虹のじ ゅもん

当ブログを訪れた人には「夢が叶う」という呪いがかかる。

猫をかわいがったら呪いはさらに強力になるであろう。

音だけの花火

2020-07-08 | 
音だけの花火

都会の花火は音ばかり
高い建物に阻まれて
何も見えない

だから
膝を抱えて目をつぶり
まぶたの裏に
記憶の中の花火を見る

隣には幼友達があの頃のままで
はしゃいでいる
友達の浴衣は紺地に朝顔
私の浴衣は白地に朝顔
ちょっと似てて
ちょっとちがう
大きな音がするたびに
猫がおびえた鳴き声をあげ
近所の犬が遠吠えをして
飼い主にしかられる

振り返るのは好きじゃないけど
楽しい記憶を反芻して
明日の力にする
幸せな記憶は
生きる希望になる

(金澤詩人16号に掲載していただきました)
コメント (4)
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