月刊「歌の手帖 10月号」のバンマス岡宏先生の人気連載「うしろ姿のおつきあい」で、先生が山口瑠美の事を書いて下さいました。
読みながら、こみ上げてくるものがありました。
ずっと見ていて下さった方がいらっしゃるんだ・・・ということに。
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先生は覚えていらっしゃらないと思うのですが、先生と初めてお会いしたのは私がまだ19歳。デビュー当時の事です。まだ、マネージャーさんや事務所のスタッフと呼べる方もいなかった私は、デビューで大海にこぎ出したものの失敗の連続。右に左にぶつかりながら、なんとか歩いておりました。
先輩方への御挨拶の仕方にはじまり、舞台をつとめるうえでの礼儀・・・、失敗の連続でした。
そんな私が岡宏先生と初めてお会いしたのは茨城県のある舞台。
生バンドなんて初めてでした・・・。譜面をもってオロオロ・・・。楽屋の通路を急いで歩いておりまして、先生とすれ違いました。私は慌てふためいて頭を下げたのですが、その時先生にお叱りを頂いたのです。
「挨拶は、立ち止まり、きちんとしなさい!!」
私、この時の事をいつでも鮮やかにおもいだせます。
恐ろしいほどの緊張の中で、先生の様な方にご指導頂いた事は、私にとって凄く大きな事でした。
今考えると、至極当然で当り前で無礼極まりない・・・と笑ってしまうのですが、
緊張の中にいると、ちゃんとした事が出来ない、緊張でがちがちの19歳でした。
その時、私はおもいました。
いつか、岡先生とちゃんとお仕事をさせていただけるような歌手になるぞ。と。
そして、この時にご指導頂いた事のお礼を言おうと・・・。
それから16年。
事あるごとに、先生にはお手紙でご報告をさせて頂いたり、人づてに気にかけて頂いている事を聞く事はありましたが、ちゃんとお話が出来る事は無く歳月が流れ・・・。
先月末、上野水上音楽堂でのイベントで久しぶりにお目にかかり、ちゃんと御挨拶が出来ました。
決して親しい気持で、お話ができる方ではありません。
だからこそ、
今回こういう連載で、私の事を書いて下さった事が本当に嬉しくて・・・
「ずっと遠くで見ていて下さった方がいるのだ・・・」と、涙があふれました。
まだまだ、中途半端な私です。
いつか先生に褒めて頂けるように頑張りたい・・・
というのが私の正直な気持です。
先生がおっしゃるには、山口県の女性は辛抱強いそうです。
えぇ!! 辛抱しますよ。辛抱して辛抱して、きっと花を咲かせてみせます!!
このBLOGは先生御覧になっていないとおもうのですが、
先生が下さったあの日のご指導と、
遠くで見守って下さった愛情に
心から感謝を申し上げます。