続いて。
チェスター・トンプソン繋がりなら、当然この人だ。
ボーカリストとして超大物なのだが、プログレマニアには
バカテクドラマーとして評価が高い。(逆に、歌うな!!という
プログレマニアが多そうだ・・・)
ここではドラマーのフィル・コリンズさんとしてお話を。
ご本人も、ドラムを叩くのはイヤではなかったみたいだし。
ジェネシスでは、チェスター・トンプソンのサポートを
受けつつも、しっかりとテクニカルなドラミングをツアーで
披露し続けていた。
また、懐かしの85年のライヴエイドでは自身の発案で強引に
再結成ツェッペリンのステージを披露。そのドラムを担当し
ドラマーとしてのフィル・コリンズマニアの期待を集めるも、
すごーくラフなドラミングを披露し、逆に失笑されてました・・・
(でもご本人は、ツェッペリンとジョン・ボーナムのイメージに
合わせたから、との弁でした。そう、ある意味、正論です。)
その後86年には、エリック・クラプトンのツアーにドラマー&
プロデューサーとして参加。ベースのネーザン・イーストとは
どっしりとしたなかなか良いリズム隊を組んでいた。
(このときの映像作品もあったのだが、現在廃盤か?)
当然、コーラスのサポートも豪華で良かった。
なによりこの人、基本的に頼まれた仕事は、断らない
ようにしていたらしい。それで、何でもアリなのだ!!
2008年に、フィル・コリンズが表舞台から身を引くと
発表し、実質引退同然だったのは知っていた。
いろいろ体調も悪かった様だし・・・。
しかし先月、ネットでフィル・コリンズの脊髄の手術の
事を知った。手術自体は終わっているが、手が自由に
動かせないらしく、数年程度のリハビリが必要らしい。
当面、ドラムを叩くのは難しそう・・・
(歌うのはOKとのこと)
そんなフィル・コリンズの全盛期バリバリのドラムを
堪能するなら、お約束のブランドXしかありませんなぁ。
しかも、コレ。
『ライヴストック』
1977年発表のライヴ盤。プログレファン及びドラムマニア必聴の
影の名盤として、名高い。
実は、少しだけスタジオライヴ録音をしてるらしい。
ま、そんなことは些細な事だ。ちっとも気にしないぜ!!
そもそもブランドXは、フィル・コリンズ主導のバンドではない。
ギターのジョン・グッドソールと、フレットレスベースの
パーシー・ジョーンズ(先生!!)の双頭バンドである。
(といいつつ、音楽的にはキーボードが仕切ってたらしい)
実は、フィルはオーディションを受けての参加。
既にジェネシスのドラマーだったフィルですら、
なんとテスト入団生なのでした。
当初ジョン・グッドソールとパーシー先生としては
ドラムはビル・ブラッフォードが良かったらしい。
しかしキング・クリムゾンの契約の関係で、ビルの参加が
無理となったので、フィル・コリンズがドラムに抜擢
となったようだ。
(ビルといえば、チェスター・トンプソンの前にサポートで
ジェネシスのドラムを担当していたが、ここでのセッションで
フィル・コリンズと仲良くなったのが縁らしい・・・)
しかしここでのフィルのドラムは、そんないきさつなんか
どーでもいいような、素晴らしい叩きまくりドラミング。
ジェネシスでの曲は基本ゆったり目なので、そのストレス
を解消するためのドコドコプレイ、とも言われてました。
だいたい英国出身のバカテクドラマーって、超大御所の
元祖バカテクドラムのジョン・ハイズマン以来、とにかく
上半身フル回転の方が多いように思う。
(両腕で忙しなくパタパタと叩きまくる、というスタイル。
とにかくこれでもか!!と音をぶち込んでくるんだよね。
まるで、ジョージ・リンチのギターみたいだ・・・)
ビル・ブラッフォード然り、カール・パーマー然り、
イアン・ペイス然り。どなたもパタパタが大好き。
しかも皆さん、基本的にはワンバスだったりする。
キック苦手なのか!? 英国紳士の単なる伝統なのか・・・
余談ながらこの伝統、アイアン・メイデンのドラマーの
ニコ・マクブレインもしっかりと受け継いでるし。
この人のドラムも堅実で重厚。上手い。でも両手でパタパタ。
しかも手癖だらけで叩きまくり。そんなとこ、大好き。
(でも、キックペダルはツインでした。まぁ、メタルですから)
話を戻せば、フィルとパーシー・ジョーンズ先生のリズム隊は
英国プログレ界有数のコンビとなった。
しかもマニア受けするヒジョーに通好みの。
ジェネシスのイメージは何処へやら、のフィルの叩きまくり
ドラムと、とにかく掴み所の無い怪しさ、けれどもバカテクな
パーシー先生のベースは、別次元の不気味さが満載。
ここに、ジョン・グッドソールのインチキ臭いピロピロした
速弾きギターが乗っかって、ますます異色の音楽となっている。
(ギターがアラン・ホールズワースなら、音楽の質が更にグーンと
上がってたんだけどねぇ。まぁ、文句は言うまい・・・)
まさに、ブランドXの怪しい音楽性を体現している。
これが当時はリターン・トゥ・フォーエバーと比較されていた
のだから、フィルとしては得意満面だっただろう。
(しかしこちらは、フュージョンに非ず。あくまで英国流の
ジャズ・ロックだ。)
尚、後にフィルとパーシー先生は音楽性の相違で、コンビ解消と
なってしまう。でも二人ともバンドを辞めず、同じバンド内で
別々の相方と組んで活動を続けるという、全く訳のわかんねぇ
展開となる。(あっ、でも再再再結成クリムゾンも一緒だ!!)
けれどパーシー先生、趣味をフィルに合わせてたら、もしかして
ジェネシスに参加とかになって、もっとメジャーになってたかも。
でも、頑固に自分の音楽を追求するところもまた、パーシー先生
らしいのだが。
しかもジェネシスの音楽性に、パーシー先生のベースって、全く
合わないっちゅーの!!
それはさておき。
個人的には、ビル・ブラッフォードのドラムでのブランドXも
正直聴いてみたかった。(ジョン・グッドソールプロジェクト
として、若干ながら音源が残っている)
しかしおそらくアルバム1、2枚位で空中分解してたであろう
可能性も、否定しない。
反対に、既にメジャーな存在だったフィルが参加したおかげで
バンド自体が注目され、比較的安定した活動が続けられたであろう
事も、事実だろう。
今ではフィル不在であり、残ったメンバー間でも紆余曲折あったが、
一応バンドそのものは残っているし。
このアルバム最大の見せ場は、6曲目の『Malaga Virgen』。
オリジナルアルバム2nd『Moroccan Roll』に収録されている
人気曲。1997年に突然発売された『Missing Period』という
デビュー前の未発表音源集には『Miserable Virgin』という
タイトルでも収録されている。こちらのテイクも割と良い。
この曲一発で、ブランドXの音楽を表していると言えなくも無い。
でも私は、既にミュージシャンとして評価の高いフィルよりも
ベースのパーシー先生の素晴らしさをもっと世の中に知ってほしい
のだけれど、やっぱりあのマニアックなプレイスタイルは、
ウケないよなぁ。
プログレ界では、プチ大物なんだけどなぁ・・・残念。
それでは。
ドラムマニアに贈る、フィルとドラムセットの写真あれこれ。
この人、シンプルなセッティングが好みのようで。
2007年の再結成ジェネシスのツアーショット。
以前はたくさん有ったエレドラのパッドが、無くなりました。
ジェネシス時代の、リハでのショットと思われる。
(手前に譜面台有り。曲順かな?)
最後に。
この人、実は左利きなのでした。
よってドラムキットは、フロア・タムとハイハットが
逆にセッティングされております。
(ドラム小僧、気付いてたかな!?)
私は熱心なフィル・コリンズのファンではないのだけど、
彼のボーカルは決して嫌いではない。
ジェネシスの『In Too Deep』の切なさとか、好きだ。
(あの曲のどこがプログレなんじゃ?!というマニアの方、
ここはひとつ、堪えておくれ・・・)
颯爽としたとしたドラミングがしばらくの間、見られない
のは残念だか、せめてまた歌う姿を、早いうちにファンに
見せて欲しいものだ。
・・・で、次回は有名なあの方のネタへ続く。
・・・それって誰だ!?
トンチキなカッコしてたボーカルさんか!?
チェスター・トンプソン繋がりなら、当然この人だ。
ボーカリストとして超大物なのだが、プログレマニアには
バカテクドラマーとして評価が高い。(逆に、歌うな!!という
プログレマニアが多そうだ・・・)
ここではドラマーのフィル・コリンズさんとしてお話を。
ご本人も、ドラムを叩くのはイヤではなかったみたいだし。
ジェネシスでは、チェスター・トンプソンのサポートを
受けつつも、しっかりとテクニカルなドラミングをツアーで
披露し続けていた。
また、懐かしの85年のライヴエイドでは自身の発案で強引に
再結成ツェッペリンのステージを披露。そのドラムを担当し
ドラマーとしてのフィル・コリンズマニアの期待を集めるも、
すごーくラフなドラミングを披露し、逆に失笑されてました・・・
(でもご本人は、ツェッペリンとジョン・ボーナムのイメージに
合わせたから、との弁でした。そう、ある意味、正論です。)
その後86年には、エリック・クラプトンのツアーにドラマー&
プロデューサーとして参加。ベースのネーザン・イーストとは
どっしりとしたなかなか良いリズム隊を組んでいた。
(このときの映像作品もあったのだが、現在廃盤か?)
当然、コーラスのサポートも豪華で良かった。
なによりこの人、基本的に頼まれた仕事は、断らない
ようにしていたらしい。それで、何でもアリなのだ!!
2008年に、フィル・コリンズが表舞台から身を引くと
発表し、実質引退同然だったのは知っていた。
いろいろ体調も悪かった様だし・・・。
しかし先月、ネットでフィル・コリンズの脊髄の手術の
事を知った。手術自体は終わっているが、手が自由に
動かせないらしく、数年程度のリハビリが必要らしい。
当面、ドラムを叩くのは難しそう・・・
(歌うのはOKとのこと)
そんなフィル・コリンズの全盛期バリバリのドラムを
堪能するなら、お約束のブランドXしかありませんなぁ。
しかも、コレ。
『ライヴストック』
1977年発表のライヴ盤。プログレファン及びドラムマニア必聴の
影の名盤として、名高い。
実は、少しだけスタジオライヴ録音をしてるらしい。
ま、そんなことは些細な事だ。ちっとも気にしないぜ!!
そもそもブランドXは、フィル・コリンズ主導のバンドではない。
ギターのジョン・グッドソールと、フレットレスベースの
パーシー・ジョーンズ(先生!!)の双頭バンドである。
(といいつつ、音楽的にはキーボードが仕切ってたらしい)
実は、フィルはオーディションを受けての参加。
既にジェネシスのドラマーだったフィルですら、
なんとテスト入団生なのでした。
当初ジョン・グッドソールとパーシー先生としては
ドラムはビル・ブラッフォードが良かったらしい。
しかしキング・クリムゾンの契約の関係で、ビルの参加が
無理となったので、フィル・コリンズがドラムに抜擢
となったようだ。
(ビルといえば、チェスター・トンプソンの前にサポートで
ジェネシスのドラムを担当していたが、ここでのセッションで
フィル・コリンズと仲良くなったのが縁らしい・・・)
しかしここでのフィルのドラムは、そんないきさつなんか
どーでもいいような、素晴らしい叩きまくりドラミング。
ジェネシスでの曲は基本ゆったり目なので、そのストレス
を解消するためのドコドコプレイ、とも言われてました。
だいたい英国出身のバカテクドラマーって、超大御所の
元祖バカテクドラムのジョン・ハイズマン以来、とにかく
上半身フル回転の方が多いように思う。
(両腕で忙しなくパタパタと叩きまくる、というスタイル。
とにかくこれでもか!!と音をぶち込んでくるんだよね。
まるで、ジョージ・リンチのギターみたいだ・・・)
ビル・ブラッフォード然り、カール・パーマー然り、
イアン・ペイス然り。どなたもパタパタが大好き。
しかも皆さん、基本的にはワンバスだったりする。
キック苦手なのか!? 英国紳士の単なる伝統なのか・・・
余談ながらこの伝統、アイアン・メイデンのドラマーの
ニコ・マクブレインもしっかりと受け継いでるし。
この人のドラムも堅実で重厚。上手い。でも両手でパタパタ。
しかも手癖だらけで叩きまくり。そんなとこ、大好き。
(でも、キックペダルはツインでした。まぁ、メタルですから)
話を戻せば、フィルとパーシー・ジョーンズ先生のリズム隊は
英国プログレ界有数のコンビとなった。
しかもマニア受けするヒジョーに通好みの。
ジェネシスのイメージは何処へやら、のフィルの叩きまくり
ドラムと、とにかく掴み所の無い怪しさ、けれどもバカテクな
パーシー先生のベースは、別次元の不気味さが満載。
ここに、ジョン・グッドソールのインチキ臭いピロピロした
速弾きギターが乗っかって、ますます異色の音楽となっている。
(ギターがアラン・ホールズワースなら、音楽の質が更にグーンと
上がってたんだけどねぇ。まぁ、文句は言うまい・・・)
まさに、ブランドXの怪しい音楽性を体現している。
これが当時はリターン・トゥ・フォーエバーと比較されていた
のだから、フィルとしては得意満面だっただろう。
(しかしこちらは、フュージョンに非ず。あくまで英国流の
ジャズ・ロックだ。)
尚、後にフィルとパーシー先生は音楽性の相違で、コンビ解消と
なってしまう。でも二人ともバンドを辞めず、同じバンド内で
別々の相方と組んで活動を続けるという、全く訳のわかんねぇ
展開となる。(あっ、でも再再再結成クリムゾンも一緒だ!!)
けれどパーシー先生、趣味をフィルに合わせてたら、もしかして
ジェネシスに参加とかになって、もっとメジャーになってたかも。
でも、頑固に自分の音楽を追求するところもまた、パーシー先生
らしいのだが。
しかもジェネシスの音楽性に、パーシー先生のベースって、全く
合わないっちゅーの!!
それはさておき。
個人的には、ビル・ブラッフォードのドラムでのブランドXも
正直聴いてみたかった。(ジョン・グッドソールプロジェクト
として、若干ながら音源が残っている)
しかしおそらくアルバム1、2枚位で空中分解してたであろう
可能性も、否定しない。
反対に、既にメジャーな存在だったフィルが参加したおかげで
バンド自体が注目され、比較的安定した活動が続けられたであろう
事も、事実だろう。
今ではフィル不在であり、残ったメンバー間でも紆余曲折あったが、
一応バンドそのものは残っているし。
このアルバム最大の見せ場は、6曲目の『Malaga Virgen』。
オリジナルアルバム2nd『Moroccan Roll』に収録されている
人気曲。1997年に突然発売された『Missing Period』という
デビュー前の未発表音源集には『Miserable Virgin』という
タイトルでも収録されている。こちらのテイクも割と良い。
この曲一発で、ブランドXの音楽を表していると言えなくも無い。
でも私は、既にミュージシャンとして評価の高いフィルよりも
ベースのパーシー先生の素晴らしさをもっと世の中に知ってほしい
のだけれど、やっぱりあのマニアックなプレイスタイルは、
ウケないよなぁ。
プログレ界では、プチ大物なんだけどなぁ・・・残念。
それでは。
ドラムマニアに贈る、フィルとドラムセットの写真あれこれ。
この人、シンプルなセッティングが好みのようで。
2007年の再結成ジェネシスのツアーショット。
以前はたくさん有ったエレドラのパッドが、無くなりました。
ジェネシス時代の、リハでのショットと思われる。
(手前に譜面台有り。曲順かな?)
最後に。
この人、実は左利きなのでした。
よってドラムキットは、フロア・タムとハイハットが
逆にセッティングされております。
(ドラム小僧、気付いてたかな!?)
私は熱心なフィル・コリンズのファンではないのだけど、
彼のボーカルは決して嫌いではない。
ジェネシスの『In Too Deep』の切なさとか、好きだ。
(あの曲のどこがプログレなんじゃ?!というマニアの方、
ここはひとつ、堪えておくれ・・・)
颯爽としたとしたドラミングがしばらくの間、見られない
のは残念だか、せめてまた歌う姿を、早いうちにファンに
見せて欲しいものだ。
・・・で、次回は有名なあの方のネタへ続く。
・・・それって誰だ!?
トンチキなカッコしてたボーカルさんか!?