遊行吟遊

短詩型作品等

自虐史史観 

2014-11-26 09:55:32 | 俳句・短歌

「自虐史」を唱ふる 教師(ひと)には

70年間 遭ひしことなし

ひとりたりとも 


贖罪は 「自虐」と違う

省みて 武器を使わぬ

平和祈ること


「洗脳」とは 怖ろし 「九条」

叫ぶ吾も かつては兵士を

志願せしもの

 

ナチス政権も 国民の

投票で 生まれた史実

「個人」は重し


友からの 転居の便り 毎朝を

啄木鳥(けち)の樹つつく

音で目覚むと






 

 


2歳児

2014-06-21 20:15:27 | 俳句・短歌
2歳児は 吾をめがけて
まっしぐら 走り駆け来る
駅の構内

2歳児が テレビ画面に
見入りたり 肘掛けに置きし
両手 忘れて

干し物を 床に散らかし
2歳児が 声上げて言う
「ツナミ ツナミ」と

孫去れば また 個に戻る
どこまでも この個は個なり
孤とは 異なり




高校生

2013-11-25 20:14:32 | 俳句・短歌
高校生五首
                                        
夜の浜で
励まし呉れし夜学生                                    
沙汰も途絶えて  名も忘れたり                                                                                                                        

新米の                                          
教師のわれを 夜の浜で                                  
慰め呉し 夜学少年                                                                                                                              

わが肩に はや寄りかかり                                 
眠り初む  少年
部活の疲れ 露わに

たは易すく笑わずなりぬ 生徒らは
われに距離おく
慎みを持ち

熟れ麦の 夕陽に光る畑中を                                
少年ひとり                                        
自転車 漕ぎゆく