~プラモんモんな徒然に~

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ガールズ&パンツァー 劇場版

2016-05-23 | ガールズ&パンツァー

 

 ガールズ&パンツァー

劇場版

 

83℃ 西住姉妹 

大学選抜チーム センチュリオンMk1 

 

 

 

 

既に劇場上映終了ではあるが備忘録として外せないし、5/27発売のBlu-ray&DVDの発売も記念して・・・

 

さて、色々と折にふれては支持してきた私が今作に関して上映後も全然コメントしないのが不思議と思われる節もあるだろうが、実のところTV初回鑑賞時程に心の琴線にふれなかったのである。少なくとも1回目の鑑賞後までは・・・

 

初見以降、通常鑑賞5回+4DX 4回でそのタイミング・上映方法で鑑賞後の感想が変わる不思議な作品だ。

物語性は予想していた程深くはない。むしろ、画面映えを優先するシアター特化作品でスクリーンしか本来のスケール感が味わえない仕組み。それ故に中毒性もあると云っても良い。

また、発砲や振動の音響効果に関しては実に“それっぽい”音作りが際立っていて音響担当スタッフを特に賞賛すべきである。そしてそれら全てを含んで4DX(2D画面だから3DX?)で完全消化された感がある。お手軽な携帯端末や月並みなTVサイズでは役不足であると断言する。

しかし、簡素化された物語性も細部を深読みすれば味わい深い演出もそこかしこに散在する。常識的に考えれば死亡フラグ場面であっても脚本の吉田玲子の女性らしい感性で“可笑し可愛さ”が全開となる妙味だ。無機質な戦車が画面狭しと活き活きと描かれ、車内にいる搭乗者の雰囲気さえも感じ、戦車そのものが擬人化(キャラクター化)しているかの如し。

場面によるが時に可愛くみえる動作をするし、いい意味で重力方向に対して嘘が利いてると思う。

故に必然アニメ手法でしか実現出来ないアクション映画なのだ。

鑑賞された方がどれくらいの年齢を狙ってかは判断しがたいが映画通の水嶋監督、劇映画のオマージュ(或いはパロディ)がそこかしことあり、それら作品を多感な頃に経験値としてインプットされていないと旨味が理解しにくい。(タミヤMMブーム直撃世代が大半だと思う)

割り切ったファンムービーの体裁もあるし、これほどに茨城県大洗市が全面に出てしまうと悲壮なシリアス路線は今後も選択できない。節度あるファンが大事にすればエンドレスコンテンツにも成り得る。

全てが記号化され、デオドラントされた世界観は全くといっていいくらいに現実味が希薄である。愚直で過剰な素直さに違和感を唱える輩も、現実のシガラミ逃避のツールとしての輩も巻き込んで、近年稀な下馬評でスタートしたTV番組が異例の集客率を達成したのだ。(興行収益19億円を突破)

何より国内アニメで4DXになったのもこれが最初では?←この事実だけは驚愕

だが、そんな作品を手放しで賞賛を送るのはやはり一部層と考えるのが妥当だろう。再三議論されてはいるが戦車道という架空世界と誰も死なない絶対要素を許容できる“心のユルサ”を持ち合わせなければいけない。堅物な輩ではウケは難しいが偶然でもその世界観に入り込めれば普段映画を観ない一般層にウケる素地はあると確信している。

一般的にはそう云う素直さのある人達が“いいアニメファン”であり、コンテンツを支え、業界全体が潤うのだろうし・・・

業界としては二匹目の鰌すくいとばかりに航空機や艦船をモチーフで疑似作品が今後も目白押し、過剰増殖するであろうことは予測がつく。

 

しかし、ガルパンに関しては色々な要素が奇跡的にマッチングした結果であり根本的に何かが違う。何でも物真似すればヒットする訳では無い事を業界関係者は肝に銘じるべし。←結構重要。

 

劇中ではTVシリーズでは描けなかった西住姉妹の幼少期や関わり合いなどを掘り下げていたのが印象的。実はものすごく妹デレな姉が、大洗学園の制服で駆けつけるシーンはすでに同人レベルネタを公式がやり遂げちゃった感ありでネタ満載感である。また回想中の2号戦車は幼少の2人にとっては自転車ぐらいの位置づけなのだろう。望郷の風景に意味もなく感情移入して涙ぐむ輩がいたとかいなかったとか・・・

 

つらつらと無責任に述べることは容易ではあるが兎も角、戦車と云う独特且つ難解な素材をアニメ手法の中で最大限の努力で描き切った全てのスタッフに賞賛したいと思う。

 

 

そんなネタをメタファーにした訳ではないが西住姉妹に関してTV放映時から議論されていた黒森峰学園時代をモチーフにしたフィギュアがある。83℃のガレージキット。スケールは約1/8くらいでイベント限定販売品である。

 

白レジン成形であるが部品の勘合はまずまず。試合前の作戦会議中と云う感じである。私は極度にめんどくさがりなのでこの手のフィギュアの選択には瞳デカールが付属しているかが購入判断基準となる。真の萌フィギュア好きから云わせれば邪道と一喝されるのだろうが制作時間短縮は私の残り少ない人生時間では結構深刻なのである。

・・・ところがである。このキットは黒目部分のみの瞳デカールという形式なので眉や目の輪郭を描きこまないといけない。実に面倒い。お金出して面倒を買うなんてあり得ん。しかもデカール面にドットが見えるので結局それを下地にして全て上から書き込みし直す。

塗装方法は毎度ワンパターンで肌はサフレス塗装にて行う。コツという訳では無いが肌部分の塗装は一度に作業すると微妙な塩梅が途中で理解できなくなるため作業は日を跨いだり数回に分けて行うようにしている。この作業も性格柄行き当たりばったりで定量的方法論を独自展開できないでいる。今回はピンクが出しゃばり過ぎた。反省。

全体を組み上げて後は簡単なベースに配置というこれまたワンパターンである。

組み立て順番は部品全て塗装が終了した時点で組み合わせる。毎度のパターンだがマスキングの手間は最小限で済むかも知れないが接着剤のはみ出し等に気を使う。塗装面を剥がして接着面の仮合わせをしっかりすれば良いのだろうが元来面倒くさがりな私はいつも大体の仮合わせと力技で対応するので完成間際で、はみ出たり、勘合がヅレたりして思っていた通りにいかない。

 

 

 

続いては劇中のラスボス、大学選抜チームのセンチュリオンMk1である。見事なバレイダンスを繰り出す如く超信地旋回を華麗にやってのける。話の進行上、やや急ぎ過ぎな展開ではあるがその無双ぶりは流石としか云えず飛び級の島田愛里寿恐るべし。

ガルパンの常で通常プラモになっていない車種が選択されてモデラー泣かせであるがそこは何とか成るものでこの作例はAFVクラブ製プラモと英国のアキュリットアーマー製のハイブリット構成である。部品の勘合だけ注意して慎重に車体の余計な部分を切り出す。もともとプラキットもバラバラ構成なのにさらに切ると微調整に時間を食う。通常、力のかかる部品にはエポキシ接着剤を用いるが今回は全て瞬着のみで行った。ボークス製の剛着と即着を用途ごとに使い分けるのが肝要。意外にしっかりと保持されていて性能高し。瞬着は衝撃に弱く脆いものと長年感じていたがこのボークス製の瞬着に出会ってから見解が変わった。

 

 

モデルカステンの同スケールの人形を仮載せして、簡単なベースに設置し完成。意外な活躍をしたM24もストックからひっぱり完成した。フェンダー上の一部にはストック品のエッチング部品を使用。各車共にデカールは自作。尚、現在発売中のモデルカステン新製品デカールには大学選抜チームのマークも付くのでお金を気にしないならそちらを購入した方が断然良い。(ほとんど余るデカール構成がもったいないと思う)

 

・・・さて、初回TV放送から見届けてきた身としては暫くはガルパンネタも継続作業する所存である。

外伝的な野上武志、鈴木貴昭、共作連載中“りぼんの武者”もガルパンのスポ根世界をクロスオーバーさせながら、より泥臭い演出場面が立体映えしそうな感じがする。公式もひょっとすると新展開があるかもしれないがそれはまた別の機会と云う事で。