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秋の雑歌(くさぐさのうた)

2024-12-16 11:00:54 | 日記


万葉集巻十、秋の雜歌「七夕」は、柿本朝臣人麿ノ歌集ニ出ヅもの三十八首あり。

七夕(なぬかのよ)
1996 天の川水底さへに*ひかる舟泊てし舟人妹と見えきや
1997 久かたの天の川原(がはら)にぬえ鳥のうら歎(な)げましつ乏(とも)しきまでに
1998 吾(あ)が恋を嬬(つま)は知れるを行く舟の過ぎて来(く)べしや言も告げなく*
1999 赤らびく敷妙(しきたへ)の子を*しば見れば人妻ゆゑに吾(あれ)恋ひぬべし
2000 天の川安の渡りに船浮けて吾(あ)が立ち待つと*妹に告げこそ
2001 大空(おほそら)よ通ふ吾(あれ)すら汝(な)がゆゑに天の川道(がはぢ)をなづみてぞ来し
2002 八千戈(やちほこ)の神の御代より乏し妻人知りにけり継ぎてし思(も)へば
2003 吾(あ)が恋ふる丹穂(にのほ)の面(おもわ)今宵もか天の川原に石枕(いそまくら)まかむ
2004 己が夫(つま)ともしむ子らは泊てむ津の荒磯(ありそ)巻きて寝(ぬ)君待ちかてに
2005 天地(あめつち)と別れし時よ己が妻しかぞ手にある秋待つ吾(あれ)は
2006 彦星は嘆かす妻に言だにも告げにぞ来つる見れば苦しみ
2007 久かたの天(あま)つしるしと水無川(みなしがは)隔てて置きし神代し恨めし
2008 ぬば玉の夜霧隠(こも)りて遠くとも妹が伝言(つてごと)*早く告げこそ
2009 汝が恋ふる妹の命(みこと)は飽くまでに*袖振る見えつ雲隠るまで
2010 夕星(ゆふづつ)の*通ふ天道(あまぢ)をいつまでか仰ぎて待たむ月人壮士(つきひとをとこ)
2011 天の川い向ひ立ちて恋ひむよは*言だに告げむ妻寄すまでは*
2012 白玉の五百(いほ)つ集ひを解きも見ず吾(あ)は在りかたぬ*逢はむ日待つに
2013 天の川水陰草(みこもりくさ)の秋風に靡かふ見れば時来たるらし
2014 吾(あ)が待ちし秋萩咲きぬ今だにもにほひに行かな彼方人(をちかたひと)に
2015 我が背子にうら恋ひ居れば天の川夜船榜ぎ響む楫の音(と)聞こゆ
2016 ま日(け)長く恋ふる心よ秋風に妹が音聞こゆ紐解きまけな*
2017 恋ひしくは日長きものを今だにも乏しむべしや逢ふべき夜だに
2018 天の川去年の渡りで移ろへば川瀬を踏むに夜ぞ更けにける
2019 古よあげてし服(はた)を顧みず天の川津(かはづ)に年ぞ経にける
2020 天の川夜船を榜ぎて明けぬとも逢はむと思(も)ふ夜袖交(か)へずあらめや
2021 遠妻と手枕交はし寝たる夜は鶏が音(ね)な鳴き明けば明くとも
2022 相見まく飽き足らねどもいなのめの明けゆきにけり舟出せむ妹
2023 さ寝そめていくだもあらねば白妙の帯乞ふべしや恋も尽きねば
2024 万代にたづさはり居て相見とも思ひ過ぐべき恋ならなくに
2025 万代に照るべき月も雲隠り苦しきものぞ逢はむと思へど
2026 白雲の五百重(いほへ)隠(かく)りて遠けども宵さらず見む妹があたりは
2027 吾(あ)が為と織女(たなばたつめ)のその屋戸に織れる白布(しろたへ)縫ひてけむかも
2028 君に逢はず久しき時よ織る服(はた)の白妙衣垢付くまでに
2029 天の川楫の音(と)聞こゆ彦星(ひこほし)と織女(たなばたつめ)と今宵逢ふらしも
2030 秋されば川霧立てる天の川川に向き居て恋ふる夜ぞ多き
2031 よしゑやし直(ただ)ならずともぬえ鳥のうら嘆(な)げ居ると告げむ子もがも
2032 一年(ひととせ)に七日の夜のみ逢ふ人の恋も尽きねばさ夜ぞ明けにける*
2033 天の川安の川原に定まりて神の競(つど)ひは禁(い)む時無きを* 此歌一首、庚辰ノ年ニ作メル。
*右ノ三十八首ハ、柿本朝臣人麿ノ歌集ニ出ヅ。

○七夕は、山上憶良-柿本人麻呂ラインが本筋だな^^
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