山脇内科小児科医院

医療・医学情報

ワインで食道腺癌のリスク低下

2009-03-25 18:24:30 | Weblog
ワインを1日1杯飲むと、食道癌の前兆であるバレット食道のリスクが低下する可能性が示された。バレット食道は胃酸の逆流により食道が回復不可能な損傷を受けることによって生じるもので、人口の約5%にみられる。バレット食道があると、食道腺癌の発症リスクは30~40倍になる。米カイザーパーマネンテ医療プランの研究では、北カリフォルニアの男女953人を対象に調査を実施。1日に1杯以上の赤ワインまたは白ワインを飲む人は、バレット食道の発症率が56%低いことが判明した。ビールや蒸留酒ではリスクの低下はみられず、またワインの摂取量が増えても予防効果の増大はみられなかった。また、オーストラリアの研究ではワインを飲む人の腺癌発症率が低いことが示され、アイルランドの研究では、ワインを飲むと食道炎のリスクが低下することがわかった。ワインがバレット食道リスクを低下させる理由は不明だが、抗酸化物質の効果によるものか、ワインを飲む人は一緒に食物を摂取することが多いため、アルコールを単独で飲んだ場合に比べて食道組織の損傷が軽減されるためと考えられるという。


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