メタボリックシンドロームの人では、他の人よりも食塩摂取の血圧に及ぼす影響が大きいことが米チューレーン大学医学部の研究でわかった。メタボリックシンドロームは、心血管疾患や糖尿病の発症リスクを増大する因子を3つ以上併せもつ状態で、これらの因子には、腹部肥満、高血圧、高中性脂肪、低善玉コレステロール、高血糖などがある。研究では、メタボリックシンドロームの被験者は、食塩摂取への感受性が高いことが判明した。高食塩感受性とは、高食塩摂取の間に平均動脈圧が5mmHg以上上昇し、低食塩摂取で5mmHg以上低下すると定義されている。メタボリックシンドロームのリスクがない人に比べ、リスクとなる因子を4~5個併せ持つ人では、低ナトリウム食期間中に高食塩感受性が認められる率が3.5倍、高ナトリウム食期間中に高食塩感受性が認められる率が3倍であった。これらの結果から、メタボリックシンドロームは血圧の塩分への反応を増大するため、ナトリウム摂取を抑えることがメタボリックシンドロームの患者の血圧低下に特に重要であることがわかった。