭の柔軟さが出てくるんやろか。
2010年の生物多様性COP10に向けては、逆に生物多様性NGOの間でも、この辺の柔軟性の欠如が見られるし(これは、結局、役所が縦割りで、イシューごとを結びつけて考える力がなく、NGOもそれに倣ってしまってるのかなあ?)

まったく、頭抱え込んでしまいますわぁ。