昨日マルペンサ空港にいる時にミラノのデザイナー(♂)の友達から電話があり、急遽インテル対ボローニャの試合を観に行くことになった。
当日、San Siro(Inter的に言えばジュゼッペメアッツァ)のチケット売り場の前で待ち合わせしたのだが行ってみると日本人のデザイン関係の人を含めて12-3人程終結...(笑)それ以外にもDuomoからトラムに乗るときにとても沢山日本人を見掛けたのであるが、やはりヒデ効果なのであろう。各々見たい席に分かれて見た。
尚、今日はチケットを当日券売り場で購入しようと思い並んでいたのであるが、並んでいる我々に話し掛けてくる怪しいイタリア人数名…〝4人?〟と聞いてきている。チケット窓口の前に並んでいる我々にダフ屋か?と思ったのであるが、〝Abbonamento(年間シート)を持っている友人が来れなくなったので一人10ユーロでどう?〟と言っている。しかもシート位置はゴール裏の2階。かなり良い席だったので、最初怪しいと思いつつもその筋で購入決定。(手には7-8枚持っていた)
*多分毎回やっているのであろう。10ユーロ分 X 17試合で充分元が
取れる。それを恐らく何枚も持っていて商売しているのではないだろ
か?
Abbonamentoは、ちょうど銀行のキャッシュカードと同じで、試合を観戦するとカードの端に星型にパンチで打ち抜かれるようになっている。
また、今日聞いた話によると、女性はスタジアムのチケット売り場で買うとチケット代金が安くなるそうだ。これはどのチームでもやっているのでは、との話(推測)。どこの世界でも同じだが、サッカー観たいのだが、彼女が渋る。渋る彼女を連れて行きたいが二人分払うと高い。であるならば、彼女の分が安くなれば彼女の分も払えるし、女の子本人が払うにしても安いならば行く、と言う事になり観客数は増える、と言う図式だ(笑)。
前置きが長くなったが、今日のBolognaの先発は下記の通りだった。
GK 1パリューカ DF 25ガンベリーニ(→2ザッカルド)、14ナターリ、5モレッティー、23スッシ、MF 7ネルボ、16中田、8ダッラボーナ、11ベッルッチ FW 10シニョーリ(→20ロカテッリ)、17ターレ
Interの先発は下記の通り。
GK 1トルド DF2コルドバ、17カンナバーロ、15アダーニ(→31ブレシェ)、13ヘルベグ、MF 4サネッティー、14ファリーノス、 11スタンコビッチ、18キリゴンザレス FWアドリアーノ(→8ラムーシ)、20レコバ(→30マルティンス)
試合全体の総括
間延びした詰まらない試合だったと言うのが正直な感想である。まぁ、よく考えると特にインテルもボローニャも好きな訳ではないからかも知れない。贔屓チームであれば勝った負けたで一喜一憂するのであろうが、しかし、どう贔屓目に見ても面白い試合だったとは言えないと思う。
全体的に攻守交替が起きる間隔が平均すると1分半から2分くらいで、また、ボールを取り返したとしても速攻を起こすことは殆どなく(特にBolognaは最後までなかったと思う)、観ていてダレた感じの試合だったのが実情である。インテルはレコバに代わって入ったマルティンスが速攻を仕掛け自身も得点をしていたが、それ以外は全くと言って良いほどユックリ進んだ試合だった。また試合途中で小雨がぱらつき、観客席上の屋根の端からは滴が相当垂れていたのであるが、ピッチ上でスリップする選手が何人かおり、そのせいかパスミスも多かった。またボールが水を吸っていたためであろうか、途中から明らかにミートしても鈍い音がするようになり、余計に試合展開を遅くしていた(Nike社製のボールだろうが、デザインも悪くとても観ずらかった)。
今日は中盤プレーヤーに着目 ⇒ 双方とも中盤のプレーヤーの駒不足。。。
インテルはこの中盤では来シーズンも上位は狙えてもスクデッドは無理であろう。インテルは、4サネッティーがボールに絡む時だけ攻撃が有機的になり、攻撃のリズムが出てくるのであるが、それ以外はほぼ全く駄目と言ってよいと思う。特に、11スタンコビッチのポジショニングが悪く、結果的にフォーメーションバランスが悪くなっていると思う。確かに今日はスタンコビッチが得点を決めたのであるが、ボローニャの個々のDFのレベルの低さから偶然取れた得点にしか見えず、切り込んだり崩した訳ではなく、機能的な攻撃だったとは言えないと思う(ボローニャのDFについては後述)。またキリゴンザレスは一人でドリブルしていく時などは良いのであるが、他の選手と離れてボールを受けることが多く、必然的に孤立した形になるかフォローを待つ時間が長くなっていたと思う。中盤ではないが、アドリアーノもFWとは思えない程消極的なプレーが随所に見られ、来シーズンビエリが抜けることがほぼ決定的になっている現在アドリアーノ頼みでは攻撃力が落ちることになると思われる。
ボローニャの中盤に関して、正直、16ヒデが機能しているとは言えず(特に前半はトップ下だったが、後半はボランチの位置だった)機能不全に陥っているのが現状ではないだろうか。ヒデは、10シニョーリ、17ターレとの距離感が悪く、フォアチェックに行く際も彼らとの距離が開いているためコースを消しに行っても全然間に合わないことが多かった。また、逆に彼らと距離が近過ぎてトップと被っている時もまま見られた。特にヒデがチェックを受けていた訳ではなく(ファウルをもらった回数は前後半で6-7回程度)、特に後半になってからボランチに下がったため、ファウルをすることはあってももらうことはなかったと思う。
ボローニャの中盤が機能不全に陥っているのはヒデのせいではなく、MF内で8ダッラボーナが全くと言って良いほど機能していなかったのが原因だと思う。パスを受ける際も0.5テンポくらい遅く走り出すために余程トラップがうまくいかないときちんと次につなげられていなかった。予測の悪い選手だと思う。正直な話、ダッラボーナに関しては、セリエAのレベルの選手では決してないと思う。彼のパスミスは途中から計測しただけで10回以上に渡り、一緒に観ていたデザイナーの彼も彼のパフォーマンスの悪さには苦笑していた。。。
また、ボローニャの攻めであるが、シニョーリが中盤に下がってくるとこのチームは機能しなくなってしまう。逆に左サイドに張ってボールを受けたりするととても有機的に機能し、シニョーリを起点として攻撃の形を作っていた。ただし、17ターレが余り長身を活かしているとは言えず、いわゆるタワーとしては機能していなかった。これは特にカンナバーロやコルドバ当たりのマークが良かった訳ではなく、当たり負けしたり、競り合いに勝てなかっただけだと思う。たまにボールをキープできたとしても、ターレのフォローに行く他の選手が遅くほぼ必ずと言って良いほど相手にボールを取られていた。
*サッカーはⅠ.攻撃、Ⅱ.守備、Ⅲ.攻撃→守備、Ⅳ.守備→攻撃と
局面的にはこの4つに注目していればほぼ90分間楽しめる。
どうしてもボローニャ程度のレベルのチームがトップチームと試合をすると、守備→攻撃が多くなる。その展開がバイタルエリアで起こったりすれば展開はそれなりに速くなると思うのだが、ゴールラインを割られることが多かったり、キーパーのパリューカまでボールが渡ることが多かった。またパリューカは8割方ロングキックを蹴る事が多く、これでは攻めが単調になるのも頷ける。必然的に上述のⅠ.攻撃の時間は短くなる。。。ボローニャは後半26分頃と32分頃に11ベッルッチが得点を決めたが1点目は単なる偶然と言うか、相手のミスではないがボールがベッルッチの前にこぼれたのを決めただけであった。2点目はヒデ(右に展開するパス)→2コルドバ(センタリング)→20ロカッテリ(こぼれ球を拾って浮き球でパス)→11ベッルッチ(シュート)で決まったが、それ以外は殆ど得点できる気配もなかったと言えると思う。
更にボローニャの守りであるが、特に目立って悪いところはないように思えた。が、しかし、個々の選手のレベルは余り高くなく、1対1で競り負けることが多かったように思える。今日の4失点にしても、パリューカのポジショニングが悪かったとか言うことはないと思う。むしろピッチコンディションが悪い中、何度か好セーブをしていたと思う。DFが競り負けたり、簡単に抜かれたり、コースを消しきれなかったりしていたために、パリューカとしても防ぎようがなかったと思われる。
既に、ミランは昨日土曜日にアウェーでシエナ相手にシェフチェンコ、カカの得点で勝利を収めている。ローマの結果次第だが、ほぼスクデッドと見て間違いないであろう。できればバッジオの引退?となるであろうブレシア戦を含めて残り試合は全て行きたいと思っている。