「井月日記」明治十七年三月十五日

 

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十五日　晴天。今朝出立。午刻押出△

春雨にしつぽりをしの衾かな

祝

高砂や松葉かくなる友白髪

春雨に草鞋の強きしめりかな　朝四園暮三

酒さめぬうちの遊びや小鮎汲　惣代

道すがら調子合せて花もどり　柳の家

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春雨に草鞋の強きしめりかな　朝四園暮三

酒さめぬうちの遊びや小鮎汲　惣代

道すがら調子合せて花もどり　柳の家

…この三句のうち「朝四園暮三」「惣代」の句詠みのある二句は、井月の自句であろう。

伊那のどこかで祭りがあったようだが、○五声居士　○山圃先生　○亀石先生　…と人名と○記号がつづくのは、自分の集句控えでこれを「小鮎汲」の＜遊び＝祭り＞とした。自分こそ「惣代」。