『幻想組曲』 ~随筆 劇場~

  ~振り向くな 振り向くな 後ろには夢がない~  

いろいろ、かんがえる。

2017-07-02 | 随想


仙台と名古屋の業務が連続するため、、
東京の寮には戻らず、仙台の自宅と名古屋との往復が続いていた先月中旬。

1か月前の予約だと新幹線より安いから、たまには飛行機にしようと予約して、
いざ名古屋へ飛ぼうと楽しみに飛行場へ向かっていた途中。

「車ぶつけられた~」と妻からの電話が鳴ったのは6月17日。

停止した瞬間に後ろから追突されたそうで、
話を聞いた限りだと、ケガもなさそうだし、同乗していた娘も平気そう。
後から聞いたら、後部座席でもちゃんとシートベルトしていたからだね、と
事故処理に来た警察官に褒められたそうで(笑)

「車ベコベコになった~」と話していたから、かなりひどい有様を想像したけれども、
ガラスも割れてなく、自走は可能ということでもあり、まぁ安心。
(ちなみに、お相手の車はレッカー必要だったそうだけど)

翌日、妻がディーラーに持って行ったところ、愛車ビアンテくんの状態は見た目よりひどいらしく、
修理だけで50万ぐらいかかるそうで。
どのみち9月に車検だし、夏タイヤも冬タイヤも買い替えタイミングだったから、
修理代を買い替えの費用に回したほうが良さそうな感じ。

また、妻も一日経って、体のあちこちが酷く痛み、状態は見た目よりもひどいらしく、医者通いに。
私は仕事を調整しながら、車の手配だけは進めたんだけれど、休みまでは作れず。

買い換えようか、直そうか、いろいろ考えたけれど、
長い目で見ても、買い替えの方がメリットありそうだったので、そっちにすることに。
次の車もでも中古だよなぁとか、
せめて装備品は今の車と同等がいいなぁとか、のんきに考えていたわけ。



でもね。


私が単身赴任でいない中、
去年手術した体でフルタイムで働きながら、高1、中3、小2の子供らの面倒を見るという、
体力的にも、時間的にも、精神的にもギリギリだったうちの細君は、

会社を休んでCTとったり、MRIとったり、医者に行ったり、
保険会社の手続きやらなにやら、大きな負担がどっと増えてゆき、

残念ながら手放すことになってしまった前の車へ、娘を連れてお別れをしに行き、
「みんなで色んなところに行ったのに~」と、
悲しくて号泣した娘と、二人して大泣きしたといったあたりで、


たぶん、積み重なったストレスが限界を超えてしまったんだろうなぁ、と思う。


私もバタバタと動いていたから、疲れてて気が回らなかったのかもしれないけれど、
電話やラインの雰囲気がちょっと変だな、と感じて指摘したのが27日。

翌日、頭痛がひどいからと、MRIとりに行った脳神経外科で、
脳よりも、うつ状態の方が心配、と言われたそうで。

その話を聞いた瞬間、「あー、やっぱり…」と思いながら、
そりゃ本人もショックだったろうけれど、
私もなんだか、自分の心の箍が外れたような気がして。



色々、考える。



仕事が手につかなくて、その日は慌てて仙台に戻り、
思ったよりかは安定していたから安心したけれど、
私を見た瞬間に涙目になった姿からは、
まだ、いつ、どっちに転ぶかわからないという不安が、ずっと心に残る。


色々、考える。

いろいろ、かんがえる。



そもそもね、
仕事をするうえで、「家族に苦労を」かける事は覚悟決めているし、実際にかけてきた。
でもそれを補えるだけのリターンを必ず返そうと思っているつもり。
でもね、「家族を犠牲に」したいわけじゃない。

そもそもね、
高校もまともに出ていない身で、分不相応な待遇をもらえ、生活している事について、
私はうちの会社には恩義を感じているし、だからこそ行けと言われたらどこにでも行く。
でもね、自分で選ぶというタイミングがあり、それを許される場合は、
私はあくまでも故郷に貢献したいし、今までもずっと、そうしてきたわけで。

そもそもね、
自分自身を高めるであったり、良い会社にしようという事には、常に真剣に取り組んでいるつもり。
でもね、本社で偉くなろうとか、お金稼ごうとかは、私が働くうえでの目的には無いわけで。
ってかむしろ、嫌な部類(笑)


だから、色々、考える。
今の延長にある将来の私は、今をどう振り返るんだろうと。


今回の事故、幸いにも妻も娘も大きな怪我をしなかったから良いけれど、
大きな被害があったとしたら、万が一のことがあったら、
私はどれだけ後悔したか?

時間の量と密度は別だとしても。
たぶん私は、立ち直れないぐらい自分を責める。



誇りをもって、命がけで、頑張っている自負はある。
東北の社員を代表して来ているという意地もある。
指示される内容は、我慢が必要な時が多いから
お天道様に恥ずかしくない仕事、というポリシーを貫けない悔しさもある。


いま受け持っていることの重要さや重さもわかっているつもりだし、
仕事はとても楽しく充実しているけれど、

自分が目指していたものと、異なる気がするという、
小魚の骨がのどにひっかかっているような、違和感。

そんなハンパな心境の中で、家族にかける負担というものは、
「苦労」ではなく「犠牲」のような気がして。


だから、今のままが続くという事は、やはり違うと思うんだ。



妻とも、色々、考えた。
今のところの、結論。


「早く戻ってきて欲しいけれど、今回のことが原因で、中途半端で戻ってきて欲しくはない」
「家族の事は心配だけど、今担当している仕事を投げ出して帰ってくる事はしない」
 (ただし、今よりも何も悪化しなかったとき)

「家族と自分自身との両方が、納得できる理由と信念がない限り、本体への転籍はしない」

あくまでも、今のところの。



明日は東京~名古屋~東京~仙台。
明後日は、休みにした。

そんなこんなで自分も、今は不安定だしねぇ。

原因はたぶん、
源氏パイとゴマかりんとうを長いこと食べていないからだと思うから、
庭のお手入れをしながら、お菓子をつまみながら、紅茶を飲みながら、

ゆっくり、色々、考える。

コメント (2)
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