山脇内科小児科医院

医療・医学情報

インフルエンザワクチン

2010-04-28 15:07:04 | Weblog
世界保健機関(WHO)は、新型インフルエンザのウイルスを2010~11年の北半球のインフルエンザ流行期に備えたワクチンの原料となる「ワクチン株」に推奨することを決めた。季節性インフルエンザのワクチンはAソ連型、A香港型、B型の三つのタイプのウイルスを対象につくられており、来季はAソ連型を新型に置き換えることになる。WHOはAソ連型について、来季は北半球で大きなリスクをもたらさないと判断した。来季からは1回の注射で新型、季節性の両方に対応できる。ワクチンについて新型が通常の季節性インフルエンザと同等の扱いを受けることになるが、大流行が終わったことは意味しないとのこと。

三次喫煙

2010-04-27 17:24:08 | Weblog
室内表面に残るたばこの煙の残留物、いわゆる三次喫煙が空気中の物質と反応することにより、新たな発癌物質が形成される可能性のあることがわかった。ただし、この三次喫煙による健康リスクの有無はまだ不明。研究を行った米バークレー国立研究所が、ここで問題にしているのは、たばこから元来発生する物質ではなく、喫煙後に室内に残った残留物と室内の化学物質が混じり合ってできる物資。喫煙後の部屋や車の中で容易に感じることのできる臭いの元が残留煙で、これがたばこ以外の物質と反応して新たな汚染物質となることが判明した。米国癌協会によると、三次喫煙は比較的新しい研究分野であり、その曝露と癌リスクにどのような関連があるのかは不明だが、二次喫煙(受動喫煙)に比べればリスクは小さいと考えられるという。しかし、非喫煙者(特に乳幼児)が汚染された壁面やほこりに接触して、たばこの残留物を吸入すれば、健康にリスクが生じる可能性もあるという。今回の研究では、たばこ由来の残留ニコチンと室内に一般的にみられる亜硝酸が接触するとどうなるかを試験するとともに、ヘビースモーカーが日常使用している軽トラックのステンレス製のグローブボックスの表面を調べた。3日間で、トラック内では34本のたばこが吸われた。その結果、ニコチンと亜硝酸が相互に作用し、発癌物質として知られるニトロサミンが生成することが判明。また、研究を実施した環境下では、生成したニトロサミンの半分以上が、たばこの煙が完全に消散してから2時間以上残ることもわかった。ただし、ニトロサミンが健康にもたらす影響は今回の研究では明らかにされていない。

筋肉痛(4)

2010-04-27 17:18:56 | Weblog
遅発性筋肉痛を軽減するには、どうすればいいのか。準備運動や整理運動に予防効果があるという意見もある。しかし、けがの予防などにはなるが、筋肉痛が軽減されたという科学的な結果は報告されていない。運動後に筋肉を冷やすアイシングについても、筋肉痛に効くというデータはない。一方、運動の1日前に、電子レンジで使われる極超短波を20分間筋肉に当てて、40度以上に温めておくと、筋肉痛が抑えられたという報告がある。運動前日に熱いふろに入るのも有効かもしれない。また、2週間前に同じ運動をしておけば、筋肉痛の程度が8割減り、4週間前だと4割減るとの報告もある。筋肉痛予防には、事前に少しでも運動しておくことが有効なようだ。

筋肉痛(3)

2010-04-27 17:13:28 | Weblog
運動後に起こる筋肉痛について、かつては、乳酸蓄積が原因とされてきた。高校の保健体育の教科書にも掲載された知識だが、現在の生理学では疲労の原因ではないとされる。乳酸が疲労原因と考えられたのは、運動によって血中の乳酸濃度が高まっていたからだ。しかし、東京大の運動生理・生化学教室は、乳酸は老廃物ではなく有効なエネルギー源と説明する。エネルギーは、細胞内のミトコンドリアで糖や脂肪から合成される。急激な運動をすると、糖分解が活発化してミトコンドリアに送られるが、ミトコンドリアでの処理には限界があるため一時的に余ってしまう。それが乳酸。乳酸が疲労物質なら運動後もずっと残っているはず。でも実際は運動から1時間もすれば元のレベルに戻ってしまう。疲労物質ではない何よりの証拠。疲労はもっと複合的な要素で起こる現象のようだ。

筋肉痛(2)

2010-04-27 16:55:41 | Weblog
「筋肉痛は年をとるほど後から来る」と言われる。しかし、豪エディス・コーワン大で、大学生12人(18-25歳)、中年12人(40-55歳)、高齢者10人(65-75歳)の3グループにダンベルの上げ下げ運動の後に起こる腕の筋肉痛を調べたところ、年齢による時間の差は確認できなかった。痛みのピークは年齢差よりも個人差が大きかった。さらに、さまざまな運動で、後の筋肉痛を比較したところ、マラソンでは運動中から痛みがあったが、腕立て伏せでは運動中や直後は痛みがほとんどなかった。筋肉痛が起こる時間は、運動の種類によっても異なるようだ。年を取ると、直後に痛くなるような運動をする機会が減るのではないだろうか。

筋肉痛(1)

2010-04-23 18:33:29 | Weblog
普段運動していない人が運動した後に悩まされるのが筋肉痛。だが対処法を含め、筋肉痛に対する誤解も多い。そもそも筋肉痛とは筋肉のどのような変化で起こるのか。筋肉痛には、運動中には痛むが、運動を中止するとなくなる現発性筋肉痛と、運動後数時間から1-2日後に痛みが生じて1週間程度で消える遅発性筋肉痛がある。私たちが運動の後で苦しむ筋肉痛は後者だ。遅発性筋肉痛は、持ち上げたダンベルをゆっくり下げるときの上腕部や、階段を下るときの太ももの筋肉のように、縮めた筋肉が伸ばされる(伸張性収縮)運動をした時に起こる。伸張性収縮運動で筋肉の周りの結合組織に小さな傷がつき、炎症を起こす。傷自体は痛みを感じるものではないが、炎症によって、痛みを感じる神経が過敏になるため、体を動かして筋肉が圧迫されたりすると痛みが起こる。運動から炎症反応が起こるまでの時間差が遅発性につながっているという。