日本人のための「憲法改正」入門

日本人が日本のために、そして世界の平和と繁栄に貢献できる国家となるために、必要となる憲法改正について考えましょう。

新しき日本のビジョンと憲法

2013-05-05 | 日記
今、日本ではこれまで予想していた通り、憲法の改正論議が盛んになってきました。そこで、今後の日本の憲法の在り方を考えるとき、あるべき日本の国家ビジョンをもう一度再構築して、そこから逆照射して、憲法の改正をしていくことを提唱しました。

もちろんこれは、日本の歴史や伝統をないがしろにして国家を一からやり直すといったことではなく、これまでの日本の歴史や伝統、文化を最高度に生かしていくことを内包しています。

今後の世界の中で、日本はどのような国家ビジョンを持つのかという国民的な合意が、必然的に憲法の在り方を決めることになります。

このビジョンは様々でありえます。

日本はもう経済的には十分に発展した。これ以上無理に成長や発展を望まなくてもいい、と考える人もいるでしょう。

また、世界で一流の国家なんて無理に目指さなくても、今のままで十分だ、という人もいます。

逆に、日本はもっと世界の平和や繁栄に積極的に貢献すべきだし、もっと豊かになるべきだと考える人もいます。

そして、欧米の価値観を乗り越え、世界の矛盾を解決し、世界中の人を幸せに導きたいと願っている人もいます。

私は、「日本は今後世界のリーダーとなって、経済的にも欧米とは異なる繁栄の在り方をみせ、世界の平和と繁栄に貢献し、世界中の人々を幸せに導いていくことを使命と考えて行動すべきだ」と考えています。

私の考える憲法の在り方は、このような国家ビジョンを根本に持っているのです。

ですから、過度の経済繁栄はいらないとか、日本は一流でなくてもいいとか、世界の問題にあれこれと口を出して危険な思いをするのは嫌だとか、そのような考えを持つ人とはそもそも基本となるビジョンが異なっているということは言えると思います。

これから書いていくことは、それを前提に考えていただきたいと思います。

日本の長い歴史を考えると、ようやく世界のリーダーたる位置に近いところまで来ることができて、これまで歴史を作ってきた先人の営みに、感謝の気持ちを禁じえません。

近いところの歴史を見ても、明治維新を起こすために多くの犠牲がありました。また欧米列強に負けないように国を守り、発展させてきた多くの歴史上の人物や勤勉で真面目な日本の国民の数多くの営みにも敬意を払いたく思います。また先の大戦では多くの犠牲者が出ましたが、また復興して豊かな国家となっています。大戦であれだけの人材を失いながらも、まだ世界トップレベルにまで復興する底力があったのです。

そのような数多くの犠牲や努力の積み重ねの上に、今の日本があることを考えれば、私たちの役割は、この日本を今後さらに発展させ、どのように世界に貢献していくか、という観点からそのあり方を考えることが最も歴史の意志に沿ったことのように思えます。

日本は古今東西の文化や文明の果実が流れ込み、経済的にも文化的にも世界の人々の尊敬を得ることができる場所にいます。

日本人が古来から持っている「和の精神」などは、紛争の多いイスラム世界や経済的な競争に疲弊する欧米先進国にさえ、伝えるべき重要な精神なのです。

日本は世界を本当の意味で一つにしていく重要な役割を担っていると思います。

このような観点から、憲法はいかにあるべきかを考えたいと思います。

まずは、現憲法の前文からです。この前文は守らなければならないポイント、また変えなければならない重要なポイントを数多くもっています。なぜなら、憲法の前文は、その憲法の基本精神が語られているからです。ここをみればその国の基本精神や国家ビジョンが明らかになるからです。

したがって次回は、この憲法前文の問題点を見ていきます。