先日、とある読書好きのブロガーさんのブログで、山田風太郎の
『十三角関係』(光文社文庫版)についての記述を読みました。
山田風太郎と言えば、映画にもなった『魔界転生』とか、一連の忍法帖ものが
有名なのですが、タロウ助教授は未だにこれらは読んだ事が有りません(失笑)。
・・・まぁ、映画は見てるんですけどね。(ジュリーとか出てましたね)
光文社文庫では、10年くらい前に山田風太郎の『ミステリー傑作選』という
全10冊のシリーズを刊行していまして、今回取り上げたのはそのうちの一冊。
この『十三角関係』は、山田風太郎の創造した唯一のシリーズ探偵である
荊木歓喜(いばらぎかんき)を主人公としたエピソードばかりを収録したもの。
(いわゆる短編集、と言って良いと思います)
この小説は、昭和20年代中期~後期に書かれていて、その時代柄、
いわゆる差別用語が文中に使用されている(と言う出版社の判断)により、
収録されていた作品が、一時期、削除されていたとの事なのです。
顛末としては、発売当初の初版本には問題の短編『帰去来殺人事件』が
収録されていたものの、その後の第2版、第3版では削除との事。
その後、この傑作選の企画者であるミステリ研究家の日下三蔵氏による
出版社への働きかけで、第4版以降は削除されていた短編が再収録となった
様であります。
でもって、このお話しを前述のブロガーさんのブログで読んでから、
タロウ助教授、自宅の本棚を漁ってみました。
で、自分の手元にある『十三角関係』を調べてみたら、
おお、ラッキーな事に初版本なのでした。
タロウ助教授は『ミステリー傑作選』の第1巻(左)と第2巻(右)を
持っております。でも肝心の第2巻は未読なのでした・・・。
でも、山田風太郎って、助教授の周りでは読んでいる人を全く知りません(失笑)。
なので作品について、良いとか悪いとか、好きとか嫌いとかのお話しもしたことが有りません。
ある意味、とても有名なのに、まったく謎の作家ってカンジなのでありますよ。
・・・嗚呼。