”不正”なんだろうか

＜不正表示＞「ズワイガニ実はベニズワイガニ」ニップンと日ハムも　農水省が改善指示

実はこれには前段がある。
「ずわいがにコロッケ」が景表法違反であるとして日水が公取委から排除命令を受けていたというものである。

どちらも要点は、安価なベニズワイガニを使用していながらズワイガニと表記していたという点だ。
だが、これは本当に「不正（＝正しくないこと。正当でないこと。また、そのさま。）」という表現が妥当なものだろうか。

ベニズワイガニは確かにズワイガニに比較して安価であるし、
味もいささか悖るというのは本当のところのようだ。
が、その価格差はプレミアム込み（ズワイガニのほうが漁期が短く水揚げも少ない）というのも事実であるらしい。
計算の仕方によってはその価格差は1.5倍程度（松永和紀blog／ベニズワイガニの悲劇）という話もある。
そもそも、ズワイガニを使用した製品があったとして、
それらの製品と同程度の価格で販売されていたのだろうか？
著しく味の劣る安価な原料で生産した製品を高級材料で生産した製品と同列に偽装したのなら
これは誰がなんと言おうと「不正」だが、今回の場合は違うだろう。
買う側はもしかしたら期待していたかもしれないが、
それでも価格を考えたなら過大な期待は持ちはすまい。

公取委が是正を指導したことについて
メーカー側が表記をベニズワイガニに改めたことも含め
これをとやかく云うつもりはない。
気になるのはマスコミの扱い方だ。
どうもなにか不必要に扇情的であるように思えてならない。
（やっぱり、と言うべきか、毎日新聞の記事だ）
ニッスイが製品を破棄した（せざるを得なかった？）というニュースを聞くにつけ
情けなさとやり場の無い憤りを覚えずにはいられない。