詩は人の心を豊かにするものだと思う。言葉のさまざまな表現によって、読む人に自分の思いを伝えていく感性。その人の生き方や考え方、物の見方や感動の仕方を文字に表したものが詩だ。
だから、それは決して大袈裟な雲の上のことではなく、生活に密着したところから生まれるといえるのだろう。
そうはいってもやはり詩は文芸。だから想像や空想もおのずと必要になってくる。事実だけ書いていたのでは、詩というよりはむしろ作文になってしまう。
見たものや感じたものを根底に、そこからいろいろなことを思い浮かべて自分の言葉で豊かに述べていく。きれいな言葉でなくてもかまわないし、むずかしい単語を用いなくてもいい。ただ、できるだけ自分の言葉で書くことはとても大切だとは思う。
それが詩の世界だと思うし、詩の魅力だと思う。
詩を書くことによって、少しでも人間性が豊かになれば。
そう思うのは詩を書く人の共通の願いなのかもしれない。
「生命の詩(14)詩を書くということ」